2009年の近況集08

  • 2009年04月25日


     納得できん!
     天気良好。時期適確。過去記録有。採集者私。
     だったにもかかわらず昨年(2008年)ギフチョウが見られませんでした。
     その場所は、福井・滋賀・京都の境が交わる三国岳。

     という事で04月24日の昨日、今日が今年最後のチャンスだと思い、朝一から気合で仕事を片付けて 09:30に店を出発。15:00に約束している寺町蛸薬師付近の現場打ち合わせに間に合うよう、 14:30には店に戻らねばならないというギリギリのスケジュールで同地に行って参りました。

  • 2009年04月27日

     昨日の日曜日は何処へ行っても天気が悪そうだったので、 北大東島で採った個体の展翅をするつもりでおりました。ところが、06:00前の京都の空は晴れ。
     これは何処かへ行かないとバチが当たると思い、某所へお出かけしたのですが、 思いっきりの悪天候。
     私が登った尾根では霰まで降ってくる始末…。

     さて、04月24日の三国岳の続きです。


     ご覧のように高島市が設置したプレートには「三国峠」となっていますが、 国土地理院の1/25000地形図には「三国岳」と表示されているので、 私は「三国岳」でいきますね。

     ここは三角点の標石が在る場所になるのですが、潅木で囲まれた広場なのでギフチョウが溜まるには明る過ぎます。 そこで、ポイントになり得そうな場所まで少し降りてみたのですが、ギフチョウは全く見られませんでした。

     下部のブナ林内に生えていたカンアオイは、
    ←な状態でしたから、時期を外しているとは思えません。
     にもかかわらず全く見られない…。
     とってもイヤな感じです。

  • 2009年04月30日

     昨日04月29日はとっても良いお天気でしたね。当然、ギフチョウを採りに行って参りました。
     行った場所ですが、字名だけは聞いたことがあり、1/25000地形図を見てみると 「ここしかないやろ」と簡単に推定できる場所だったので、居て当然。 しかも時期を外していて、汚損個体ばかりでした。従ってその場所等、 昨日のことは恥ずかしくて、よう書きませんわ。
     という事で、今日も三国岳の続きです。

  •  上図は最近のマイブーム、居なかったMAPです。(Pは駐車場所ね、念の為)
     緑のラインが2008年、赤のラインが今回歩いたコースになります。
     山頂西方の767m標高点方面を除き、「三国岳」とラベルに書ける範囲では、 2008〜2009年と2年連続目撃も無しのnullが続いておる訳です。
     これをどうみるか?ですが、当地に採集圧が加わったという話しは寡聞にして存じませんし、 森林の雰囲気も悪くはありません。ただ、林床のあまりのキレイさが気になるところ。

     今年1月にあったOB会の席上、滋賀県のH先輩にお話しをお聞きしたところ、 氏でさえ、「2008年中に滋賀県内でギフチョウを確認できなかった」と仰っていました。
     その原因は、やはりシカによるものだろうと考えているとの事…。

     私もその現場を見た事はないので断言はできないのですが、 どうやらシカがカンアオイを食べているらしいのです。
     定点観察ポイントである京都市左京区の某所でのことですが、 ギフチョウがそこそこ見られた頃は、明るい谷筋にカンアオイとササが多く生えていました。 ところが2008年以降、ササはほとんど無くなってしまい、マダニさえ足元に付かない始末。 そう、マダニのつかまり所が無いくらいにツルツルの林床になってしまったんです。
     そして、カンアオイの古葉は皆無で、新芽が「僅かに散見」といった感じでしか確認できませんでした。
     ギフチョウが見られた頃はカンアオイの古葉が多く残り、その脇に新芽が出ていたものですが、 ここ数年見られるのはは新芽のみ。それも目に見えて密度が低下してきています。

     戻って、ここ三国岳でもブナ林内で散見されるカンアオイには、古葉がほとんどありません。
     そして林床にはシカの糞が多く見られ、シカの鳴き声もけっこう頻繁に聞こえてきます。 あくまでも推定となりますが、カンアオイの葉をシカが食べつくしているように思われます。

     各地で、「ここのギフチョウ、何でおらんようになったんや?」 と呟かれる例が頻発していると思いますが、「シカ個体数の異常増加」 がその原因の大きな割合を占めていると考えています。

  • 2009年05月02日

     今日も仕事です。
     朝一番から寺町蛸薬師の現場に出向き、ゴソゴソと取り付けておりました。 工事は何とか完了したので、これから車中4泊するための準備にかかります。
     今年も北の方へ向かう予定ですが、秋田県の某ポイントには行かないでおこうと思っております。 何と言っても去年の思い出は強烈でございましたから…。

     この某ポイント、今年の季節進行だとチョイ遅い目のような気もしますが、 案外ベストの時期だったりして…。
     行こうと計画されている方は、くれぐれも駐車場所での足の運び方にご注意を!

  • 2009年05月07日


     山麓部は新緑、山頂付近は真っ白。この時期、秋田県側から望んだ鳥海山。 いつもながら、ココロが洗われる風景です。

     今年も行ってまいりました、車中4泊の新潟・秋田ツアー。
     今日から暫くこのネタが続きます。前にも書きましたが、 採集ノートを補間する為のWEB版でもありますので、つまらん事もだらだらと書くと思いますが、 ご容赦を。

  • 2009年05月08日

     ゴールデンウイークに秋田県方面に出かけるのは、ここ数年恒例となっておりましたが、 高速道路を使うのはもったいないので、今まで極力下道を走行するようにしておりました。
     ところが今年は1000円。

     なので、これまで選択肢になかった「関越道を利用しての新潟県内陸部での採集」 が可能になりました。
     ならば何処へ行くか?

     この時期、キレイな個体を得ようとするのであれば標高1000m程度で 緩やかな地形の場所がよろしいでしょう。また、現地への到着時刻及び、 次の秋田県方面への移動を考慮すると、関越道のインターにできるだけ近い場所を選ぶ必要があります。
     ということで、愛用の道路地図「マップル(等高線の入った旧タイプ)」 を眺めていると、「塩沢石打IC」の直ぐ近くに標高1017mの三角点表示が見つかりました。
     しかもこの付近、旧市町村で表示すると、「十日町市」「塩沢町」「中里村」 の3市町村境が合わさる地点になります。これはとってもオイシイ…。
     そこで早速、国土地理院のページから1/25000地形図を開いてみると、 この三角点を擁する当間山の北側には緩やかな地形が広がっています。
     このような地形なら、この時期、低い場所には雪が残り、 少し高くなった所や大きな木の周囲は雪が融けて地面が露出し、 巨視的に見るとホルスタイン的な牛さん紋様になっていることでしょう。
     この状態なら、雪解け部分から順次羽化してゆくので、 汚損した個体も混じるものの、新鮮個体も多く飛んでいるハズです。
     このように採集に出かける前は常にポジティブな私です。


     もう採れたつもりで現地に到着してみると1の地点に、 大きなコンクリートの塊が置かれ、通行止めの表示。
     こんなところから、ダラダラと車道を歩くのは嫌なので、 細い農道を走り、脇から県道へ侵入するも今度は2 の地点で積み上げられた雪の山が道路を塞ぎ通行不能。
     仕方がないのでここから徒歩でアスファルト道路を進行。
     当間山の登山口に着くと左の看板に、「ここはブナ林である」 との記述があり、これはもう旧市町村で一気に3コも増えたやん♪と上機嫌で登り始めると、

    ←のように予想通りのホルスタイン紋様の山肌。

     ところが、その露わになった地表部にカンアオイが見当たりません。
     「これはアカン場所やん…」
    とすぐに思いました。しかし、念のため3の地点まで歩いてみたのですが カンアオイは見られず、当然ギフチョウも現れません。
     「完全に外してしもたなぁ」
    ということで大急ぎでクルマに戻り、何処へ行けばよいものだろうか? とマップルを開いてみると松代町の某山を赤鉛筆で囲んでいます。

     この地点にしるしをつけたという記憶は全くなかったのですが、 赤鉛筆で囲んでいるということは「ギフチョウの記録有り」という意味なので訪れてみると、 確かにけっこう飛んでいます。ところが、
    ←のような個体ばかり…。

     当地は未採集市町村であったのですが、流石にここまで汚損した個体を持ち帰る気になれず、 撮影だけして「塩沢石打IC」へ戻ることにしました。

     途中、六日町の八箇峠付近が良い雰囲気だったので、よさげな斜面等、 適当にやってみたのですが、ここでも激しく汚損した個体ばかりだったので、 三角紙に包むこともなく本日05月03日の採集は終了です。