2010年の近況集12

  • 2010年07月22日

     それでは海の日絡みの連休の詳細?を書きましょう。

     当初よりキマリンを対象に、島根県某所にてテリ待ちをするつもりでおりました。従いまして、 夕方のテリトリータイム迄はその他の気になる場所でウロウロしておりました。
     そこで正午ごろに、確実に生息している広島県のS山を訪れてみたところ、 関西方面ナンバーの車がテニスコート側の駐車場に停まっています。 「むむ、蝶屋さんの車かな?」と訝りつつポイントと思しき草原に目を遣ると、人影が…。 (未だお昼なのにテリタイムまで待たれるのだろうか?根性あるわぁ)
     邪魔をしてはイケナイのですぐにこの場を離れ、同じく広島県内のU山へ向かいました。

     ↑ここU山もS山と同じように綺麗な草原のお山です。なので、ずーっと気になっておりました。
     そこで今回、トイレのある駐車場から遠くに見える樹々の生えた場所まで行ってみたのですが、 これはダメですね、木が若過ぎます。
     この環境ではS山的発生(長年の火入れに耐えた古木発生)は、今のところ望めないでしょう。 けれども、このU山山麓部の樹林がなかなか良い感じなので、そこに潜んでる可能性はあると思っています。

  • 2010年07月24日

     せっかくU山の草原に突入したことですから、私にしてはチョッと真面目にヒメヒカゲの写真を撮ってみましょうということで、 イロイロやってみました。

     とは言えこの程度…。やっぱりすぐに飽きてしまいます。

     こうしている間にテリトリータイムが近づいてまいりました。急いで当初から予定していた島根県某所へ移動です。
     行った場所は、昨年他の蝶を探索中に訪れ、「ココ、めっちゃ居そうやん!雑木の山キマやけど…」 と私的には高評価だったのですが、結果は07月20日の演歌調の文でお伝えした通りの完璧なnull。
     独り山奥で佇んで、なぁーんにも出ないと、本当にメゲますわ。この居そうだと思っていた場所、 おそらく生息していないという事なのでしょう。

     それでもね、今回のツアーでは、同じく島根県内で里キマの居そうな場所を確認できました。 そこに生息していたとして、予想では06月20日頃が成虫の適期。
     しっかしこの日付では成虫一発勝負というのはさすがに躊躇われます。
     やっぱり幼虫採集ができるようにならないとイカンのでしょうな…。

  • 2010年07月27日

     先の日曜日、07月25日も妄想を膨らませて中国地方の某所へとお出掛けしていたのですが、 これは今週のネタ、次回から書きます。
     とは言っても、あまり内容が無いんですけどね。

     さて、唐突にクロシジミです。07月19日の午前中にS山で撮影しました。
     実は私、このS山でキマリンを採った事がありません。そこでこの日の夕方、テリトリータイムまで滞在しようかと一瞬思ったのですが、 18:00頃まで当地でやったとして、それからすぐ帰路に就いても帰宅は23:00頃になってしまいます。これでは自分にかけている縛り、即ち
     「車で採集に出かけたときは、遅くとも21:00には帰宅し、家族の皆と一緒に夕食を摂る」
    という約束を破ることになってしまいます。
     そこで午前中に何とか叩き出しでキマリンが採れないもだろうかとやってみたのですが、すぐに諦めました。
     というのは、この日はキラッ・キラの好天で高温。こんな日は少々の刺激を与えてもキマは出てきません。 また、アリさんが造巣している木を叩かねばならないのですが、そんな樹々は高過ぎて、 私の7M竿では最下部の枝を撫でる程度の刺激しか与えられなかったからなんです。
     そこで仕方なしに下草を凝視して探したのですが、狙いのキマは見つかるハズもなく、こうしてクロシジミの撮影をするのが関の山。

     そうこうしているうちに、当地及びその周辺でキマリンのテリトリータイムまで滞在するのが本当に厭になってきたので、
     「そーだ、島根県の海岸部に海ビアを探しに行こう!」
    と道路地図をつらつら眺め、『鼻』が付いてて良さそうな地名だから、というエエ加減な理由で
    ←を訪れてみると、暖地性の常緑樹の中からニョキリと生えたような灯台が1本在っただけ…。 海ビアが生息していそうな草付きを有する磯は、まったくございませんでした。

     結局、今回のツアーで使用した三角紙は4枚だけ。
     U山産ヒメヒカゲ1雌。S山産ヒメヒカゲ1雄。テリ待ちしている間にムッとして採ってしまった某所産ヒメキマダラセセリ1雄。 そして、島根県某所ラベルのコキマダラセセリ1雌でございました。

     この「島根県某所ラベルのコキマダラセセリ1雌」というのがけっこう嬉しゅうございまして、 実は狙って採ったんです。
     当県における本種、昔はけっこう居たらしいのですが、 「現在では生息できる場所がほとんど無くなってしまった」と何かで読んだことがありました。 読んだ瞬間、例によって「それなら、私が採ってみせましょう!」と密かに決意し、昨年別種の探索で訪れたとき、 「島根ラベルのコキマ、居るならココだろう」と思っていた所で思い描いた通りにネットイン。
     小さな雄叫びを上げさせていただきました。
     (本当はコキマじゃなくって、『キマ』であってほしかったのですが…)

  • 2010年07月29日

     [岡山県の地形]というWEB上にあるPDFファイルを読んでいると、『メサ』なる聞き慣れない文言が出てきました。
     調べてみると、正しく理解できていないかもしれませんが「あまり広くないテーブル状の台地」というものだそうです。
     中国地方で『台地』と言えばイイ蝶(ゴマシジミ・ヒョウモンモドキ・ウスイロヒョウモンモドキ・ヒメヒカゲ等) が近年まで残っていた場所ですね。
     即ち、賀茂台地、世羅台地、草間台地なんかは他の地域では絶滅してしまった種が、生き残っていた場所であり、 この『台地』という地形が最後までこれら弱い種(こういう表現は不適切か?)を守っていたと言えるでしょう。
     そして岡山県における『メサ』なる地形の代表例として、恩原高原、黒岩高原、そして高清水高原が挙げられておりました。
     皆さん、もうお判りですね。妄想の果て、今回私が訪れたのは高清水高原でございました。

     実際、現地を訪問するまでの段階において、私のココロ中は相当な陽的思考で満ちあふれています。 どの程度まで思っているかを詳しく書くと…、

     恩原高原のようにカシワが生えているだろうから先ずはキマリンを叩き出しで・☆頭程採って、ついでにカシワ喰いの Zephyrus、ウスイロオナガ、ウラミスジなんかは☆〜〔〕頭ずつも採ればよいか…、せっかくだから、 まあハヤシもチョッと採っといてあげよう。
     基本的にススキの草原だろうからホシチャバネセセリは確実に居るでしょう。けど、進行した老眼では△〜□頭採るのが限界かなぁ。 そうだ、セセリと言えばコキマダラセセリ。これは大きいのでちゃんと見えるから余裕で△ペアぐらいか…。
     う〜ん、三角紙が足りるかなぁ。
     まてよ、地名が『高清水』となっているぐらいだから、草原の一角には湿地的環境も備えてるに違いないので ヒメシジミは居て当然として、ワレモコウがあればゴマシジミもだけど時期が早いか…。 あっ、湿生の草原という事であればヒメヒカゲも居るかもしれんし、まさかのヒョウモンモドキも!
     考えられるベストを想定してしまう私です…。
     (k*kkouk*さんすいません。またパクってしまいました。)

  • 2010年07月31日

     うだらような暑さが続きます…。
     「この暑さで、のーみそがとろけてるんとちゃうか?『うだら』やのうて、それも言うなら『うだる』やろ!」
    とのご指摘を賜りそうですが、『うだら』でいいんです。
     もう、私のアタマの中はUdaraでいっぱい、既に「採れたもどーぜん」でございますよ。

     実は、本日、あと数時間後に伊丹空港から九州へ向け出発です。
     あっ、そうそう、Udaraと言っても、狙いはサツマじゃありませんからね。

  • 2010年08月02日

     前後しますが、Udaraのお話しは次回からにさせていただき、今日は高清水高原の続きを書きます。

     1/25000地形図を見ていると、この高清水高原へは、ウランで有名な人形峠から歩くのが最も近いようなのですが、 小径は記されていません。ということはずっと藪漕ぎになるのでしょうか?そこで「高清水高原」でGoogle検索をかけてみると、 積雪期に行った方のページに「電線の下を進めばよい」と記述されておりました。 ならばこの電線の保守用路がずっと続いているのだろうと安心して歩き始めたのですが、 結果的にこの小径がハッキリしていたのは全行程の半分程…。残りはこの暑い中、藪漕ぎでございました。
     そして藪漕ぎの果てにたどり着いた高清水高原は↓こんな所。

     ご覧のように、カシワはおろか潅木もほとんど生えていないササを主体とする完璧なダメ草原。 チャバネセセリすら飛んでおりませんでした。
     こんな場所に長居は無用ということで、急ぎ人形峠まで戻り、恩原高原へと向かいました。

     実は私、恩原高原へは今回が初めての訪問となります。
     恩原高原と言えば、ウスイロヒョウモンモドキやキマダラルリツバメのポイントとして超有名なので、 これまで敢えて近づかないようにしていたのですが、高清水高原で打ちのめされ、 中途半端に時間が余ったものですから仕方ありません、未だ辛うじていけるであろうキマリンを目標とすることにいたしました。
     キマのポイントが何処なのか知らないで訪れたのですが、某SNSでの大*璃*さんの日記を読ませていただいていたので、 ポイントはすぐに判明しました。到着したのは普通ならテリ張りがボチボチ始まるかな?という時刻だったのですが、 この日はピカピカの好天で高温だったので、「これでは未だ始まらん…」と判断し、付近のカシワをペシペシ叩いて ウスイロオナガ、ウラミスジ、ハヤシのカシワ喰いのZephyrusを少しずつ三角紙に包ませていただいていると、 太陽が雲に遮られてきました。
     但し、この日照無しの時間は雲の大きさと形状から長続きしないと判断できたので、 大急ぎでキマがテリを張りそうなデベソに向かうと、予想通りの場所に居てくれまして、1雄をネットイン。
     日が翳っている間に「せめてもう1雄ぐらい飛ばせてくださいまし」とキマの神さまにお祈りしたのですが、 ここで雲の切れ間から太陽の強力な光が差して来て、ハイ、終了です。
     この状況でも18:00前後になると、もう1度テリを張るハズなのですが、 その時刻まで当地に止まっていると帰宅が21:00を過ぎてしまうので、キッパリと帰宅です。
     この1雄で6月中旬から始まった今年のキマも打ち止め。ウン、楽しませていただきました。また来年ですね。
     あっ、それから大*璃*さん、足元にも注意しながら歩いたのですが、お探しのモノは見つけることができませんでした。