社会人になって以前より少しお金が自由に使えるようになった頃、電気製品

で欲しいものが色々ありました。大型テレビやCDコンポ、パソコン。たと

えばパソコンは今なら10万円台でも十分買えますが当時は30万円近くする高

額商品だったので、購入するときは「失敗して後悔出来ないぞ!」という相

当な覚悟?が必要でした。


そんな当時の私にとって最先端のハイテク製品が店頭に並ぶ日本橋の電気街

はわくわくするようなワンダーランドでした。知識のある店員さんになめら

れないよう事前に「特選街」などの雑誌でスペックを確認。何件も店を回っ

て値段を確認してから「なんぼになるの?」の値切り交渉。今のようにイン

ターネットもなかったのでそれなりに知恵と根気を必要としましたが、それ

が逆に日本橋に出向く楽しみでもありました。


今、その日本橋の電気街に以前のような活気がありません。特に東京からビ

ッグカメラやヨドバシカメラがなんばや梅田に進出してからは店舗閉鎖が相

次ぎ、街全体が縮小しているのが感じられて寂しさを感じます。


確かに客観的に見て立地や品揃え、店の活気など現状ではいずれをとっても

ビッグカメラやヨドバシカメラが上だと思います。大阪に生まれ育った人間

としては出来れば関西勢にも頑張って欲しいとは思っているのですが、満足

度の高い店に流れるのは仕方のないことです。やはり街自身がこれまでには

ない新しい魅力を生み出していくしかないでしょう。


4月の日経新聞に秋葉原で大学や民間企業の研究施設を集中して誘致する計

画が進んでいるという記事が出ていました。秋葉原の知名度を生かして新た

なITの拠点作りを目指そうというもので既に東大の新設学科や日立の事業

部門の一部が移転する計画だそうです。


日本橋も街としてのパワーは今でも十分あると思います。あとは秋葉原のよ

うな戦略です。現状への危機感をばねに街全体が一致団結すれば、新たな飛

躍の時を迎えることもあるでしょうし、ぜひそうなって欲しいと思います。

最後に長年お世話になっているこの街に一言。「頑張れ!日本橋電気街。」


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