2008年の近況集15

  • 2008年07月19日
     手持ちの1/25000地形図がかなり古く(平成6年発行[横部])、この星山周辺 に小径以外の道路の記載は無かったのですが、現実には立派な舗装道路がつけ られておりました。地図に記載が無くとも周囲の地形等から、この道を進むと旧 美甘村の篠ヶ乢へ抜けるだろうと軽トラを走らせていると予想通り篠ヶ乢の広 い県道と合流。そこから新庄村の中心部をかすめ、野土路トンネルを抜けると蒜 山高原です。
     ここまで来るとヒメシジミは色んな所に居るのですが、先ずは念の為、今まで 採ったことのない字名ラベルを押さえてから、主たる目的地、三平山へと登りま した。

     三平山のキマリンのポイントは、登って行った先ではないという事を知って いたのですが、何故か登ったんですね、私。
     というのは、ウスイロヒョウモンモドキの状況を確認しておきたかったから なんです。

     実はわたくし、当地にしてはかなり最近になりますが、2004年07月04日に本種 を確認しておりまして、「果たして今でも居るのだろうか?」と調べてみたくな ったんです。
     「居たなら、居た。見られたなかったら、見られなかった。」と記録を残してお きたくて訪れた訳ですが、結果は全く見られませんでした。
     2004年当時でも、本種を確認できた場所の草原状態は、生えているイネ科植物 が高く伸び過ぎ、しかも高密度。本種にとって、かなり劣悪な環境だったことから 「辛うじて残っているんだな…」との印象を強く受けておりました。そして今 回、居るものであれば飛ぶ条件が揃っていたにもかかわらず見られませんでし た。
     おそらく、居なくなってしまったのでしょう。

     この後、キマリンを採ろうと目星を付けていた辺りに行ってみると、駐車スペ ースには近畿地方ナンバーのクルマが停めてあります。こんな所の近畿地方ナン バー、明らかに蝶屋さんのクルマでしょう。どうやら何らかの形で知っている方 のクルマだと思われます。私の方もクルマから降りてポイントと思われる所まで 行き、ご挨拶でもした方が良かったのかも知れませんが、それよりもお邪魔にな るとイケナイと思い、そのまま通過しました。

     ということで、この07月13日は久し振りにキマリンをネットに入れない日とな りました。

  • 2008年07月22日
     この海の日を含む連休に行ってきたのは九州です。

     19日(土)は家族に無理を言って16:40に店から出させてもらい、新幹線・快速 と乗り継ぎ福岡県K市のN先輩宅に21:10頃到着。この夜は呑む量を、そこそこに 止めておき、新品の掛け布団を使わせていただき就寝。
     翌朝07:00過ぎに迎えに来てくれた後輩のK君の1BOX車で目的地である某林道 へ向かいました。現地で宮崎県から駆けつけてくれた後輩のM君とも合流。目的 は土着種のなかでは難関と言われている某種です。

     今年こそ見ることができるかな?と期待を胸に皆で歩いて行くと、この画像の ゲートで進行できなくなりました。
     現場用アコーディオン門扉で閉鎖されているのは急流に架かる橋です。しかも ご丁寧にその場所は橋の中間点で、なおかつ、欄干を乗り越えトラバースしての 進行を阻止する為に、単管パイプで組んだ柵が、欄干から急流上に持ち出して設 置されています。もう、絶対入るな!という強い意志を感じますね。
     そのうえ、「入るなと言っても、入っている輩が居るやも知れぬ」ということ なのでしょう、この柵を開錠し、入って行かれたのは熊本県の監視員の方々…。

     今年は、生息地への入域すらままならないという状況でした。

  • 2008年07月24日
     翌日の07月21日(月・海の日)も、しつこく同じ林道に行ってみたところ、今 日は橋上のアコーディオン門扉が開放されております。何か言われても、徒歩で の進入なら大目にみてくれるだろうと都合の良いように決断し、進行してみたと ころ、約300M行った所で
    ←な感じ。
     右側の道が今まで使われていた林道になるのですが、実はこのすぐ先で崩落し ており、完全に通行不可。そこで、川床に降りるようなルートで新道を設置中だっ たのですが、重機が動き廻っており、どう都合良く解釈しても、「これは入ったら アカンやろ…」という状況でした。
     ということで結局2日間共、メインポイントと巷間言われておる場所へは到達 することができませんでした。

     けれども、学生時代の仲間と阿蘇和牛(旨かった)の炭火焼き宴会ができた 事ですし、まあ良しといったところでしょう。(お付き合いくださったN先輩、M君 、K君、ほんとうにありがとうございました。私は幸せ者でございます。)

  • 2008年07月27日
     「アンタはこの時期になるとコキマダラセセリを撮りたくなるのか?」

     という声が聞こえてきそうです。
     そう、今日行ってきたのは、コキマダラセセリが飛び回る、北陸地方1000Mアッ プの草原。

     尤も、目的種はコキマダラセセリではありませんが…。

  • 2008年07月29日
     07月27日にUPしたコキマダラセセリが飛び回っていたのはこんな草原です。

     白山周辺の山々では、概ね1200M以上の稜線に見られる「風衝草原」というも のになります。
     そうなんです、白山周辺のゴマシジミ(所謂、山ゴマ)は、こういった環境に 生息しております。

     しかしながら、「風衝草原」が広く展開していたとしたも、緩やかな地形に在 るようなサワサワとしたキレイ過ぎる草原ではダメ。
    ←のように急峻な斜面で、草原内の所々に露岩地が必須となります。
     何故ならば、ゴマシジミのホストであるカライトソウは、主としてイネ科植物 で構成された草原と露岩地との境界付近に好んで生えるからなんです。そして この露岩地が、イメージとして谷的地形になっており、適度な湿り気があれば、 より良好な環境ということになります。

  • 2008年07月31日
     申し訳ございません。
     前2回、思わせぶりな書き方をしましたが、あの草原ではカライトソウすら生え ておりませんでした。従いまして、ゴマシシジミは当然のことながら完封のnull。 ほのかな香りさえ全く漂わず、断言してはいけませんが「居らん!」…です。

     けれども、こういった場合、堂々と何処へ行ったかを書けるのが良いところ。
    「諸般の事情で…」
    などとウジウジ言い訳せずに済みます。
    ←の画像もモザイク無しでUPできて、とても気持ちがよろしい。

     で、ここで言い訳です。(結局、言い訳は出てくるんや)
     この07月27日という日付で山ゴマを採ろうとすれば、石川県のS山か、福井・ 石川県境のO山というのが順当なところでしょう。けれども、過去にこの両山で は採ってしまっておるので再訪してまで採るのは美しくありません。
     ならば何処へ行くんだ?A山やD山は未発生の可能性が高いし、発生初期と予 想されるYヶ池も既に採集済み。ならばM山はどうかな?いやいや、あの辺りは5 月にギフで痛い目に遭ってるし、どうも気が進まん…。
     などと迷った挙句、

     「楽チンで登れそうな取立山の山頂東方に崖マークの表示があるやん♪たぶ ん居ないだろうけど、居ないなら居ないで記録を残すこともできるし、まっ、エ エか…」

     と気楽に考えて行ったみた訳です。(しかもここで採れたら完全な福井県ラ ベルやしぃー)
     実際登ってみると、登山道はきれいに整備されており、あっけないほどの短時 間で山頂に到着。到着した時点で、「こんな簡単に登れる山にゴマシジミが居る んやったら、既に有名になってるわなぁ〜」と思いながら足元の斜面を見下ろす と、よさげな草原が見えました。「居るとすればあそこしかないな…」というこ とで少々藪を漕いで草原内に到達。「カライトソウは生えておらぬものか…」 とぶつぶつ呟きながら草原内を探索したのですが、前述のような結果に終わりま した。
     まあ、順当な結果でございましたね。

  • 2008年08月02日
     この取立山、ゴマシジミの生息は、まずないだろうとの確認はできた訳ですが、 他の蝶はどんなものだろうかと別ルートで下山することにしました。

     現地の案内板によると、ミズバショウの群落があるということなので「近く にカンアオイが生えているやもしれぬ」と考え、探してみたのですが、全く見ら れません。また、湿った環境だったので「ヒメシジミでも居れば良いのに…」と 少しガサガサしてみたのですが、居りません。まあ、当たり前ですな。
     そして、下山ルート途中には大きな滝が在るとの表示もあったので、
    「滝 =岩=ツマジロウラジャノメ」
    という短絡思考で期待を抱きつつ到着して みると、
    ←そんな環境ではありませんでした。
     そうこうしているうちに駐車地点に到着したのですが、未だ12:00前です。この 時刻なら、あと1ポイント行けそうです。

     クルマでの移動距離が短いO山は駐車場からポイントまで、私の脚で約100分。 一方、クルマでの距離は多少遠くなりますが、S山はポイントまで、約60分の徒歩 だったハズなのでS山に行くことにしました。(再訪は美しくないとか言いなが ら、結局行くんや…)
     ところが、県境の長いトンネルを抜けたところで降雨。
     アッサリ中止といたしました。