2011年の近況集03

  • 2011年02月04日

     2010年の総括、続けております。

    09月

     主に照葉樹で構成された暗い森を抜け、↑の岩場が眼前に広がったときには、例によって
      「うぉっ!これは採れたかも?」
    と思いました。

     もちろん対象種はシルビアシジミ、海岸磯の草付き内に生えるミヤコグサで発生する「海ビア」 の生息環境として申し分のない雰囲気を漂わせています。
     能登半島〜鳥取県間の分布空白を、この場所で埋めることができるに違いないと酷暑の中、 気合充分で探索しました。ところが、タイトゴメは散見されるものの、ミヤコグサが見当たらない…。
     目と鼻の先の本土側ではミヤコグサを多く確認していたのですが、橋で渡れるとは言え、 一応隔離された『島』という環境になると、磯草付きの植生が変わってしまうのでしょうか?
     推定ですが、この植生が変わった原因は岩の質にあるのかもしれません、本土側は主に安山岩であるのに対し、 こちらは流紋岩、白っぽい岩はミヤコグサのお好みじゃないようです。
     あっ、そうそう、場所をハッキリさせておきましょう、この島は福井県板井市の雄島。橋が架かっているので 徒歩で渡れますが、巾約150mの海で本土とは隔てられております。

     この状態ならば、一応離島と言えるであろうことから、ヤマトシジミはしっかり観察(念のためこう表現しておきます) してきました。
     結果的に観察できたのではありますが、この雄島って、そのほとんどが暗ぁーい照葉樹林で覆われておりますし、 照葉樹林が切れたラインから海岸までの距離も短かい上に、そこはクズが繁茂し、カタバミの生える余地が「全く」 と言い切ってもよいほどにありませんでした。
     結局、観察できたのは橋の取り付け部分に在る狭い荒地だけで、その個体数も貧弱なものでした。
     やはり、小さな離島では「されど」ヤマトシジミでございました。

     

  • 2011年02月07日

     2010年の総括、今日も09月を続けます。

     09月12日、三重県津市の耕作地周辺でシルビアシジミを探しているときに、この小高い丘が視界に入りました。
     近づいてみると、中国地方ならゴマシジミが生息していそうな墓地です。

     「良い感じで刈り込まれているので、ミヤコグサの生えている可能性が高い!」

    と期待を持って探してみたのですが、ミヤコグサは全く見られず、食草になり得る文献上の植物としては、 コマツナギが少数見られただけでした。

     ところでシルビアシジミの食草として、図鑑に記されている植物のうち、ミヤコグサ、ヤハズソウ、 シロツメグサを喰っていると推定される個体は成虫で採集したことがあるのですが、 ウマゴヤシやコマツナギを喰う本種って、いったい何処で記録されたのでしょうね。
     チョッと気になっています。

     あと、2010年09月のここまでに書いた「以外」の行動は、
      ・島根県隠岐島前中ノ島でシルビアシジミ探し。
      ・福井県若狭湾沿岸と京都府舞鶴市でシルビアシジミ探し。
    というものだったので、結局09月は全てシルビアシジミの探索をしていたことになります。

     

  • 2011年02月10日

     確定申告…。
     私は伏見屋金物店を営む自営業者であることから、個人分医療費の領収証等に加え、 店の棚卸し表(金物屋って、在庫商品の種類数がとても多い)も集計しなければなりません。
     ということで、毎年の事ながら、かなり「いぃ〜っ」しております。

     さて、今日も2010年の総括を続けましょうね。

    10月

    ←は三角点画像コレクションの中でも特徴的な一品。一等三角点としては、かなり標高が低く、 そのうえ離島モノです。

     離島に在るからと言って三角点の場合、変異がある訳でもないのですが、 今回訪れた友ヶ島では3番目に採るべき対象としてリストアップしておりました。

     因みに第一目標はシルビアシジミで、これは前にも書かせていただいた通りのnull。
     第二目標は友ヶ島と虎島、この二つの島ラベルのヤマトシジミで、 これについては目標を達成することができました。

    ←突然の南海電車ですが、鉄道マニアに鞍替えした訳ではありません。

     採集に出かけるとき、航空機利用時以外は自らクルマを運転して目的地へ行っておるのですが、 今回は約30年ぶりに電車を利用しました。
     何故電車にしたのかと申しますと、高速道路の通行料金が休日1000円になったとはいえ、 当地へ行くには都市部の高速道路を利用しなければならないので1000円では収まらず、 ガソリン代のことも考えると電車利用の方が断然お安かったからなんです。
     また、所要時間もクルマと変わらないとなれば、この選択がベストでしょう。

     それにしても「友ヶ島にイイ蝶が居るかも?」と思って実際に訪問する蝶屋って、 私ぐらいのものだろうと思っていたのですが、実はさにあらず。
     先日の「斜めの会」でお話しさせていただいたところ、私と同目的のシルビアシジミで訪れたことのある方が1名、 某ジャノメ目的で訪れた方が1名おられました。
     集まった18名中で都合3名が、このダメな島「友ヶ島」へ訪れているとはチョッとした驚き、 やはり同一傾向の人間は集まってしまうもののようです。

     

  • 2011年02月13日

     2010年の総括、今日も10月分を続けさせていただきます。

     上の画像は和歌山県某所にて、10月31日に撮影したものです。
     Google Earthの衛星画像と1/25000地形図から予想した通りの河川堤防環境が眼前に広がり、 しかもこのシバ草原内にミヤコグサも確認!
     この瞬間、私自身の読みの鋭さと環境の良さから、一種の快感が背中を走ったのですが、 画像内堤防の最奥地点まで雨中の探索を続けて行くうちに、最初の快感はどこへやら…、 シルビアシジミは出て来ないし、下着まで濡れて来るしで、とっても不快な状態に陥りました。
     「こんな雨だから、シルビアシジミは出て来ないのだろう」
    と無理やり自分を納得させ、この日は撤退。
     後日、餅を搗いて好天の日に改めて訪問したのですが、シルビアシジミは見られませんでした。 やはり当地には生息していないようです。
     それにしてもココ、草原堤防の対岸斜面は照葉樹林なんですね、流石は和歌山県です。

     最後に総括なので、10月中に訪問した場所を日付順に挙げておきましょう。

      ・10月02日:京都府福知山市でビア探し。
      ・10月03日:三重県某所でビア探し。
      ・10月09日:宴会メインではあったものの、熊本県でビア狙い。
      ・10月10日:宴会メインではあったものの、宮崎県で妄想のタッパンとビア狙い。
      ・10月11日:宮崎県でビア狙い。
      ・10月17日:和歌山県友ヶ島でビア探し。
      ・10月27日:京都府京丹波町でキマの下見。
      ・10月31日:和歌山県某所でビア探し。

    といったところですが、こうして改めて表記してみると、10月中は延べ7日間もシルビアシジミを対象にお出掛けしていたんですね。

     

  • 2011年02月16日

     未だダラダラやってます。2010年の総括です。

    11月

     秋のフィールドにおける行動ですが、わたくし、その総てをシルビアシジミに充てている訳ではございません。
     キマリンの下見も同時に行っており、その可能性が有りそうな場所では、軽トラで集落内の細い道に突入しておるのですが、 こういうときに軽トラだと、全く違和感なく集落内にとけ込めます。たとえば、地元のおばちゃんとのすれ違いざまに、 ニッコリ挨拶すると、「はて?どこのおヒトやったかいな…」と勘違いしてくださったりします。
     このようにして、「地元のヒト」に擬態し、よそ者の立ち入りを拒絶しているかのように見受けられる集落内に入り込んでは、 良さげなサクラやクリが植えられていないかどうかをチェックしております。
    (より完璧を期するため、JAのロゴの入ったキャップが欲しいのですが…)

     それはさておき、上の紅葉画像、11月らしい絵ですが、またしてもストロボを焚き忘れました。
     表現したかったのは紅に染まる楓ではなく、キマリンにとってエエ感じのサクラの幹だったんです。 アリさんの通り道が幹にあったように記憶しているのですが、上手く写っていませんねぇ。
     この場所、巨視的にみると分布していてもおかしくない地域なのですが、 微視的にはキマリン分布空白域(あくまで私の認識です)になるので、もし生息していれば、 けっこう画期的と言える場所です。
     けれども、分布空白域というのはそれなりに厳しいという事も経験上知っておる訳でして、 今年の梅雨時分には、あまり期待せずにこの場所へと訪問する予定です。

     そうそう、2010年の総括を書いておるのですから、今回も11月中に訪問した場所を日付順に挙げておきましょう。

      ・11月03日:和歌山県でビア探し。
      ・11月11日:京都府南部から奈良県北部にかけてビア探し。
      ・11月17日:京都府北部でビア探しとキマリンの下見。
      ・11月21日:滋賀県琵琶湖に浮かぶ沖島ラベルのヤマトシジミ。
      ・11月28日:三重県でビア探し。

     このなかで、10枚以上三角紙を使用したのは琵琶湖の沖島だけ…、しかも、思いっきりの普通種ばかりをお包みして帰りました。
     毎度のことですが、報われない行動が目立ちます。