決別
ジェレミアにルルーシュの暗殺命令が下った。
下したのはギアス饗団の饗主・V.V.。ジェレミアの命の恩人であった。
「貴公に任務が言い渡されたそうだな・・・」
「貴方には関係がないことです」
「そうか・・・」
そう言ったバトレーは少し淋しそうな顔でジェレミアを見ていた。
「貴公は・・・」と、続けられた言葉に躊躇いが窺える。
「何か?」
「・・・貴公はここに戻らぬつもりなのであろう?」
「なぜそんなことを思う?」
「・・・一目瞭然だ」
バトレーは苦笑を浮かべていた。
「馬鹿なことを・・・私はV.V.様の恩義に報いなければならない」
「それは建前なのであろう・・・」
「そのようなことは・・・」
「ないと言うか。・・・では窺おう。その荷物の量はなんだ!?」
ジェレミアの後ろにある風呂敷に包まれた大荷物を指して、バトレーは溜息を吐いた。
「こ、これは・・・ターゲットの情報をまとめたもので、決していかがわしい物では・・・」
「わしは一言もいかがわしい物などとは言っておらんぞ・・・」
ジェレミアが慌てて後ろに隠すようにした大荷物の中からは、暗殺ターゲットであるルルーシュの写真が何枚か覗いていた。
バトレーはまたしても溜息を吐く。
「それも貴公の忠誠のあり方なのであろうが・・・」
「・・・止めないのか?」
バトレーは首を横に振って、
「貴公には本当に申し訳のないことをしてしまった」
「そのことならもういい」
「一つだけ忠告しておこう」
「なんだ?」
「忠義も大切だが、・・・道を踏み誤ると一生を棒に振ることになるぞ・・・」
大荷物の風呂敷包みを担いで去っていくジェレミアの後姿を、バトレーは遠い目で見送った。
その中身は間違いなく、全て「ルルーシュ様」グッズ・・・
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