2009年の近況集17

  • 2009年09月01日

     「ところで、あしたは何処行くの?」

     「ハイ、広島方面へ行く予定ですッ」

     「フ〜ん、また広島なんや、好きやねぇ」

     「いえ、決してオンナが居るとか、そーいうワケではございません」

     という、お約束の会話(無事に帰って来るためのオマジナイのようなもんです)を、 前日の08月29日に交わし、08月30日に行ってきたのは、またしても広島県の世羅台地。
     今回は旧世羅町から南方向、即ち旧久井町と旧大和町方面で探す事にしました。

     けど、このあたりでゴマシジミを目的に探すと、どうしても、
    ←の看板があるような場所に行き着いてしまいます。

     そして、こんなのを見てしまうと、
    【瓜田に履を納れず】
    などという高校の漢文の授業で習った慣用句が思い出されてしまいます。

     「そやな、このご時勢、【付近で殺気を放たず】にしておかんとアカンやろなあ」
    ということで、こういった場所には、近寄らないようにしておりました。

     ご存知のように、ゴマシジミの場合、ヒョウモンモドキよりも人目につき易い場所で探す事になります。
     どうやら地元ではヒョウモンモドキの保護活動が広く浸透しているようで、 大きな網を持ってガサゴソしていると、気のせいか厳しい視線が注がれているように感じられました。
     そこで、「誤解は解かねば」と思い、ご挨拶をしてお話しをうかがうと、やはりヒョウモンモドキ (種名は出てこず、アレという表現をされましたが)を採りに来た奴だと思われていたようでした。
     どーも、やり難ぅございます。

     地域全体がこういった空気であると、腰が引けてしまいます。
     その上、当地においては、ヒョウモンモドキよりもアブナイのを採りに来ているというのも痛いところ…。
     結果、思い通りに行動できませんでした。

     まあ、思い通りに探索できていたとしても、結果は一緒だったかもしれませんが…。

  • 2009年09月04日

     ネタがないので、世羅台地のお話しを続けます。


     旧久井町や旧大和町では、↑のような環境が各所で見られます。
     池の周囲にはオミナエシやキキョウ、そしてワレモコウも見られるのですが、 上に貼り付けたような場所は、ゴマシジミにとっての良い環境ではありません。 入った瞬間、「これでは居らんわ」と、即座に戻りかけたのですが、みょーに小さいキチョウが飛んでいます。


     よく見ると、ツマグロキチョウ。未だ夏型なのでかなり汚損していますね。

     本種がいるということはカワラケツメイが近くに生えているという事。ならば、 俄然気になってくるのはホシボシキチョウ。

     「和歌山県で発生した実績があるんやから、広島県で出ても不思議はないやろ!」
    と、ホシボシキチョウで県単位初記録を出してやろうという気になって参りました。 私のオメデタさは、相変わらずでございます。

     そこで、目に付く黄色い蝶は、可能な限りネットインし、間近で確認してみたところ、 全てツマグロキチョウ…。
     まあ、当然の結果ですね。

  • 2009年09月07日

     居ませんねぇ、ウラナミジャノメ。
     昨日(09月06日)は、私の地元である京都府南部の分布域で、「果たしてどの辺りまで見られるのだろうか?」 と、和束町、宇治田原町、それに滋賀県旧信楽町で探してみました。
     軽トラ車中から遠目に見て、
     「あそこは居るんとちゃうやろか?」
    と良さそうに思える場所へ、蚊に悩まされながらも突入するのですが、入れども入れども、 ことごとく見られませんでした。

     ところで、本種の場合、生息地点と非生息地点の差が無さ過ぎますね。
     良い蝶(所謂、蝶屋が好む種類のことです)の場合、その蝶独特の香りが生息地付近に漂うものですが、 本種に限っては、その香りが皆無です。(私の修行が足りないのか…)
     ここまで取り留めの無い環境に生息しているとなると、「探す」という行為、 即ち、私の「やる気」を持続する事が難しくなってしまいます。その上、
     「大好きな黄色と黒のトラ縞模様じゃない」
     「ブルーが無いので燃えない」
     「こないに暑い中、蚊に刺されまくるのはタマラン!」
    などという、私的理由で昨日は14:30に採集行動を終了してしまいました。

     なのに↑の画像があるのは、
     「どーせ、今日はアカンやろし、マイページの賑やかし用生態画像を先に撮っとこ〜」
    と既知産地で撮ってきたものです。

     しかし、ここまで拡大(等倍してトリミング)すると、けっこうしっかりとしたブルーが見えてきますな…。

  • 2009年09月10日

     わたくし、ウラナミジャノメが、行けば見つかりそうな地域に行って、適当に探すぐらいの行動しかできない、そこらの蝶屋でございます。 その上、見つけ出すこともできず、早々に諦めて帰ってしまうのですから、まともな蝶屋とも言えないかも…。 (Tさん、すんません。一部文章をパクらせていただきました)

     ネタが無いとは言え、探し出せなかったウラナミジャノメのお話しで引っ張るのもなんなので、 今日は久し振りにギフチョウ標本画像を1ページ増やしておきました。

  • 兵庫県豊岡市
    (旧城崎郡日高町)
    2005年04月29日
    採集・展翅:西口 隆
    兵庫県豊岡市
    (旧城崎郡日高町)
    2005年04月29日
    採集・展翅:西口 隆
    兵庫県豊岡市
    (旧城崎郡日高町)
    2005年04月29日
    採集・展翅:西口 隆
    兵庫県豊岡市
    (旧城崎郡日高町)
    2005年04月29日
    採集・展翅:西口 隆

     下の方の、【京都府とその近隣府県以外の各地のギフチョウ画像のページ】 をクリックいただくと、大画像にリンクする正式ページへお跳びいただけますが ここ から直接お跳びいただくこともできます。

  • 2009年09月14日

     私、1950年代後半の生まれではございますが、物心付いた時には既に、家にテレビがありました。
     流石に、「月光仮面」とか「少年ジェット」は見た記憶がありませんが、 「8823海底人」と「七色仮面」はリアルタイムで見ていた記憶があります。 この頃からテレビを見始めていたということで、テレビっ子への道を歩むのは既定路線だった訳です。

     京阪神に住むテレビっ子にとって、土曜日の学校から帰ってきた時刻から始まる吉本新喜劇は、 必ず見ておかねばならない必須番組でした。
     途中、中断はあったものの、現在に至るまで毎週吉本新喜劇を見続けておるワケですから、 私の血中吉本濃度はかなり濃厚と言わざるを得ません。
     そして、先週はこの島木譲二さん↓


     のギャグの1種が頭の中で回転し、離れなくなってしまいました。
     そのギャグとは、

      「アイ キャン ノット のとはんとう」

    というものでございました。
     ハイ、皆さん。もうお判りですね。長ぁーい前振りの末、ようやく昨日(09月13日)に行ってきた地名へ到達です。
     そう、昨日の日曜日、行ってきたのは石川県の能登半島でございました。

  • 2009年09月17日

     皆さんは既にご存知だとは思いますが、私は懲りない性格であります。
     この時期、石川県の能登半島に行ったということは、これまでたった1例の記録しかなく、 学研の標準図鑑でも偶産を意図したような記述がなされている「石川県能登半島産のシルビアシジミ狙い」 でございました。
     過去、2006年10月16日にも同一目的で訪れ、見事返り討ちに遭っているにもかかわらず、再度の訪問です。
     餅を搗いたような性格と言われている私らしい行動ですね。


     さて、定石通りに唯一の記録地、「能登金剛関野鼻」へと行ってみると、↑こんな看板が立っています。
     前回訪れたときには多くの観光客で賑わっていた場所なのですが、地震で被害を受け、立ち入り禁止となっていました。
     うむぅ…、ですね。


     そして↑は、事前にWEB上で調べた地質と地形図の読みから訪れてみた場所です。
     大きな石がゴロゴロしている海岸線に隣接する緩やかな斜面の草地には、他の草本に埋もれるような感じではありますが、 点々とミヤコグサの群落が見られます。
     「おおッ、これはもしかすると…」
    例によって、ココロの中からは「採ったも同然!」という呟きが聞こえてきます。
     ハングル文字等が書かれた大量の漂着物のせいで、とても歩き難いこの草原を、気合充分で広範囲に探索したのですが、 シルビアシジミは全く見られません。

     皆さまの、予想(期待)通り…、ですね。