2011年の近況集09

  • 2011年05月08日

  •                       2010年 08月 08日 富山県

     今年のゴールデンウイークも、もう終了ですね。
     今日の日曜日も父の二十五回忌だったので、結局、今年のゴールデンウイークは何処へも採集に出かけませんでした。

     このように「何処へも出掛けない」という状況は何年振りになるのだろうかと【ふしみやBD】で、 [05月03日]・[05月04日]・[05月05日]の3組の日付文字列の「いずれかを含む」という条件で検索してみると、 総レコード数12050個の中から327個のレコードが抽出されました。
     この抽出された内容を詳細にみると、1973年〜1981年は毎年何処かへお出掛け。 1982年〜1993年は全く出掛けずに連休中も仕事をしていた記憶があります。 そして1994年〜2010年は再び毎年お出かけといった状況でした。

     1973年〜1981年は中学生〜大学生で、学生という身分であったにもかかわらず蝶の事ばかりで、 ほとんどお勉強しなかったので成績は最悪。
     1982年〜1993年は勤め人〜商売人でしたが蝶屋廃業中だった為、真剣に仕事をしていたので経済状態は超良好。
     1994年〜現在に至る…、では蝶屋完全復活の結果、商売に身が入らず経済状態はジリ貧。

     うむ〜、げに蝶屋というのはオソロシイ趣味でございますね…。

     ところで、ここに貼り付けた画像は富山県ラベルのゴマシジミ、いわゆる山ゴマです。
     同一場所で採った他の個体には青色鱗粉が全く発現していなかったのですが、 この個体だけこのようにうっすらと青色鱗粉が撒かれています。コレなんですよねぇ〜、山ゴマの良いところは。
     広島ゴマとは対極にあるこの「控えめ感」がたまらんのですわ。

     

  • 2011年05月10日

  •                     2010年 08月 08日 石川県金沢市

     展翅はずし中ということで、今日も山ゴマです。

     山ゴマとしては最もお手軽に得られる県は石川県になりますが、その中でもこの金沢市ラベルだけは別格、 石川県内の最珍ラベルだと思います。
     旧市町村で言うところの、石川郡吉野谷村や白峰村で採るのはそんなに難しくありませんが、 金沢市となると、そのお山へ行くだけでもかなりの体力と気合を必要とします。

     ところで、ゴマシジミの道県別珍ラベルランクって、どんな順番なんでしょう?
     行ったこともない場所が多いので、エエ加減なものではありますが、文献上の記録と思い入れに基いて、 独断で並べてみましょう。

     1:神奈川県(箱根の仙石原に昔は居たと文献には載ってますね)
     2:福島県(今、原発事故でえらいことになってる双葉郡浪江町津島で記録があるそうです)
     3:愛知県(標本はけっこうあるのだろうけど今はたぶん絶滅。何回も行ったのに結局…)
     4:新潟県(南魚沼郡や中頚城郡の記録はさて置き、糸魚川市五輪尾根なら未だ居るかも?)
     5:群馬県(赤城山あたりでは未だいるのかなぁ〜、よく判らないけどこの位置でどうかな)
     6:静岡県(これもよく知らないけど、富士宮市には未だ居る?)
     7:福井県(現状、標本数は少ないだろうけど、ポイントに辿り着ければ採れます)
     8:富山県(本県ラベルも標本数は少ないだろうけど、行けば採れる場所がありますから)
     9:岩手県(状況はぜーんぜん知りません。この位置でいかがでしょう。ランク高過ぎ?)
     10:岐阜県(里ゴマは絶ってるだろうけど、山ゴマなら未だ採れるのでこの位置ね)
     11:石川県(里ゴマは元々居ないけど、山ゴマがけっこう採れるのでこの位置ね)
     12:山梨県(最近採れなくなってるらしいけど…)
     13:長野県(開田高原でも居なくなってるみたいだけど、奈川村は未だ大丈夫そうなので)
     14:宮崎県(九州でやったことないけど、九州では本県が最珍?)
     15:熊本県(採集禁止になるってホントかなぁ)
     16:大分県(九州3県の中では本県が一番採り易いのかな?まあ、よく知らないんですが…)
     17:島根県(中国地方では本県が最も採り難いと思います)
     18:鳥取県(今では思っているほど簡単には採れないと思う)
     19:広島県(ランク低過ぎかも。けど、私自身はけっこう採ってるもので…)
     20:岡山県(中国地方では、やっぱり本県が一番採り易いです)
     21:青森県(データを見てると、いっぱい居るみたいなので)
     22:北海道(何と言っても広いし、まだまだ安泰そうだから)

     番外1:山形県(小国町で記録が有るのか無いのかよく分らないので)
     番外2:滋賀県(山ゴマとして居るのじゃないかと探しに行った私は大バカ者です…)

    以上のような感じでいかがでしょうか?

     

  • 2011年05月12日

  • 2010年 08月 22日 広島県

     山ゴマが続いたので、今日はその対極にあるような派手なゴマシジミ、広島県産です。
     この顔なので、産地はアノ辺り…。
     何度も挑戦して返り討ちに遭っていた地域なので、採ったときはチョーうれしゅうございました。

     画像にスケールを入れていないので判りませんが、この個体はかなりデカイです。
     青色鱗粉が、外縁に向かってもう少し広く発現していたら、正にこの辺りの権化顔だったのに惜しいところです。

     

  • 2011年05月14日

     くどいかなぁ…。
     狙って採った、渡名喜島初記録のヒメシルビアシジミです。
     紙媒体への発表時や本ページでもこれまでは生態画像ばかりだったので、今回は標本画像です。
     島単位の初記録を狙って出したという事が単純に嬉しくて、こうしてしつこくUPでございます。

     う〜ん、それにしてもギフチョウ採りたいなぁ。
     今年は04月中に11雄採っただけなので、ここらで確実にグワッシと採りたいところ…。
     だからと言って、今がちょうど良い時期だと推定される去年当てた福井県大野市のポイントに再訪するのは美しくないし、 何処へ行きましょうかねぇ。

     そうだ、久し振りに鱒の寿司が食べたいので、富山県にしましょうか。

     

  • 2011年05月16日

     05月14日(土)で書いた通り、富山県で鱒の寿司を買ってきました。本日の夕食の一品に加わっていただきましょう。
     今週は、「富山県でのnullネタで引っぱる事になるのだろうなっ」と出発前は思っていたのですが、 あに図らんやnullにならなかったとは…。

     事前に自宅でギフチョウの記録を調べるときに参考にするのは、セツロー社発行の「ギフチョウ500市町村(橋本説朗著)」 を主に使用しています。
     普段は記録のある字名等をチェックし、その付近のポイントを地形図で予想するのですが、 今回は、本書の富山県内市町村解説ページに『記されていない』字名や山名を目的地に選びました。
     また、念の為[ギフチョウorカンアオイ、目的地名]をキーワードにgoogle検索をかけてみても 的確なページはヒットしませんでした。
     そう、私が知りうる限りで『ギフチョウの記録が無い場所』を選んでの訪問でございました。
     従いまして、nullは覚悟していたのですが、意外にもいーっぱい居てはりましたわ。

     もっとも、事前に地形図を読みながら
      「記録が発表されてないだけで、ココは絶対居てるで…」
    とココロの中で呟いていたのですが。

     

  • 2011年05月18日

     わたくし、これまでに色々な産地で多くのギフチョウを見てきておりますが、 この光景には初めて出くわしました。

  • 2011年 05月 15日 09:11 富山県 標高約1050m

     ご覧のように雪上で翅を広げ静止するギフチョウです。
     この個体、激しく汚損しているので弱って雪上にへたりこんでるだけちゃうの?と思われたかもしれませんが、 そうではありません。さっきまで元気よく飛翔していた個体が、自らの意志で雪上にペタリと貼り付いたんですよ。
     上部空間が開けたブナ林内の小凹地に在る残雪。その雪上、光あふれる空間にはギフチョウ6雄(3雄の絡み×2) が争うように飛び回り、その内の1雄がストンと落ちるように雪上で開翅。
     脚のウラはつめたくないのでしょうか…。

     雪が残った場所での採集経験はけっこうあったのですが、このような生態があるなんて知りませんでした。
     これまでの経験上、ギフチョウは残雪上部の空間を避けるものだとばかり思い込んでいたのですが、 考えを改めなければなりません。

     

  • 2011年05月20日

     相変わらず、キレイに撮ってあげようという気持ちが全く込められていない生態画像ですね。

     雌でご覧のような状態ですから、既に時期遅しといった状況であることは否めません。しかしながら、 少数ではあるものの未だ翅の軟らかい雄も採集したので、完全に時期を外していた訳でもないようです。

     この産地、標高400m付近〜1100m付近まで、ほぼ切れ目なくカンアオイ(ヒメカン)が生えていたのですが、 途中800m付近のユキツバキ?が多い辺りではその密度がかなり低下していました。
     このユキツバキ帯まではカンアオイに新芽が出ていたのですが、ユキツバキ帯以降上部ブナ帯に至るまでは古葉のみで 新芽は見られませんでした。
     そして、標高1100mを少し越えた辺りから標高1200m付近にかけてはカンアオイを確認することができませんでした。
     以上のことからこの産地では、下部の落葉広葉樹を主体とする林での発生はほぼ終了で、 上部のブナ帯ではちょうど良い時期だったという事になろうかと思います。

     ところでこの産地、安定した発生環境で個体数も多いのに、本当に知られていない場所だったのでしょうか。
     私が調べ切れなかったというだけで、名うてのギフチョウ好きの皆さんにとっては周知のポイントなのかもしれませんね。