2004年の近況集06

  • 2004年07月21日
    今週はこの話で、1週間ひっぱることにしたので、昨日からの続きとなります。
    広島県芸北町の才乙、長沢、細見、大仙原、川小田、八幡原牧場などの記録のあるところは、無視というか、今 回は意識的に避けました。
    というのは、これらの場所で見られなくなったから、「居なくなった」と巷間言われるようになったのだと 考え、これらの場所以外での探索です。
    そこでいつものように地形図の読みから、湿地の存在を予想し順番にまわってみることになります。予想 地点5ヶ所をまわって、湿地のあった場所が3ヶ所。あと車中から地形と樹林相を観てみつけたのが1ヶ 所と合計4ヶ所の湿地を探索してみました。
    結果はいずれの場所でもヒョウモンモドキは見られませんでした。食草は全ての湿地で生えていたのです が、おりませんね。最も状態の良い湿地でも、ハッチョウトンボ止まりです。
    どこかで生き残っていてくれることを期待していますが、かなり厳しそうです。

  • 2004年07月22日
    7月18日の採集行動の続きです。
    広島県芸北町の湿地めぐりを終えて、次に行ったのは戸河内町のS山です。
    ここのヒメヒカゲについては、「数はとっても少ないが、スキー場の辺りに居る」とか、「山全体に広く薄く 居る」とか、「行ったけど、何処に居てるねん?全然見てへんで」とかいう話を聞きます。
    けれども私の受けた感じでは、『適度に居てるやん♪』です。
    今回は20個体程度ネットインしていますが、時期が遅く汚損個体をけっこうリリースしてきました。やは り広く薄く居るという印象ですが、ポイントと言える場所は確かにあります。
    それからマルタン2号さんが管理されているHP【広島県のチョウとトンボ】に、ここS山でミナミアカ シジミの未発表記録があるとの記述があったので、本種の探索も目的の一つでした。
    本種の食草であるカシワは、在ることは在るのですが、草原内で矮生状態で生えているものと、樹高2M ぐらいの貧弱な木を1本見つけただけで、ミナミアカシジミは見られませんでした。
    もしかすると、昔はもっと立派なカシワが現在見られるクヌギ等の代わりに、草原内で疎林を形成してい たのかもしれません。
    あと、夕方にキマを狙ってみましたが、トラフシジミ夏型が多数テリを張る中、「この個体はキマで決まり !」と必死でネットインした個体は、翅の面積が半分程にまですり切れ汚損したトラフシジミ。しかも春型 でございました。

  • 2004年07月23日
    ここまでひっぱってきた広島シリーズも今回でオシマイになります。
    このトラフシジミに騙されてから後、すっかりやる気をなくしてしまい、近くにある公営の宿「いこいの村 ひろしま」でさっさと入浴してしまいました。
    次の日、7月19日は、朝から良いお天気です。当初の予定通りJ山に登ることにしました。
    狙いはウラジャノメです。文献には本種の記録があると出ており、地形図からは山頂付近によい環境の存 在が予想されます。もう採れたも同然です。
    ところが、居りません。
    山頂付近の草原は、予想通りササを主体とする草原だったのですが、期待していた湿潤性がなく、乾燥気味 でした。これでは本種を望めないだろうと判断し、急いで下山しました。
    次に登ったのはO山です。
    ここは昨年2度も登り、ウラジャノメを狙ったにもかかわらず、1頭の目撃もすることができなかった相 性の悪い山です。
    先ずは登山道を利用せず、スキーゲレンデ内を直登します。何故ならヒメヒカゲの採集も目的の一つだか らです。
    ここの本種はかなり衰亡(おそらくスキー場としての整備が原因)しており、今年は見られるかどうか不 安でしたが、汚損した1雌を確認(ホントに確認してそのままにしておきました)できてホッとしました 。
    ヒメヒカゲがここまで汚損しているということは、ウラジャノメの時期も終わっているだろうと予想 できたことです。しかし、ここまで来たらO山に登らずにいられません。
    結果。登らなければよかった…。

  • 2004年07月24日
    明日は何処へ行くか決めかねています。
    原生林でマムシ様と対面し、「ひぇ〜っ」と涼しくなるか、それともカライトソウの生える崖で、下を覗き込 み、「きょぇ〜っ」とさぶくなるか…。
    いずれにせよ、この暑さから逃れたいと思っております。
    今日は、これも暑かった日に採りに行ったクロコムラサキを[たわごと解説付き画像集9]にUPしておき ました。

  • 2004年07月26日
    結局昨日はカライトソウの生える急斜面で、滑ったり転んだりしながらの、山ゴマになりました。
    岐阜県の某所に行ったのですが、全くダメ。目撃すらできませんでした。
    急斜面にある草付きの少し湿ったところや、露岩周辺にはカライトソウがまとまって生えており、その状 態も蕾〜咲き始めでちょうど良い時期のように思われました。
    天候は基本的に晴れで、時折雲がかかりますが、居るものであれば、飛ぶ状況でした。
    ポイントを外しているのかとも思いましたが、この環境なら、数はともかく必ず生息しているハズです。
    何故居ないのか?強いて言えば、フライングだったのかもしれません。
    けれども昨日は、今シーズン初めてフィールドで出会った蝶屋さんと親しくお話することができました。
    私、八重山以外では、あまり有名ポイントに行かないのと、蝶屋さんがおられるのを見るとすぐ移動して しまうので、滅多に蝶屋さんと談笑するようなことはありません。
    ただ昨日はゴマシジミが全く見られなかったことと、出会った蝶屋さんが感じの良い方だったので長時間 お話させていただき、いろいろと教えていただきました。

  • 2004年07月28日
    4月や6〜7月は採集可能日であれば、何処かしらの近場に出かけておりましたが、最近は週末のみの行動に なっております。
    さて、これからはゴマシジミの時期です。
    先週末は山ゴマでしたが、今週末も山ゴマかな?
    ということで、今日は私が初めて採った山ゴマ、ラベルにはこの地名を書けませんが、
    「Yヶ池のゴマシジミ」
    をUPしておきました。

  • 2004年07月30日
    またしても台風です。
    西の方に向かっているので白山周辺は、この週末、何とか天気がもちそうです。
    ギフチョウの時と同じく、明日31日(土)の夕方に自宅を出て、北陸道のPAかSAで寝て、日曜日の早 朝から、お山に登ることになります。
    金沢市のM山か、白川村のS山のどちらかに行くつもりです。
    地形図を見ていると、いずれの山も苦しい登山を強いられそうな感じです。
    せっかく登っても、また返り討ちに遭うのだろうか?
    今年は「登ったけど採れない」というパターンが多いからなぁ…。

  • 2004年08月02日
    今日は昨日の「山ゴマ・ファイト」で身体中がガクガクです。
    31日(土)は何とか仕事を片付け、夕方に自宅を出発。今回は岐阜県郡上市の道端で仮眠し、翌8月1日は 5:00から白川村へ向け移動です。
    当初の目的であるS山の登山口には6:00過ぎに着いたのですが、いざ登り始めようとしたときに、雨 が降ってきました。風向きや上空の雲の流れを見ると、どうも天気が良くなりそうにありません。
    「これではせっかく標高差1350mを駆け登っても、天気のせいでnullになるかも…」
    ということで、急遽予定を変更しました。
    第二の目的地、金沢市のM山にしようかとも思ったのですが、できるだけ富山湾に近い方が天気が良い( 根拠はありません)ような気がしたので、富山県の山ゴマを狙うことにしました。
    あかん、疲れてきた。
    続きはまた明日書きます。

  • 2004年08月03日
    ところで、富山県ラベルのゴマシジミは、皆さんあまり採っておられないのではないでしょうか。
    文献上出てくる産地は、
    @宇奈月町朝日岳K平(この時刻では白川村のこの場所から、ワープでもしないと行くのは無理)
    A大山町S池(文献には『絶滅』と出てるけど果たして?無理をすれば行けないこともないが、2003年に 行って…)
    B上平村M山(第二目的地の金沢市M山と同じこと。前述の理由で却下)
    C上平村H山(2002年に行って…、嫌いやッ!)
    D平村N山(地形図を見るかぎり、えらい遠そうやけど…)
    E利賀村S山(Dと一緒に行けそうや)
    の6ヶ所です。これ以外にもあるのでしょうが、私はこれしか知りません。
    いずれの産地も色々な意味で厳しい所、即ち、元々の産地は水の底だとか、「あんな場所、詳しく聞かないと 行けませんよ」とか言われている場所です。
    そういうわけで、今から行くとすればDとEしかありません。
    1/25000の地形図を見ると、かなり上部まで林道が延びており、徒歩での登山は標高800mぐらいから始めら れそうです。ところが実際行ってみると林道の工事をしており、登山道のかなり手前で駐車しなければな りませんでした。
    駐車場所から目的地まで標高差で約1050m、距離にして片道約7kmです。
    今週はこのお話で引っぱることにしたので、今日はここまでです。

  • 2004年08月05日
    すいません、昨日はUPできませんでした。
    ということで、一昨日からの続きになります。
    7:30頃から歩き始め、N山とS山の分岐点に到着したのが10:00前と、けっこう時間を要してしま いました。ちょっと加齢した自分を感じます。
    ここまで登って来る途中、N山の山腹には良さそうな露岩斜面が見えていました。
    「まさか、あそこまで行かなアカンのとちゃうやろな…。どないして行くねん?」
    とブツブツつぶやきながら、この分岐点に到着です。
    この時点では未だ、地形図に表示されている登山道沿いの【崖マーク】がポイントだと思い込んでおった 訳です。ホント、イイ気なもんです。
    で、ようやくその地形図に表示されている【崖マーク】の場所に近づいて行くと、遠目には良さそうな草 原です。もうこれは採れたも同然と勇んで草原に入ってみたのですが、カライトソウが生えておりませ ん…。
    そういえば、草原内に露岩が見当たりません。今までの経験から、滑り易い露岩とカライトソウはセット だったことを思い出し、「ここはポイントではない」と判断。すぐに戻って、登る途中に見えていた、露岩斜面 をめざすことにしました。
    ところが、あんな遠い場所にどうやって辿り着けばよいのか?そのルートが判りません。
    そう、藪漕ぎ突入ポイントが見えてこないのです。
    しかしここまで来て諦めることはできません。
    そこでしかたなく、最も露岩斜面に近いと思われ場所から濃い樹林帯に突入。全身を使い、正に泳ぐように して藪を漕ぎ、露岩斜面に辿り着きました。
    そこにはお約束通り、たっぷりとカライトソウが生えています。そして、ほとんどの株には咲き始めのピン クの花が付いており、山ゴマにとって、ちょうど良い時期だということを教えてくれています。
    ところが、山盛り居る予定のゴマシジミは飛んでおりません。
    その理由は、強風です。どうかすると身体が煽られるくらいの強風なのです。
    そこそこの日照はあるのですが、この強風の中で、ゴマシジミ君たちは、出て来たくないのでしょう。
    ただ一度だけ、かん木にしがみついていたと思われる本種を叩き出したのですが、強風に乗り、ビュ〜ンと 飛んで行ってしまいました。ホント、「あぁ〜、あっ」でした。
    と、ここまで長々と書いて、
    「結局、採れへんだのかいっ!」
    という声が聞こえてきそうですが、実は何とか採れるのは採れたんですよ。別ポイントで。
    チョッと汚損した個体を2頭だけだったのですが、お持ち帰りすることができました。
    「それやったら、その採れた方の話を書かんかい!」
    って?
    いや、もう疲れました。