少し前になりますが、「ラストサムライ」と「たそがれ清兵衛」がアカデミ
ー賞にノミネートされて話題になりました。「ラストサムライ」はヤフーの
ユーザー採点でも高得点だったので、私も公開早々に見に行きました。「た
そがれ清兵衛」はロードショーでは見逃してたんですが、先日心斎橋のビッ
グステップで再上映されたので見に行ってきました(ミーハーですね)。
両作品とも納得の力作でしたが、中でも特に私が強く惹かれたのは勝元(渡
辺謙)と清兵衛(真田広之)の生き様です。勝元は武士の時代が終わってい
く中で敢えてサムライとしての誇りと信念を最後まで貫き通します。清兵衛
も周囲から変人扱いされながら、出世など求めることなく愛する家族を守っ
ていく生き方を選びます。時代の変化や世情に流されず、自分の生き方を無
骨に貫く姿。そこに人としての潔さやかっこ良さを強く感じました。人は決
してパンのみに生きるわけではないのです。
残念ながら現代は過酷な競争社会です。従ってある程度は経済効率重視にな
るのもやむを得ません。誰しもパンを失うわけにはいきませんから。ただ、
仕事柄「相続」が「争族」になってしまったり、若くして事業に成功したた
めに浪費癖がついて身を持ち崩したりという現実をみると、お金に振り回さ
れる怖さもよく感じます。お金はもちろん大事です。しかし、勝元や清兵衛
のように自分らしい生き方や人としての誇りも大事にしたい。両作品を見て
改めてそう思いました。
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