イラスト!
<誕生日・その1>
<誕生日・その2>
<誕生ケ−キ>
<孫の成長(好奇心・1)>
<孫の成長(好奇心・2)>
<メモ>
『110番』の時は『どうかしましたか?』という問いかけに、一瞬
孫の誕生日は○月○○日。
偶然ですけれど、私の二女も○月○○日。
孫が生まれたその日、二女は喜んだ。
『わ-!、私の誕生日と一緒だー』と。
長女は『げ!あんたと一緒けー』と嫌そうな声、だけど顔は笑っている。
2年後、二人目の孫がやがて生まれてくる。
その記念すべき日は限りなく、限りなく初孫の誕生日に近づいていく。
本当に限りなく近づいてきた。
これはひょっとするとひょっとするかも知れないぞ。
そして○月○○日の前日、その子は生まれた。
時間で言えば○月○○日の8時間前にその子は生まれたのだ。
思わず私は『この慌て者めが!』と心の中で叫んだ。
でもまあ、このくらいは誤差範囲というものだ。
孫達の誕生日が近づいてくる。
娘は『二日もケ−キを食べたら胃がおかしくなっちゃうね』と言う。
私は『おー、そうだな』とすかさず相槌をうつ。
娘は家族の健康を心配する。
私は『ケ−キ2個か-』と、ふところを心配する。
やっぱり親子だ、心配する気持ちは同じだった。
初孫も1歳4ケ月、いたずら盛りで好奇心旺盛だ。
どうやら近頃は電話が気に入ったらしい。
『あなたがおかけになった番号は現在使われておりません』なんてね。
こりゃぁなんとかしなくっちゃあ、どっかにかかっちゃうぞ。
ある雨の日、突然家中に響くけたたましい音、『ガ−』。
発信源はなんとコ−ドレス電話だ。
『なんだこりゃあ-』。
思わず受話器を持つと『もしもし、どうかしましたか?』と電話が叫ぶ。
『はあ?』と何がなんだかわからないままに返事をする。
『こちら119番、消防署です』。
なんてこった、偶然119を押すなんて。
こんなことは2度とあってはならないことだと反省する。
あれから2年、二人目の孫も1歳3ケ月、いたずら盛りだ。
どうやら電話がことのほか気に入った様子。
だから電話は孫の届かない所に置くことにした。
これなら万全だら。
今日は家族そろって親戚に行くことになった。
向こうに着いた、『さあ、抱っこでいこうな』と車を降りる。
家に入ろうとしたら、どこかで声がする。
いつの間にか私のポケットの携帯電話を孫が持っていた。
かすかに聞こえる声はそこからだ。
『あっ、電話にさわったずら、短縮でかかってしまったじゃん』。
電話を取ると『もしもし、どうかしましたか?』と聞こえてきた。
『はあ?』と言ってから『どちらさんですか』と続けた。
『こちら110番です!』。
なんてこった、偶然110を押すなんて。
頭のてっぺんから血の気が引いていった。
二度とあってはならないことが本当に起こってしまった瞬間だ。
『119番』からの発信音は本当にすごい音だったことを覚えている。
冷静になってから改めてお詫びの電話をしましたが、子供がいたず
らをしている内にという、『誤報』が多いので要注意とのこと、本当
に申し訳ないことをしてしまいました。
前回のことが頭に浮かび、言葉を失ってしまった。
あとで発信履歴を確認すると『110005555 ‥‥ 』と数字が並んで
いた。
最初の三桁で発信してしまったようです。