9/23に出かけました。東京国立近代美術館の琳派展、評判どうりのすごく贅沢な企画で
した。
肝心の光琳の作は、これぞというほどの作品はありませんでしたが、(「槇楓図屏風」ぐ
らいか)宗達はよくぞと言うくらい集められていました。華麗な光琳と静謐な宗達、世界に 誇れる日本最高の二人だと思っています。先達の宗達の驚くべき自由さと革新性は、「舞楽 図屏風」と「鳥カ図」の構図だけでも明らかですが、これはもう一つと思うような作品がな く、どれもすばらしい完成度の作品ばかりでした。光悦の書とのコラボレーションは、よく 考えると信じられないような芸術的営為なわけですが、「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」は特記 ものでした。
以下は琳派についてですが、尾形乾山の鉢と壷のモダンなこと。古田織部も見たかった
な。
酒井抱一の「夏秋草図屏風」と「月に秋草図屏風」、すばらしかったです。鈴木基一の
「朝顔図屏風」の構図もすごかった。菱田春草の描く樹木の肌の音楽性も記憶しておきた い。
横山大観の「秋色」が見られたのは幸福でした。あの緑と赤の色合い!!
平福百穂の「朝露」、この作品と酒井抱一と横山大観の作だけでも、来た価値は十二分に
ありました。
前田青邨も良かったですが、最初圧倒された加山又造の「千羽鶴」が、なぜかその後飽き
やすい作品と感じたのは、知の所産に傾きすぎていたからではなかったでしょうか。
「噴煙」、梅原龍三郎、日本近代油彩画最高の巨匠だと思うのです。この人について語る
だけで、かなりの手間がかかります。近いうちに語りきりたいな。
リー・ウー・ファンの「線より」という作品が、結果的に光琳の燕花図に近づく、という
のは実に知的に刺激されました。宗達に見せることを意識して作ったという福本繁樹の「風 神雷神」、その発想は面白い。
クリムトの「黄金の騎士」「裸の真実」もちろん好きな作品でしたが、コロマンモーザー
の「三人の女性の屏風」も良かった。
ルドンは不思議な人ですが、実物を見ないとわからない巨匠です。これもいずれ。
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