文句なしに美麗です。トカラカラス

表面

種Papilio dehaaniiの中では最美麗亜種だと思います。
尤も、八丈島亜種を採ったり、見たりしたことがないので、こう言ってるのかもしれません。ハチジョウカ ラスを採れば、こっちの方がキレイだと言い出す可能性もあります。

ラベルにもあるように、この個体は3月下旬の中之島産です。
この時期、トカラ列島の中之島は、京都の5月上旬の気候と同じような感じで、ツツジが満開でした。
京都の感覚では、このツツジの花に吸蜜に来る個体を狙うのが最も効率的だと思えたのですが、ここでは 栽培ダイコンの白い花が最もお好み(特に雌は顕著)のようでした。
もちろんツツジの花にも雄は吸蜜に来るのですが、何故か雌はツツジの花には来ず、私は帰るまでツツジ に来た雌を見ることはありませんでした。
ダイコンの花に本種の雌が吸蜜に訪れると、この黄金色の翅表を誇るかのように翅を広げ、自重でだらり と曲がった茎の先にぶら下がった本種の姿を見ることができます。

最近、十島村条例でトカラ列島の全島において、昆虫の採集が禁止になってしまったようです。
こんなに美麗な本種を、これからは手に入れることができなくなってしまい、とても残念です。

なお、この個体は蝶研サロン(202)Nov. 2003 p.14「第1回 カラスアゲハコンテスト」に発表済みです。