鉢栗窯は

鉢栗山には穴窯と倒炎式登り窯の二つの窯があり
燃料は松薪です。


私、湯沢千春は 30年前、1978年鉢栗窯で
作陶を始めました。
年齢は故意に忘れ、50代です。

安土桃山期の茶陶の魅力を手本にしています。
志野、黄瀬戸の暖かみのある焼上がり
織部の自由な創造力、
なかなか超えられそうにありません。

写真は登り窯です

                                            
窯焚き : 織部を中心に焚くか、志野中心かのどちらかです。
       窯焚きの経験を整理してHPへ発表したいです。

釉薬(うわぐすり): わら灰、松灰、樫灰などを準備し、アク抜きと
            精選を繰り返し、天然の材料長石などと調合します。

粘土 : 土岐、信楽、備前、萩など 各地から集めました。

ろ く ろ : 手回し式ロクロでゆっくりゆっくり回します。




長野県駒ヶ根市の山中で赤松の薪を燃料に、年二回の窯焚きをします。

窯は大きく、茶碗にしたら500個位入ります。 準備作業にかなり時間が掛かるため
   ろくろの前に座った時には八割方の仕事を終えた感じです。

粘土は全国窯業地の最高の土を探し集め、石臼で砕き、ふるいに掛け、
  水を加えて練った後、3ヶ月以上寝かせます。 
釉薬(ウワグスリ)は、灰と長石の調合を基本に、 例えば白濁色を出す為には無農薬無肥料の
  ワラを調達。 黄瀬戸の黄色は樫の木を岐阜県から運び、又周辺の木も雑木灰とします。
灰を作ったら熱湯を掛けてアク出しの後、毎日アク抜きをしフルイに掛け、
  沈殿部を捨て、ガラス質の成分だけを集めてゆきます。
  こうして、米袋一杯の灰から、酒瓶一本分くらいの釉薬用の灰が出来あがります。
  粘土の仕込みと、灰作りが、窯場での仕事の半分を占めている感じでしょうか。

手回しのろくろは、出来るだけゆっくり回します。不思議なもので、時間が掛かっている分
  作った時の思い、呼吸などが器に込められていくようです。
窯焚きは三昼夜以上かかります。窯の調子は、季節・気温・湿度・薪の太さ・窯詰めの具合い
  に左右され、 又、粘土に合わせ、試行錯誤の繰り返しですから、二度同じ焚き方をする
  という事はありません。  半年以上乾かした松の薪を千束以上用意して、火入れです。
友人たちが駆けつけてくれて、窯詰めから窯焚き、薪運び、とお世話になりっぱなし。
それでも、窯焚きも大詰めを迎える頃には形相が変わってきて、ススで真っ黒になった
顔を洗い、フッと鏡に目が行くと夜叉のような別人がいて、毎度ギョッとします。                         

鉢栗の由来は、隣の山の名前からです。 ほんとうは“猪込め”という地名ですが、村の人
から聞いたときに勘違いして、そのまま鉢栗窯となりました。

 
 

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