2008年の近況集19

  • 2008年09月13日
     この時期、内なる魂の叫び、「しッ、島に行きたい!」でございます。

     元々、この連休は、家族で嫁さんの実家に行くことになっておったのですが、 先方の予定が変更になり、私だけではありますが、採集に出られるようになりました。
     という事で、突然ですが、14日・15日と「島」に行ってきます。

  • 2008年09月16日
     そう、鬼太郎も言っております、
    「隠岐へ行こう」
    でございます。

     という訳で、この連休に行ってきたのは、島根県隠岐、島前にある知夫里島。
     この知夫里島、島内に公共の交通機関は存在せず、タクシーが2台とツアー客専用のマイクロバスが1台。 レンタカーは少なくとも1台目撃しましたが、貸し出し店舗が何処なのか イマイチはっきりしません。港の看板によると、隠岐汽船がやっているようでしたが 詳細は分かりませんでした。

     普通こういった離島では、港⇔民宿間の送迎があるものなのですが、 ここ知夫里島では一切ございません。「約1.5km離れた郡集落まで自力でいらしてください」 とのことでしたので、京都から自転車を持参いたしました。

  • 2008年09月18日
     ところで何故、知夫里島なのかと申しますと、最大の理由はコストです。

     ・往路は深夜割引、復路は通勤割引利用で高速道路通行料金合計:¥4800
     ・京都の自宅⇔島根県七類港の往復距離が約640km
      クルマの燃費が16km/Lなので使用ガソリンは40L
      今回のガソリン価格¥165/L。従って燃料代合計¥165/L×40L=¥6600
     ・隠岐汽船、本土⇔知夫里島来居港の往復運賃(自転車込み):¥8600

    と、交通費合計が、きっちり¥20000。この金額で、こんなにも離島度の高い島へ渡れるのですから、 私的にはとってもお得。行くしかありません。

     そしてこれが泊まった民宿の夕食。(ストロボ非発光で1/8では流石にブレてますね)
     もちろんこの他に、お吸い物とご飯。海老と高野豆腐の煮物の影に隠れている黒い物体は、 巨峰です。
     この民宿、寝る部屋は旧来の建物だったのですが、食堂、風呂、トイレ(ウォシュレット付き)は 新築部分にあって、とてもキレイ。朝食も満足の品数で¥7000。おススメです。

  • 2008年09月20日
     たった2日間しかない休日では、知夫里島で採っている時間があまり無いのでは? と思われるでしょうが、案外使える時間があります。参考の為、スケジュールを書いておきましょう。

     09月13日:京都自宅19:20発、中国道のPAで就寝。
     09月14日:島根県七類港09:30発、隠岐汽船[フェリーくにが]で知夫里島
           来居港11:30着。
           なお、島根県七類港には広大な無料駐車場があるので車は
           そこに置き、自転車を手荷物として乗船。
     09月15日:知夫里島来居港15:00発、島前内航船[いそかぜ2]で
           西ノ島別府港15:15着。
           西ノ島別府港15:45発、隠岐汽船[フェリーおき]で
           七類港17:55着。
           なお、島前内航船に自転車の持ち込みは可能です。

    と、与那国島現地滞在23時間一本勝負より、3時間も長く滞在できます。

     そしてこの広いシバ草原が今回の目的地、アカハゲ山。
     右上の方に小さく写っている小屋のような物は、山頂広場に建っている立派なレストハウス。 そして左の方に写っている小さな点は、放牧されているウシさんです。
     知夫里島では、ウシさんの方がヒトよりも個体数が多く、アスファルト道路上の至る所で コンビニ前の中高生のようにたむろしています。(なかなか道を譲ってくれない…)
     ということで、ウシさんと同一空間を共有するのが嫌いな私にとっては、けっこう怖い所でした。

  • 2008年09月22日
     「ぜぇ〜んぜん、蝶の話題を入れんと、3回も引っぱりおってからに…」
    と、お思いでしょうが、ネタ不足に陥るこの時期、仕方ありません。
     昨日は体力維持も兼ねて自転車で、滋賀県のクマソでも見に行こうと思っていたのですが、 大雨。ネタを仕入れることができませんでした。
     ということで、しばらくは知夫里島のお話しを続けます。

     これはアカハゲ山山頂に在る三角点の標石です。一等三角点の点の字が『點』 となっており、かなりの年代物です。本当は「里」と「占」の両方の下に「黙」のような四ッ点ですが、 この『點』という文字しかPCに入ってないみたいですね。
     そして標石の向こうに写っているのは、RC造り2階建てのレストハウスと飲み物の自販機。 この山頂は知夫里島を訪れた観光客の皆さんが、必ずやって来られる観光スポットになっております。

     さて、ようやくではございますが、蝶の話題に入りましょう。
     今回、私が当地を訪れた目的は、夏眠明けの各種ヒョウモン、シルビアシジミ、 そしてそのほかの知夫里島ラベルの蝶、全てでした。

     この画像はアカハゲ山山頂から東の方を写したものです。少々判り難いですが、 草原に生える草の背丈はかなり短く、まさにシバ草原となっております。
     山頂から見渡した範囲では、このように草丈の短いシバ草原ばかりです。 こんな草原ではオオウラギンヒョウモンやウラギンスジヒョウモンの 発生環境になり得ません。かと言って、シバ草原内にミヤコグサが生えているかと言うと、 これが全く生えていません。そこらじゅうに咲いている黄色い花は、 本土のとは雰囲気が少々異なるカタバミ…、ヤマトシジミの良好なポイントですわ。

  • 2008年09月24日
     結局、山頂付近で見かけた蝶はモンキチョウ・ヤマトシジミ・ツマグロヒョウモン・ジャノメチョウ。
     明るく見晴らしが良いだけで、蝶の方はさっぱりでした。
     山頂から少し降りた辺りで、それなりに汚損したウラギンスジヒョウモンの雌を 数頭採集しましたが、オオウラギンヒョウモンの居るような雰囲気ではありません。 草原に生えている草の背丈が短過ぎます。
     どうやら、アカハゲ山の上部は全てこのような環境のようです。これでは良い蝶は居りません。 もう少し草丈のある草原はないかいな?と自転車でアスファルト道路をゆるゆる降下してゆくと、 道路から遠く離れた海に近い断崖上が良い草原のような感じです。
     「え゛っ、あそこまで行くんかいな…、チョッと怖いんちゃう?それに帰りがしんどそうやな〜」
    と少々ためらいましたが、ベニモンカラスシジミや山ゴマの例に倣い、
     「降下する勇気を持つ者のみ、得る権利を有す」
    とココロの中で呟きながら行ってみると、
    ←のシルビアシジミが居てくれまして、何とか目的を達成することができました。
     ただ、この個体のようにかなり汚損した個体がほとんどで、しかも個体数は少ない。
     島モノという事で、普通なら採らないような個体も採ったのですが、 この場所で得られた数は・頭以下でした。
     アカハゲ山に行きさえすれば簡単に採れるだろうと思っておったシルビアシジミで、 ここまで苦労するとは思っていませんでした。

     15:00過ぎになって、ようやくシルビアシジミのポイントを見つけるような体たらくですから、 「近年、絶ったのではないか?」と言われているオオウラギンヒョウモンを見つけるなんて、 私にはとても無理。結局、シルビアシジミを採っただけで時間切れ終了となりました。

     唐突ですが、
    ←の画像、海を挟んで向こうに写っているのは西ノ島。来年は行ってみようと思っております。

  • 2008年09月26日
     「09月24日の書き方からすると、もうこれで終わりやと思っていたのに、 まだ隠岐の話しを続けるんかいな、よっぽどネタが無いんやなぁ。」
    とお思いでしょう。ハイ、その通りでございます。

     ネタが無いなら無いで開き直って、これは知夫里島内の集落名です。
     「薄毛」だの「アカハゲ山」だの縁起でもない名称が多いですね、この島は。

     さて、09月15日は朝からどんよりと曇っております。そして08:30頃からは、 低密度で粒は小さいものの、雨も降ってきました。
     このような天候時、普通種は飛びますが、チョッとイイ蝶は飛んだりしません。 なので、09月20日にUPしたスケジュールを変更し、来居港10:55発→境港13:20着の [フェリーしらしま]で帰ることにしました。

     目的港が、クルマを置いている七類港ではなく、境港 となっているのが少々気になりますね。

     隠岐汽船さんにうかがったところ、
     「境港⇔七類港間のシャトルバス運行はございません。 この間の移動はタクシーをご利用いただくしかありませんねえ」
    とのことだったので、 境港(鳥取県)から七類港(島根県)までは自転車で移動です。

     自転車で移動と言っても、
    車がビュンビュン走り抜ける、
    ←の境水道大橋(海面上40Mもの高さがあるそうな)の左端を ノロノロとペダルを踏み登って行く訳ですから、その高さと相まって、とっても怖い。
     そしてこの境水道大橋を越えると、一旦海抜約0mまで降下し、再び海抜約50m地点の 七類トンネル(内部で上り坂)を抜けなければなりません。☆0歳にしては、 体力のある方だと思っておったのですが、とっても疲れました。

     そして↑はオマケ。米子道に乗る前に撮ってきた米子市ラベルのシルビアシジミです。