2012年の近況集08

  • 2012年04月10日

     それにしても、なぜ今さらながらに岐阜県美濃地域低山地へギフチョウを採りに行ったのか、 言い訳を述べておきましょう。

      1:今年の季節進行から鑑み、現時点でまともに発生しているのは放蝶由来個体とハイブ
        リッド化が進んだ神奈川県と、静岡県浜松市付近ぐらいであろうが、いずれも採集禁止。
      2:出現が始まったであろう北陸地方低山地も、当日04月08日の天気予報では寒気の流
        入が予想され、気温と天候の両面から杣山周辺での採集は難しいと判断。
      3:売り上げがとーっても悪いので、極力低コストで行ける場所が望ましい。ということで、
        ガソリンの消費量が少しで済み、高速道路も利用せずに行ける場所がよろしい。
      4:これまでに美濃地方で採ったことのある旧市町村は、関市、関ヶ原町、富加町、高富町、
        揖斐川町、大野町、武芸川町、根尾村、谷汲村といったところ…、岐阜市で採ってない
        やんかいさ!
      5:これだけ黒いギフチョウって、ココら周辺でしか採れへんやん。考えてみると、けっこう
        エエもんです。
      6:昔のように、国鉄樽見線の駅から歩いて10分というような場所で採れる事はなく、今では
        分布がとっても薄くなってしまったのでポイントを探す楽しみがある。

    と、多くの理由を述べましたが、最も大きいのは3なんですよね〜。これからの長いシーズンを乗り切る為、 節約第一でございます。
     とか言いながら、始まってしまうとダダ漏れなんですけどね。

     

  • 2012年04月12日

     国土地理院昭和47年発行の1/25000地形図、2色刷りの「美濃神海」です。

     未だ烏丸通りに路面電車が走っていた中学生の頃、その車窓から見た看板が印象的だった「小林地図専門店」 で購入した骨董品のような地図…。
     こんなのを持ってウロウロしていたものですから、この図葉の範囲内に入った途端に正確な現在地が特定できなくなってしまいました。

     周囲の地形から、おおよその場所を常に理解して行動するのですが、高い精度で現在位置を特定するのに必要な道路を含む地上構造物が、 この地図では現状とは全く合わない為、脳内に描いているファジーな鳥瞰図がグニャリとトロけてしまうんですよねぇ〜。
     数年前に当地を訪れたときも同じ理由で困ったのに、またしても古い地図を持参してしまいました。学習能力がありませんな。
     因みに地図内の赤で囲っているのは文献上の記録地名です。
     ポイント探しのヒントになればと思い、事前に調べ記入していくのですが、この地域では「全て」 と言ってよいほど各字名が赤で囲われてしまいます。
     昔は何処にでも居たのでしょうね。

     

  • 2012年04月14日

     引っぱってます、今日も04月08日の岐阜県美濃地方低山地におけるギフチョウ採集のお話しです。

     前々回の言い訳4で書いたように、今回は岐阜市ラベルを主たる目的として朝から探していたのですが、 ホンマ、あきませんわ…。
     地形図の読みから、ポイントと推定される場所へは行き当たるのですが、ギフチョウさんはぜーんぜん現れてくれません。
     これまでに肌で感じた山の雰囲気から「きっと未発生なんだろうな…」と、お昼過ぎには考えるようになりました。
     そうであるならば潔く諦めて、近くに居られるかもしれないN先輩御一行様(ミッションGV作戦行動中) にお会いしたいと思ったので電話してみたところ、
     「今、犬山市に居るんやけど、全くダメ…」との暗いお声…。
     「そーですか、ここから犬山市はけっこう遠いので会うのは無理ですね。
      こっちも山が未だ冷えてるみたいで、あきまへんわ。やっぱりフライングですな…」
    というような会話を交わし電話を切ったのが13:00前…。
     けれども、この時刻で諦めるのは未だ早いので、岐阜市シバリを解き、範囲を山県市まで拡大して探索したところ、 最後にひと山当てました。

     今年の季節進行と今日の気温であれば、ギフチョウはこの時刻でも谷筋でゆるーく活動しているハズとの読みから、 地形図を手に、やや高い場所へ移動し周囲を見回したところ、遠くに良さげな谷が見てとれます。
     「あの谷にカンアオイが生えていれば、この時刻でも未だ飛んでいるに違いない!」
    とキメて実際訪れてみると予想通りでした。
     この日は午後になっても気温があまり上がらなかったおかげで、未だ雄が緩やかに林床を飛び、時折枯葉上に静止します。 そう、14:00過ぎになっても午前中によく見られる行動をとっているのです。おかげで採り易く、ミスネットも皆無でございました。

     結局、重複ではない推定雄の○頭を目撃、スレてはいないが激しく破損した雄×頭のリリース、 そして・雄をお包みしたので、この小さな谷に都合・△頭のギフチョウさんが居たことになります。
     けっこう良いポイントでございました。

     
     

  • 2012年04月17日

     今がちょうど良い時期だと思われる備後地方へは行ったことがありません。なぜなら、蝶屋さんが多そうだから。
     そしてまた、今がちょうど良い時期だと思われるタイリンアオイ喰いのギフチョウも狙った事がありません。なぜなら、蝶屋さんが多そうだから…。

     ということで、先の日曜日04月15日は、この辺りならばたぶん誰にも会わないだろうと思ったので、

    こんな↑ところへ行っておりました。

     「節約!」という当初の決意に従って、今回は往復共に国道9号線を利用して行ったのですが、案外快適に走行できました。
     と言うのは、一部有料区間はあるものの「国道9号のバイパス=山陰道(高速道路)」というかたちになっており、 思っていたよりも短い所要時間で往復できることが分かりました。
     うん、ここまでスムーズに流れるなら、次回もこのルートで行くことにしましょう。
     いえ、来年の話ですが…。

     

  • 2012年04月19日

     島根県の出雲地方へギフチョウを採りに行こうというのに、いくらなんでも当日の朝に出発した訳ではありません。
     前日、04月14日(土)の夕方に伏見屋金物店を閉めてから出発し、その日は兵庫県豊岡市(旧日高町)の「道の駅神鍋高原」まで走行、 ここの駐車場で就寝いたしました。
      「前回、9号線経由で行ったと書いていたのに、これやったら9号線から外れてるやん」
    との突っ込みもあろうかと思いますが、わたくし、この方面へ行く時は京都府福知山市の「道の駅農匠の郷やくの」付近から9号線を離脱し、 兵庫県香美町の村岡区役場付近で再度9号線に戻るというルートをいつも利用しています。これなら、 旧和田山町と旧養父町の中心部をエスケープできるので、距離は少々長くなりますが、とっても快適に走ることができるのですよ。
     もっとも、このルートを使い始めたのは蘇武トンネルが開通してからなんですが。

     そして上の画像は夜明け前に「道の駅神鍋高原」から、ギフチョウのポイントが存在する山を写しました。
     ご覧のように、未だ多くの雪が残っているので今週末(天気悪そうですが)にこの地域での採集は時期尚早のような気がします。
     三川山の下部(稲葉集落の背後ネ)ならOKかもしれませんが、正面に写っている名色ゲレンデには未だたっぷりと雪が残っていることから、 蘇武岳では昭和の日以降でないと採集は無理のように思います。
     以上、本ページとしてはめずらしく採集計画に役立つ情報でございました。

     

  • 2012年04月21日

     蝶屋さんに出会う可能性が低いだろうから…、という消極的な理由だけでこの島根県出雲地方を選んだのではなく、 実は途中で「キマリンとビアの下見をしておこう」という目的もありました。

     本気で採れると思っている島根県ラベルのキマリンの話しはさておき、 この地域では上の画像のような環境を有する堤防が各河川で見られたので、けっこう強いビアの香りを感じることができました。

     さて、肝腎のギフチョウですが、今年各地で繰り広げられたフライングではなく、 既に時期遅しでございました。
     最初は志し高く、記録は拾えなかったけれども地形図的には生息していそうな場所を訪れ、 ヒルトッピングして来そうなピークを2本登ったのですがキアゲハがテリトリーを張っていただけ。
     3ヶ所目になるとココロ後退し、記録のある場所へと訪れて先ずは山頂まで登ったのですが、 ここでもキアゲハがテリトリーを張っていただけでギフチョウは見られません。
      「事前に調べた記録は、1990年代の前半やったもんなぁー、既に絶ってるのかも…」
    と心の中で呟きながら山麓部まで降りた時点で未だ12:49。
      「少し早いけど、この気温ならもう谷降りしているのかもしれない」
    と思ったものですから食草(ミヤコアオイなのね)の生える谷的環境をウロウロしたところ、 どーにか×雌の採集。なんとかnull神憑きは免れました。
      「けど、雄はどうしたんだ?」
    と付近の雄が出てきそうな場所でしばらく待ったのですが、結局雄は見られませんでした。
     芽吹いた雑木林の雰囲気や、その林床に生えるミヤコアオイの新芽もかなり伸長していたことから、 この地域では思っていたよりも発生が早かったようです。

     

  • 2012年04月23日

     昨日の日曜日(04月22日)に行きたかったのは、またしても島根県。
     …なのですが、今度は石見地方を予定しておりました。しかしながら悪天候であるとの予報が出ていたのでアッサリと中止。 作業場で展翅とデータ整理などをごそごそやっておりました。
     従いましてネタの増加がみられなかったということで、今日も04月15日に採取してきた動画を貼ってごまかしておきましょう。

     先ずはこの動画、鳥取県の琴浦町(旧東伯町)の国道9号線(東伯・中山道路)を米子方面に向け走行中に撮影しました。
     広角なので少々判り辛いですが、正面の山は船上山から矢筈ヶ山あたりになると思います。ご覧のように未だ雪がかなり残っているので、 「88ヶ所めぐり」に載っていたポイントは昭和の日ぐらいが適期と思われます。

     そしてこれは鳥取県米子市側から望んだ伯耆大山です。
     この画像でも雪がそこそこ残っているように見えるのですが、かの地のギフチョウはどのような予定で出現するつもりなのでしょうか?
     あくまでもこれらの動画からの推定ですが、05月の連休初日、03日なら所謂「大山」のギフチョウに間に合うような気がしてきました。
     ということであれば、今年は秋田県行きをやめにして、
      「03日に大山でギフをやってから、04日〜06日はビア探しで南の方へ行くのもよいかも…」
    などと思っております。