京都府木津川堤防のホソオチョウ

京都府産 雄 表面 京都府産 雌 表面
展翅のやりにくい蝶です。
尾状突起が長いので、この長さに対応する展翅板は4号になります。ところが、ご覧のように触角が短いの で、この短さに対応する溝巾は2号の展翅板です。
結局4号を使ったのですが、なかなか上手く決まりません。元々下手な展翅が、より際立つ結果となってし まいました。

本来、木津川堤防に本種は居なかったのですが、人為による持込が原因で、今では継続的に見られるよう です。
本種を採集したのは木津川の右岸で、この日は多数の個体が堤防法面上をゆるやに飛翔しておりました。 そのとき私が受けた印象は、
「雰囲気的にジャコウアゲハやな…。」
というものでした。
放蝶する人間は、元々ジャコウアゲハの生息していた地域を選んで本種を各地に持ち込むようで、この結 果、ジャコウアゲハの方が、本種に押され少なくなっているという話も聞きますが、どうなんでしょうね。

それから、わざわざ採りに行っておいて、こんなことを言うのは少しあつかましいのですが、『放蝶』はや っぱり、やめてほしいと思っております。