長野県産ギフチョウ標本写真1

(北安曇郡小谷村産6個体)

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北安曇郡小谷村産

1978年〜1981年まで毎年、ゴールデンウイークにはこの国鉄大糸線沿線に採集に出かけておりました。
狙いはもちろんギフチョウとヒメギフチョウ、それにクモマツマキチョウでした。
Luehdorfia2種は、簡単に得られるのですが、クモマツマキチョウは難しかったですね。
結局この4年間でクモマツマキチョウは、飛翔中の1雌を目撃しただけに終わりました。
近年でも採れているようなので、来年あたりクモマツマキチョウ狙いで、もう一度行ってみようかと思っ ております。

ところで、当地はギフチョウとヒメギフチョウの混生地としてあまりにも有名です。
マクロにみると混生地と言ってさしつかえないないと思いますが、実際に現地で採集してみると、微妙に 棲み分けしているように感じます。
やはりカンアオイの生えている辺りにはギフチョウだけ、ウスバサイシンの生えている場所にはヒメギフ チョウだけしか居ないといった印象です。それでもそのポイント間の距離は、少ししか離れていないので、 両種の邂逅の機会は、かなり頻繁に有ると想像されます。

上に貼り付けたギフチョウ6個体中、右端の雌は、ご覧のようにヒメギフチョウの交尾嚢を付けた個体で す。
この個体は、同じ時期にヒメギフチョウの雄とギフチョウの雌が出会い、「自然状態で雑交したのだ」と いう証拠になりますね。

なお、この個体は蝶研フィールド Vol.15 No.5 (167) May.2000 p.31に発表済みです。