2010年の近況集16

  • 2010年09月10日

     結果、「居なかった」というお話しなのに、今回も続けるのは、かなりの無理があります。
     けど、ネタはこれしかないので福井県内シルビアシジミ探索の続きです。

     地形図の読みとWeb上にUPされていた画像から推定し、今回訪問予定の場所では、
    ←ここが生息の可能性が最も高いと思っていた場所、「越前松島」と呼ばれる景勝地の海岸線、 その一角を占める「丸岡藩砲台跡公園」です。

     Web上に多くUPされていたのは、この砲台跡の芝生広場だったのですが、 この芝生広場を見て美味しそうだと思ったのではなく、それらの画像内にチョロッと写っていた遠景の海岸線や、 砲台跡の芝生広場近くに写っていた岩などからミヤコグサの存在が予想できました。

     それは、これまでに日本海側で本種を探した経験から、
    ←この画像のような場所、即ち岩が不規則に播かれているかのように見える海岸でも、 その岩と岩との間にミヤコグサが生えることが多いと学んでいたからであります。

     この画像がその詳細。
     岩で囲まれた窪みの、少しだけ溜まった土からミヤコグサが生えています。
     チョッと意外でしょ?

     この環境でもミヤコグサが生えるということを知ってしまったものですから、 海岸線を走って海ビアを探すとき、入ってみたくなる場所が多過ぎて困ってしまいます。

     このように海岸線では覗いてみるべき場所が多く、クルマでの探索ではいちいち駐車場所を探すのに難儀するので、 今回も自転車に乗って探索したのですが、判断を誤りました。
     それは、この日の暑さを甘くみてしまった事。
     普通に自転車で走行し、チョロチョロと海岸を歩き回っただけなのに、水分を5Lも消費してしまいました。 山ゴマ・ファイト並みの消耗で、軽く頭が痛くなってきたので15:00前に、あと1ヶ所の候補地を残しての強制終了。
     塩分をもっと多く摂取しておくべきでしたね。

     

  • 2010年09月13日

     何処かへ採集に行ったときの往復道中、特に高速道路を運転中は常に周囲をキョロキョロ見廻しているオッサンです、私。 (危ないやっちゃなぁ〜)
     昨年秋、和歌山県の太地町方面へシルビアシジミを探しに行ったとき、初めて入った伊勢道を走行中に、
     「三重県でシルビア探すんやったら、↑ココやろ…」(画像内右上に写っている橋が伊勢道)
    と呟いた場所へ、昨日の日曜日(09月12日)、実際に行って参りました。

     

  • 2010年09月14日

     高速道路の通行料金休日1000円とは言え、隣県の三重県へ行くのに高速道路を使うのはもったいないので、 今回は下道を利用しました。
     国道1号線って、滋賀県の草津市内以外はとっても空いているんですね。しかも一桁国道なので、 キッチリ整備され、とっても快適。三重県津市方面へ行くのであれば、高速道路を使う必要はありませんな。

     さて、昨年、伊勢道を走行中に目星を付けた場所というのは、河川の堤防(土手ビア)だったのですが、 同時にその河川水系上流部の耕作地付近(畦ビア)でも探索を試みるのは当然の成り行きでしょう。

     という訳で、↑のような耕作地が展開しているであろうと、予め地形図上で選んでおいた場所を数箇所廻ってみたのですが、 見掛け倒しのダメな場所ばっかり…。
     畦や棚田間の法面はキレイに手入れされているのですが、そこにミヤコグサが生えていないんですよね〜。 ヤハズソウは散見されるものの、こんな状況では畦ビアは見られないだろうという事で次へ移動です。

     

  • 2010年09月16日

     「思わせぶりに、詳細地名を明かさず、ダラダラ書きおってからに。
      三重県ラベルのシルビア?そんなもん簡単に採れる訳なかろーが…」

    と皆さん思われていることでしょう。けど、もうチョッとダラダラ書かせてくださいね。

     事前に調べた範囲では、1980年代の半ばを最後に20数年間、三重県では本種の記録が無いようです。 ですが、果たして本種だけを対象に三重県内で探した方はおられるのでしょうか?

     
     「いや、きっと誰もやってないから記録が無いのだろう。従って私が探せば見つかるに違いない!」

    といつものように楽観的に考え、前述の『土手ビア』や『畦ビア』の他にも、
    ←この画像のような溜池周囲の刈り込まれた草地で発生するシルビアシジミ、所謂『池ビア』 がおらぬものだろうかと溜池巡りをしてみたり、

     
    「そーいえば、長崎県でオオウラギンを採ったあの場所、たしか戦車道に沿うようにシバ草原が在ったような気がする…」

    との記憶が甦ってきたので、SDF(せるふでぃふぇんすふぉーす)の演習場ならば、 ビア好みの環境が展開しているやも知れぬということで訪れてみたところ、
    ←このようにシバ草原的な場所はあったものの、ミヤコグサは見られず生えていたのはヤハズソウばかりでした。

      「ここで採れたら『軍ビア』と命名できるのに残念やったな…、因みに牧場で採ったら
       『牛ビア』かな?いや、馬の立場はどーなんねん、やっぱりこの場合『牧ビア』やろ。
       ほな、大分県の高崎山で採ったら『猿ビア』か…、そらアンタ、植物やがなっ!」

    などとしょーもない事を考えつつ、この日の探索行動はここで終了といたしました。

     

  • 2010年09月18日

     SDF演習場を最後に、この日の探索を終えたあと、いつものように地元のスーパーへと立ち寄り、
    ←このご当地寿司を購入しました。

     和歌山県と三重県のスーパーには、このサンマ押し寿司が普遍的に分布しているようで、 紀伊半島の沿岸部を訪れたときには、必ずいただくようにしています。

     「今日のお昼ごはん」みたいな普通ネタは、どーでもエエから、結局、三重のシルビアシジミはおったんかいな? ですよね。
     これに対するお答えとしましては、
     「う〜ん、今回探した場所では見られなかったけど、残り香はかすかに感じる…」
    といったところでしょうか。

     実は某所で、世代を繰り返すのに充分な量のミヤコグサが生える草地を確認したのですが、 シルビアシジミは全く見られませんでした。ただこの日は、津市で37℃を記録するという猛暑日で、 何処へ行ってもヤマトシジミすらほとんど飛ばないという「虫の不毛日」だったんですよね。
     ですから、本当に居ないのかどーか、イマイチよく判らないので、10月中にもう一度訪れてみるつもりです。

     

  • 2010年09月21日

     目玉おやじと一反もめん、これだけの大きさで描かれていると、流石にインパクトがありますな。
     この画像でお判りのように、09月19日〜20日の連休に行ってきたのは、またしても島根県隠岐島前。 これで隠岐島前へは3度目の訪問となります。
     こうして、西ノ島の港に描かれている水木先生キャラが写せているということは、 この港で下船せずに通過したから。
     実際に訪れたのは、次の寄港地である中ノ島でございました。

     

  • 2010年09月23日
  •  
     いきなり地図です。
     この地図、フェリーの甲板椅子席付近に貼られておりました。

     ところで、シルビアシジミですが、隠岐諸島において島前の知夫里島と西ノ島では既に採集済み。 島後には未だ行ったことがないのですが、文献上は記録があることになっています。
     そう、隠岐諸島では中ノ島だけが未記録なんですね。
     「未記録…」何と魅力的な響きでしょうか。
     上の地図からお判りいただけると思いますが、この位置関係で中ノ島にだけ居ないのは、 どう考えてもオカシイと思われませんか?
     「ココは絶対に居ると思う。採ったら本土の土着種で『その島初記録!』、しかも新市町村やしぃー」
    いつものように前向きな私です。

     

  • 2010年09月25日

     黒毛和牛です。
     こう書いてしまうと、お肉みたい…。これでは牛がチョッと可哀そう。
     なので、改めまして、ウシさんです。
     このウシさんが踏みしめている草地、一見おいしそうに見えますが、全くのダメ草地でございました。

     昨年、西ノ島を訪れたとき、フェリーで中ノ島付近を航行中に、こういった草地がその山肌に点在しているのを確認できたものですから、
      「来年の訪問は中ノ島で決まり。あの草地でビア採って、中ノ島初記録は我が手中に!」
    と目論んでおったのですが、この野望は見事にコケてしまいました。

     このコケた原因ですが、フェリー内から中ノ島を遠目に見て良好な草地だと思っていた場所は、 知夫里島や西ノ島のように「牧畑」という長年の営みを通じて形成されてきた独特の生態系を有する在来草原ではなく、 近年の「団体営草地開発整備事業」という行政の後ろ楯を得た開発行為によって、樹林を切り開き作った放牧地だったんです。
     こんな草原では、シルビアシジミが居なくて当たり前。
     こうして実際に現場へ行ってみないと、こうした事は判らない訳ですから仕方ありませんな、よくあることです。
     けど、これで、「隠岐島前中ノ島にシルビアシジミが生息している可能性はとっても低い」と認識できたのですから、 まあ良かったということにしておきましょう。