2005年の近況集07

  • 2005年05月07日
     昨日はおかしな所で切って失礼しました。5月3日の続きです。
     ところでこのS山、ギフチョウの個体数はけっこう多かったのですが、時期が少し遅かったようで汚損個 体を約10雄リリース。お待ち帰りは△雄×雌でした。ここではこれ以上やっても、汚損個体のリリースばか りになりそうので、もう一つの目的地であるW岳へと急ぎました。ところがこのW岳、S山とは少ししか離れ ていないのですが、登っている途中、全く食草が見られません。これでは、まず無理だろうと思いつつも登 り切りました。
     ↑はW岳の山頂です。ご覧のようにギフチョウのポイントとしては、よろしくないピークで、当然の事な がら全くギフチョウは見られません。まっ、しゃーないですね。
     居ないとなれば長居は無用なので、急いで下山です。ところが下山途中に激しく汚損したギフチョウを 1雄ネットインしました。普通ならリリースするような個体なのですが、『W岳』とラベルに書ける場所だ ったのでしっかりお持ち帰りしました。
     そうこうしながら駆け降り、クルマの場所に着いたのが未だ11:00前です。この時刻なら、あと1ポイント 行けますね。
     という訳でここから近い白山市(旧白峰村)にあるK谷に行くことにしました。ここは以前天気の悪い 日に下見をしておいたので、迷うことなくポイントへ向け林道を進んでおりました。すると前方から「石 川県ふれあい昆虫館」と書かれたクルマがやって来ました。すれ違いざまに、運転されていたM氏にお話を うかがうと、今年は未だ時期が少し早く、個体数も少ないようだとの事。しかしここまで来たら、やってみ ない訳にはいかないので、とりあえずは植林斜面を登ることになります。植物等の雰囲気から、確かにチョ ッとフライングかな?と思えたのですが、上部の尾根で△雄、樹林内で×雄、林道上で×雄採集の○頭ミス ネットと、この時期の当地としては、まあ、そこそこ見ることができました。

  • 2005年05月09日
     もちろん昨日、5月8日(日)も採集に出かけたのですが、この日のお話はまた後日。先に三連休のお話を 続けます。
     肉体的にかなり消耗したこの5月3日は白峰の温泉「総湯」で入浴(300円)後、手取川畔でレトルトの パスタと泡盛で夕食、20:00には寝てしまいました。
     明くる日の5月4日は福井県の和泉村で探索です。
     実はこの和泉村、九頭竜湖の周辺で去年、標高1000m程度のピークを含む尾根を2本/1日探索してヘトへ トになったあげく、nullを喰らった相性の悪い村です。帰宅後、T先輩にこの話をすると、「採れてるのは、 もうチョッと南西なんや」と教えていただきました。かなり肉迫しておったのですが、結果的に外してお った訳です。こういう経緯があったもので、今回は朝一番に、この教えていただいポイントに行ってみまし た。
     ところが、ギフチョウは居りません。
     緩やかな谷筋には新芽の出始めたヒメカンアオイが沢山生え、上部の尾根やコブも明るく、とっても良 い感じです。居るものならば、5頭は溜まっている環境です。けど、居なぁ〜い。「なんでやろな?」とブツ ブツ呟きながら歩いていると、蝶屋さんが1名来られました。「おはようございます。居ませんねぇ」とご 挨拶してから、このポイントを離れました。
     粘れば何頭かは採れたかも知れませんが、有名ポイントで何頭か採るよりも、探索してnullを喰らう方 が美しい!との考えで、遠くに見える尾根に登ってみることにしました。
     その尾根、地形図に道の表示はありません。けれども送電鉄塔が見えているので、そこまでは必ず道があ るハズです。行ってみると、もう少しクルマで近づける予定だったのですが、すぐにゲートで阻まれてしま いました。そこで、また自転車の出番です。今回は急勾配でダートの林道です。昨日のように乗車して進行 できません。(軽いギアにすると、後輪は路面をグリップせず空転するんやもん)ほとんどの行程は押して 歩くことになりました。
     ようやく送電鉄塔の作業道入り口に到達し、尾根に見える鉄塔まで直登。「必ずギフチョウは溜まって る」と心の中で呪文のように繰り返しながら、目的地に着きました。
     けどやっぱり、居りません。このとき既に11:00。本日の結果、『null』の『n』が、ちらつき始めた瞬間 です。

  • 2005年05月10日
     こうなると先ほどの、『有名ポイントで何頭か採るよりも、探索してnullを喰らう方が美しい!』と言 うような科白はすぐに撤回されてしまいます。
     そう、もう一人の軟弱モノの私が主導権を握り、記録のあるポイントに流されてしまう訳ですね。
     そして次に行った場所はサイシン喰いと言われている某所です。カタクリはちょうど花期、ウスバサイ シンも元気良く芽吹いています。「これは必ず採れるやろ!」と気合充分に歩き回ったのですが、全く見 られません。時期が悪いのか、サイシン喰いは個体数の変動が激しいそうなので不作だったのかは判りま せんが、ここでもnull。
     「少し早いかも知れんけど、去年ヒメカンを確認した、あそこに行ったらハシリがおるかも…?」と行 ってみましたが、やっぱりnull。
     こうなると、勘もおかしくなってきます。「対岸のスギ林の中では日差しを避けて沢山のギフが舞って るんとちゃうやろか?」と小さなダムを渡り、斜面をよじ登ったのに、ここでもnull。
     「あかん、やっぱり地形図をちゃんと読んで探索せな!」と、改めて地形図を取り出し、探すべき場所の 目星をつけました。目標の場所に近づくと若葉の進み具合から、ブナ林がありそうです。「お願いやから、 林床にはヒメカンが生えていますように…」と念じながら急坂を登ったのですが、ヒメカンは無く、当然 のnull。本日の完全nullが確定しました。
     さて、昨日よりも、もっと消耗したこの5月4日は、和泉村村営の宿泊施設で入浴し、九頭竜川畔のグラン ドで寝る事に決定。今日は【サ○ウのごはん】とレトルトカレーの夕食です。それにしても何故【サ○ウ のごはん】は電子レンジでチンすると、とっても上手に温まるのに、湯せんでやると美味く仕上がらない のだろうか…。

  • 2005年05月12日
     さて、いよいよ三連休の最終日5月5日になりました。
     「どーしても、和泉村の新規開拓ポイントでギフチョウを採集したい!」と気合の入っている方の私が 心の中で叫んでおります。そこで昨日の夕食時に地形図を眺め、泡盛で酔っ払った脳みそで予想した場所 に行ってみることにしました。
     行ってみると酔っ払って予想した割にはまともな環境です。
    ←のようにスミレの絨毯の周りには、こうしてヒメカンアオイの新芽も出ています。もうこれは採れたも 同然ですね。「この場所は雌のポイントやな…、この環境やったら尾根には10雄くらいは溜まっとんのと ちゃうやろか♪」と急坂を登る両足にも思わず力が入ります。
     ギフチョウの乱舞がすぐそこにある!と思い込んだ脳みそは、疲れなんて感じません。あっという間に 着いた尾根筋は明るいブナ林でした。その林床にカンアオイの見あたらないのが少し気にはなりましたが 、中腹部にあったあの環境で居ない訳がありません!…いや、居るんじゃないかな?あれ、居てへんやん… 。
     こうして、読んでいただいている皆さんの予想通りの展開ですね。
     とりあえず、この尾根の最高標高点まで登ってみて、居なければ即座に降りようと決め、 三角点(この標石、けっこう苦労して探しあてたので思わず嬉しくて貼っておきました)まで行って みました。結局ここでも見られなかったので即座に降り、クルマの所に着いたのが10:40でした。
     このまま、null神様を背負ったまま京都に帰る訳にはいきません。何処かで、null神祓いをしておく必要 があります。
     すいません。ちょっとここで一旦切ります。続きはまた明日書きますね。

  • 2005年05月13日
    ←の画像、判り難いですが、ミズバショウの向こうにヒメカンアオイが生えています。飛騨のような感じで すね。
     結局、この付近でnull神祓いを執り行い、無事null神様に出て行ってもらいました。
     けっこう狭い範囲に溜まっていたので、プチ乱舞といった感じでした。鮮度もおおむね良好で、昨日から 今朝までの溜飲をさげることができました。
     ここでの採集を終了した時刻は未だ早かったのですが、欲張って他の場所へ行き、またnull神様を背負 い込むのもどうかと思い、真直ぐに帰宅いたしました。
     因みにこのツアーでは高速道路を全く利用せず総走行距離は770km、使用ガソリンは51Lでした。1600cc のフルタイム四駆車にしては良い燃費でした。
     これで今回の天候に恵まれた三連休のお話は、おしまいです。

  • 2005年05月14日
     そうそう、5月08日(日)の結果を未だ書いていませんでした。
     試しに、ギフチョウ掲示板に貼り付けてみた ウスバサイシン。これの生えていた場所は鳥取・兵庫の県境の山、扇ノ山でした。正確には鳥取県国府町 側の標高1000m付近になります。
     雪の融けた場所ではこうして芽吹いて来た植物も見られたのですが、ブナ林の林床には未だたっぷり (約80cm)と雪が残っておりました。ここまで残っていると、生息していたとしても未発生とみるべき だったにもかかわらず、私、例によって上へ上へと登らずにはいられません。さすがに扇ノ山の山頂までは 登らなかったのですが、その少し手前、大ズッコと呼ばれる標高1273m地点までは行ってみました。が、当 然の事ながら、ギフチョウは見られません。従ってここで折り返し、登ってきた雪原を降りていると、ネッ トを持った方が登って来られました。
     お話を伺うと、今日は、他の蝶屋さんも全く見ていないようだとの事です。「なるほど、この雪の量では、 チョッと厳しいですね。」というようなお話をして別れました。
     こうなると標高を下げて狙うしかない訳ですが、兵庫県側の『上山』の方は有名ポイントのようなので 行く気になれず、鳥取県側をどんどん降りて行くと、某所で
    サンインカンアオイを発見。
     これは間違いなく近くにポイントがあるだろうと付近を見回すと、なだらかなピークがあります。「こ の場所発生なら、あのピークがポイントで間違いない!」と濃い薮を漕いで登ってみたのですが、そこは 樹林と背丈ほどもあるササで覆われ、開けた空間がありませんでした。ところがよく見ると、倒木の為かろ うじて上部のみに窓が開いたような感じの場所があったので行ってみると…。
     ネタがないので、続きは次回に。