郵政民営化法案が参議院で否決された結果、突然の衆議院選挙となって、 マスコミは選挙報道一色です。争点のわかりにくいこれまでの選挙と違う せいか、ずっと棄権していたような人でさえ、「今回は面白そうなので、 投票に行こうかな。」などと言っているのを聞くので、投票率も随分高く なるのではないでしょうか。 「郵政民営化」の是非については、立場上当然色々な意見があるでしょう。 族議員の既得権益がどうなるかは知ったことではありませんが、郵便局員 やその家族の人が、民営化に反対するのは心情的には勿論理解できます。 しかし、少子高齢化が進んでいく日本において行政のスリム化はもはや避 けて通れない問題です。肥大化した行政システムを放置したまま、国民に 税金の負担だけを押し付けたり、若い世代に借金を押し付けたりというこ とでコンセンサスが得られるわけがありません。郵便局だけでなく、今後 は国も地方もスリム化が求められます。無駄な特殊法人もどんどん減らさ なければなりません。年金制度改革も早期に行なう必要があります。正に 問題は山積みです。 反対している人にもぜひ考えて欲しいのは、「資源を持たない日本が人口 減少時代に国際社会の中で生き残るには、生産性をこれまで以上に高めて いくしかない」という現実です。非生産的なシステムを内部にかかえて経 済を発展させるだけの余裕はもはやないのです。日本経済が国際競争力を 失えば、「地方の郵便局が切り捨てられる」どころではありません。今回 民営化という痛みを避けて問題を先送りすれば、将来もっと大きな痛みを 伴うことになるでしょう。選挙まであと2週間ちょっと。歴史に残る選挙 となるのは間違いなさそうです。 コラムトップへ |
copyright:ARIOKA accounting office 2003-