成虫採集のベニモンカラスシジミ

表面

この個体を採ったときは、とっても感動しました。

文献には、採卵すれば簡単に手に入ると書かれておりますが、私は成虫で採りたかったんです。
『自分で成虫をネットインし、自分で展翅し、自分の標本箱に収納することを以って、自己採集の 1種とする。』
という自分で勝手に決めたルールがあるので、どうしても成虫にこだわりました。

前年には有名ポイントである、磐窟渓や夫婦岩に行ってみたのですが、どちらも蝶屋さんが先におられ、 私はダメでした。
人がおられると、やる気をなくす私には、このような有名ポイントで採るのは、おそらく無理だろうと考え、 いつも通り1/2.5万地形図からポイントを予想することにしました。

前年までの経験から、本種の成虫ポイントは石灰岩質の切り立った崖の上部で、到達可能な地点ということ になります。
そう、狙いはズバリ『崖マーク』です。
この条件に合致すると思われる場所に、あらかじめ赤鉛筆で印をつけ、順番にまわってみることになりま す。気合を入れて何ヵ所か探索しましたが、ことごとく振られ、最後に立ち寄った新見市にあるこの場所で、 案外採り易い所に静止していたこの個体を発見し、ネットインすることができました。

近年にない感動の深さでした。