メダルラッシュのアテネオリンピックが閉幕し、祭りの後の寂寥感が漂う中、

気がつくとプロ野球界は未曾有の混乱でペナントレースすら頓挫しかねない状

況に陥っています。


現時点(9/7)では、今後のプロ野球界の姿は全く見えてきません。ダイエ

ーとロッテの合併がなくなったと思えば、今度は西武とロッテの合併話が急浮

上。ライブドアが新球団設立の準備を進めているとか巨人がパ・リーグに移籍

するなどという超裏技まで飛び出し、もはや何でもありの状況です。


唐突な動きに見えますが、1リーグ制移行はパ・リーグ一部球団の従来からの

悲願(全部とは言いませんが)です。セ・パ交流試合は何度も先送りされ、ス

ター選手はFAで次々に大リーグやセ・リーグに流れ、と。そうしたパ・リー

グ側の苦悩を見て見ぬふりをしてきたセ・リーグ各球団や球団経営を無視して

FAや複数年契約等の権利を拡大し年棒を高騰させてきた一握りの一流選手の

エゴもここまでパ・リーグを追い詰めた責任があると思うので、ナベツネや「

オリックス」「近鉄」ばかりを悪くいうわけにはいかないですね。ただ、巨人

がパ・リーグに移籍してもいい、と聞くとそれなら2リーグでもOKなどと豹

変するパ・リーグ各球団や慌てて「行かないでくれ」と泣きつくセ・リーグ某

球団オーナーの記事を読んでいると、大変寂しい気持ちになっていきます。


野球ファンのひとりとして言わせていただくならば、1リーグ制という方向が

プロ野球界を活性化するとはとても思えません。少数精鋭につながるなどとい

うオーナーもいますが、仮に一時的にそうなっても長い目で見れば、選手数の

減少は一流選手の減少に必ずつながります。実際ドラフト下位からも名選手は

多く輩出しているのですから、少数精鋭は幻想に過ぎないのです。やはり球団

数を維持しながら、各球団の経営が成り立つような仕組み(高騰した選手年棒

の抑制とか球団のない東北や四国などへの大胆な地域移転とか)を考えるべき

です。又アメリカの大リーグで特定球団に選手がかたよらないように実施して

いる課徴金制度の導入も検討すべきでしょう。FA制度やドラフト制度、法外

なリーグ加盟金、複数年契約など見直す点はたくさんあります。


昔と違い、今はインターネットやケーブルテレビ等メディアの選択の幅が広が

っている時代です。巨人戦の視聴率も年々下落傾向にあります。ファン無視の

機構改革がなされれば、来年はきっとプロ野球衰退元年になってしまうでしょ

う。そろそろ野球機構側も選手会も「野球界の発展、ファン層の拡大につなが

る改革は何か」を冷静に話し合って欲しいと思います。「雨降って地固まる」

ような決着を期待したいです。


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