2008年の近況集23

  • 2008年11月10日


  • 2006年04月10日/山口県

     昨日の日曜日は、長女が行っている学校の学園祭に行っておったので、 当然のごとくネタがございません。
     ネタが無いときには、ギフチョウの標本画像。コレが本ページの定番でございます。
     今日は山口県産4個体をUPしておきました。例によって下のギフチョウをクリックしてお入りください。

  • 2008年11月13日
     突然ですが、電球型蛍光灯です。

     今まで標本撮影に使用していた光源がミニクリプトン電球だったので、 分光分布が赤の方に偏り過ぎておりました。このことが原因かどうかは分かりませんが、 これまで撮ってきた画像全て、デフォルトの状態では、 「コントラスト不足で若干アンバー気味だな」と感じておりました。
     この問題点を解消すべく、光源として蛍光灯を試してみたくなった訳です。
     本当はフルスペクトル蛍光灯、美術博物館用蛍光灯、 色評価用蛍光灯のいずれかを使おうと、色々調べてみたのですが、 これらの蛍光灯は直管タイプしかありませんでした。となると、 撮影台を一から作り直さなければならないので、平均演色評価数的に少々不満ではありますが、 昨年までの装置がそのまま使えるこのE17口金電球型蛍光灯を4個購入しました。

     ご覧のように、スパイラル状発光管(3波長形昼白色、色温度は5000Kで平均演色評価数Raは84) から発せられる光は、今までのミニクリプトン電球とは異なり、白く眩しく感じられます。
     今日以降、この光源や従来のミニクリプトン電球を使って標本撮影試み、 その結果を比較検討してみようと思います。

  • 2008年11月16日

     元画像はCCD-RAWで撮影し、PENTAXの.PEFファイルとして記録されたものです。
    この.PEFファイルには撮影時に同時記録された.jpgファイルも含まれていることから、 専用ソフトで.jpgファイルのみを抽出し、それぞれデフォルトの状態で上に表示しました。
     どういう条件で撮影したかは画像内に赤文字で記しています。 また、レベルは対数表示でチャンネルは明度(輝度)です。

     こうして3点を較べてみると、やはり最下部の画像が良いみたいです。
     今期の標本画像撮影はこの方法で行きましょう。
     最下部の元画像(RAWファイル)を現像し、少々レタッチした大画像を↓に貼り付けておきましょう。

  • 1975年04月10日/京都府京都市左京区岩倉長谷町

  • 2008年11月19日
     蛍光灯の分光分布の関係で、撮影画像の色が不自然になることを心配していたのですが、 そのようなこともないようです。
     けど、この変更で、もう少しコントラストが良くなるだろうと期待していたのですが、 思っていたほど劇的な改善は見られませんでしたね。チョッと残念です。それでも、
    ・3段階早いシャッターを切ることができるようになった事
    ・消費電力が1/5に減少
    ・ミニスタジオ内の温度が上がらなくなった事
    この3点が蛍光灯に変えた大きなメリットと言えるでしょう。反対にデメリットとしては、
    ・点灯後、明るさが安定するまでに少々時間がかかる事
    ・電球に比べ短波長の成分が多く含まれることから標本の退色が心配される事
    が挙げられます。

     とは言うものの「劇的な変化」を期待していた私と致しましては、 「おおっ」というような画像を撮ってみたくなったので、背景を黒にしてみました。 下の画像は同一個体の表裏をそれぞれ背景色を変えて並べてみたものです。

  • 2006年06月18日/長崎県対馬市

     こうして見ると、背景が黒の方は「艶やか」に見えます。
     なんか「夜桜」のような感じですね。

  • 2008年11月22日
     11月19日にUPしたウラギンスジヒョウモンの比較画像を眺めていると、 背景色の違いによって、標本自体がどう写るか(見る側がどう感じるか) を比べてみたくなりました。
     下の画像はシャッタースピードや絞り値等、全て同一条件で、背景のみ変更したものです。 勿論、レタッチソフトでの「切り抜き貼り付け」は行わず、色付き紙や布で背景色そのものを替えて撮影しました。
     従って、ギフチョウ標本自体は、4枚共ほぼ同じトーンで写っております。

  • 最上部:背景色「白」
       ネット上で時々見られる「背景を敢えて(だと思う)白とびさせた標本画像」の
      ように見えますが、白とびギリギリ一歩手前で踏み止まっているような、いや、
      いないような背景です。
       この明る過ぎる背景から出た光が、標本を透過しているので黒や黄色が薄く
      ぼやけたように感じられます。また腹部の毛もほとんど表現されていません。
       背景を白にするのはやめておいた方がよさそうです。

  • 中段上部:背景色「青」
       この背景が私の芸風、いつもの色です。ただしこの背景のみ、樹脂板の下に
      青い布を敷いて写しています。他の3種類の背景は樹脂板の上に色付き紙を
      置いています。
       白よりは若干マシですが、やはり背景からの透過光が少々気になりますね。

  • 中段下部:背景色「灰」
       この色になると背景からの透過光は気にならなくなってきました。翅の黒色
      部分も締まった感じになり、腹部の毛も表現されるようになりました。
       今回撮り比べてみた4種の中では、この色を背景にするのがベストのように
      思えます。

  • 最下部:背景色「黒」
       何と言っても腹部周りのふさふさとした毛の表現が秀逸です。背景を黒色に
      して写してみるまで、こんなに毛があるとは思っていませんでした。とっても羨
      ましい。
       それはさておき、黒い縁毛と背景の境界が思っていたほど不明瞭になってい
      ません。今まで、黒い背景を用いるのは、イエローバンド等、特殊な標本を写す
      とき以外はご法度だと思っていたのですが、こんな風に仕上がるのであれば、
      私的にはOKです。

     こうして比較検討してみると、背景色「白」は全くダメ。使えませんな。
     そうそう、背景色「白」で思い出しました。ネット上で見かける脱脂綿(だと思う) を背景にして写した標本画像ですが、これは最もお手軽に良い標本画像を撮る方法だと思います。 これだと気になる針の痕跡も写らないし、標本の影も誤魔化せます。 それに、リングストロボを使用してのマクロ撮影なら、他の照明からの余分な光を遮る必要も無いでしょう。 リングストロボさえあれば、おススメの背景だと思います。(やったことないのに薦めちゃイカンか…)

     元に戻ります。先に背景色「白」以外の他の3色では、背景色に「灰」を使った画像が最も良いと書きましたが、 これはあくまでもこの撮り方でギフチョウ標本を写した場合であって、 他の全ての種にも当て嵌まるとは考えておりません。
     従いまして、背景に使う色はこの3色を基本とし、撮影対象に応じて使い分けて行くことにしましょう。

  • 2008年11月25日
     しばらくは、標本画像撮影のお話しを続ける予定なのですが、 今日は少しお休みして、23〜24日の連休のことを書いておきましょう。
     この画像、ごちゃごちゃしていて、何が写っているのか良く判りませんね。
     そこを我慢してご覧いただくと、黒いマメの鞘のようなものが確認できると思います。 皆様ご存知、カワラケツメイです。今の時期は、株全体がこんなに黒くなるので、 かえって探し易くなります。

     そうです、カワラケツメイといえば、ツマグロキチョウ。
     11月23日は兵庫県の加東市とその周辺で、本種を探しておりました。
     本当は京都府内で確認したかったのですが、最も生息の可能性が高いと予想される府下南部地域では、 今まで何度も探しに行って、ことごとくnull。食草さえも確認できていないので、 どうにもやる気が起こりません。そこで、シルビアシジミ採集時に、 カワラケツメイが数箇所で確認できている加東市とその周辺に行ってしまいました。
     この11月23日は、気温約16℃で晴天だったので「成虫越冬やし、居るものであれば必ず飛ぶやろ…」 と楽天的に考えて出かけたのですが、あきませんわ。飛んでいたのは、 ツマグロヒョウモン、キタテハ、モンキチョウ、キチョウ、モンシロチョウ、 ウラナミシジミの普通種の皆様方だけでございました。
     カワラケツメイは、けっこうあったんですけどねぇ…。