2012年の近況集12

  • 2012年06月02日

     あのお猿さんたち、特にリーダーと推定される個体には気合が入っておりました。
     何をしでかすか分からない人間を相手に、サシで勝負を挑もうとするのですから。
     群れを率いるという事は、覚悟が要るということなのですね、勉強になりました。

     結局、このお猿さんたちに通してもらえなかったものですから、どうしたかと言いますと、 前掲の貯水池を支えるコンクリート構造物の最下部、即ち谷の底まで降下し、小さな流れですがバシャバシャと渡渉。 対岸に辿り着いたところから始まる急斜面の藪を漕いで登り、お猿さんの群れからかなり離れた地点を選んで藪から脱出するという、 かなりの消耗を強いられるルートを選択せざるを得ませんでした。
     元々、ここはお猿さんの縄張りなのですから、私の方が身を引くのは当然と言えば当然なのですが、 なんかチョッと悔しい…。直メールでMさんに教えて頂いたように、これからは爆竹を携行しようかと思っています。

     さて、お猿さんのお話しはここまでとして、ギフチョウの事を書かねばなりませんね。
     訪れたのが富山県の某山、しかもその山名として記録有りというのが判っていたものですから、 モロに採れそうな山頂から伸びる尾根(ケーブルで楽に行ける)へ行くのは美しくありません。 そこで、地形図を眺めていると中腹部の緩やかな地形が目にとまりました。

     緩やかな地形でこの標高とくれば、ここは当然ブナ林です。 ということはその林床にカンアオイは確実に生えているでしょう。
     従ってギフチョウがいっぱい飛び回っているであろうということで、 実際訪れてみると、
    ←ご覧のようにしっかりカンアオイも生えています。

     ところがですねぇ、引いて写すとこのブナ林は
    ←こんな状態だったんですよね〜。

     ご覧のようにやや高くなって残雪の厚みが薄くなった場所でさえこんな状況で、 谷的地形の場所には未だたっぷりと雪が残っていました。
     これでは明らかに未発生、完璧なフライングですな…。

     こうなったらフライングついでに山頂まで行ってみようと登り始めると、 ブナ帯よりも上部はすべて雪に覆われ、土の見えている部分は全くありませんでした。

     そして、シラカバ生える
    ←この雪原が頂上。
     もしかすると下部発生の個体が居るのではないかという期待もあったのですが、 この雪原でテリを張るような酔狂なギフチョウは居るハズもなく、速攻で下山するしかありませんでした。

     

  • 2012年06月05日

     実は、4月の上旬に店舗のインターネット接続回線を「xo光」から「xレッツ光ネクスト」に乗り換えました。
     1Gbpsの高速接続とWiFi環境が手に入るという理由で変更した訳ですが、変更したとたんに問題が発生しました。
     今まで、全く問題なく動いていたWin XPマシーンが、
      1:有線で接続しているのにインターネット接続が頻繁に切れる。
      2:モニター画面が突然真っ黒になり、マウスもキーボードも利かなくなる。
    といった症状に悩まされるようになりました。
     このようにパソコンが不安定な状態では、[ふしみやDB2011年版]の編集が怖くてできません。 というのは、[ふしみやDB]にはその年に採った全ての個体の標本画像を取り込むのですが、 後で取り出すときに判り易いよう各画像ファイルには固有の名前を付けております。

  •  
     ↑このように2個以上のウインドウを開き重複の無いようにリネームするという、かなりの集中力を要する作業になります。
     因みにこのリネーム方法ですが最初の4桁は採集月日です。そしてハイフン区切りで順次右方へ進み、 次の4桁の数字は(有)蝶研出版がそれぞれの種に割り振ったコードナンバー、次いでアルファベットの文字列が産地名、 その後のxから始まるアルファベットもしくは数字は一緒に取り込んだ地図にプロットされたポイント位置、 次の01、02…と続く数字は同一日同一産地の個体がある場合の通番でこの後のアルファベットmが雄でfが雌、 最後尾のアルファベットがfであれば翅表でuの場合は裏をあらわしています。
     この作業の途中で、モニター画面が突然真っ黒になろうものなら、それまでの作業が全部飛んでしまうという苦い経験を一度味わったものですから、 3月下旬以降の[ふしみやDB2011年版]の編集がストップしておりました。

     最近になってようやく上記の問題が解決できた(あれこれ色んなことをやってみたのですが結局、LANの接続スピードをAutoから100Mbpsにスピードダウンする) ものですから06月03日(日)以降、作業を再開いたしました。
     そう、一昨日の06月03日(日)は、前日の天気予報を信じてお出かけせず、 作業場に籠もって標本撮影とPCへの打ち込みをしていたのですよ。
     ところがこの日、越中から飛騨方面にかけては午前中の早い時刻は晴れだったとか…。
     痛恨の天候判断ミスでございました。

     

  • 2012年06月07日

     突然ですが、先ほど約40分前に、今年お初のキマリンを採集いたしました。
     鮮度良好の3雄、京都市右京区でした。

     採集したポイントですが、発生の早かった年には5月ラベルが複数採れた場所(ポイント自体が今は消滅) に近く、手持ちのポイントの中では発生の早い場所になります。
     今日感じたポイントの雰囲気と採集個体の鮮度から1〜2日前の発生開始と推定しています。
     ということで、案外遅れていません。
     場所にもよるでしょうが、今年の京都市市街地周辺の発生時期は「ごく普通です」と宣言してもよかろうと思っています。

     

  • 2012年06月09日

     天気さえ良ければ、まさに今、店を閉めている頃だったのですが、この予報で出発するというギャンブルはできません。
     もちろん目的種はギフチョウで、目的地は越中〜飛騨の山奥でした。
     そこは、毎年行くつもりで計画を立てるのですが、その度に天候等何らかの障害が発生し、一度も行ったことがありません。
     その場所とは、どーも相性が悪いようです。また来年ですわ。

     さて、今頃なって書いても旬を外しているので、興味深くはお読みいただけないと思いますが、 本ページは私の採集ノートを補間する役割も担っているので、05月20日(日)のことを書いておきます。
     この日行った場所は、富山県と岐阜県の境に在る「牛首峠」でした。
     牛首峠と申しましても、岐阜県側は白川村になるので、「白川村森林等の適正利用による動植物保護条例」 により採集が規制されています。
     従いまして、前記条例の13条及び同施行規則第5条の規定により、白川村村長であるところの成原茂さん名義で発行された 「ギフチョウ等捕獲(採取)許可証」を所持していないと採集できない事になっています。
     因みにこの許可証の後半には遵守事項が箇条書きになっているのですが、その最後6番に「採取後の調査結果を報告すること。」 と記されており、採集に訪れた後にレポートを提出しなければならないのです…。
     「そんなレポートを書くのは邪魔くさいわ」という訳でもなかったのですが、今回は富山県側、旧利賀村から進入いたしました。

     

  • 2012年06月11日

     ギフチョウを対象に訪れた牛首峠のお話しも書いてしまわないといけないのですが、今日は昨日の日曜日、06月10日の事をチョッと書いておきます。
     私は、滋賀県大津市でウラナミジャノメの2化/年の個体群が居ないものだろうかと探索したのですが、結果、カスリもしませんでした。
     探索場所の選定ミスではないのか?という問題以前に、時期を外しているような雰囲気を感じたのですが、 やっぱり元々居ない所ばかりを探していたのかもしれません。

     そしてこれも昨日のことですが、ウラナミジャノメ探索中の私に、先輩のNさんと後輩のMさんから連続で喜びのメールが入りました。
     N先輩にとっては苦節○年、ベニモンカラスシジミ(成虫)の採集と撮影に成功!という内容でございました。
     最近では1/25000・1/12500・1/6000の地形図が、どの縮尺でも簡単にカシミール3Dからダウンロードできるようになったので 書かなくなった手書きのポイントMAPですが、私がココロを込めて書いた手書き最後のポイントMAPである ベニモンカラスシジミ(成虫)ポイントMAPを数年前N先輩にお送りし、ぜひとも「採って・撮って」いただきたいと思っておりました。
     ところが苦節○年、null続きといった状態だったので、「ワシの書いたポイントMAPで採れんとは…」とけっこう責任を感じておりました。
     これでもう、ホッとしましたわ。

     
     脈絡なく、画像がないと寂しいので、今日(2012年06月11日)撮れたてのキマダラルリツバメでございます。

     それにしても全く動かない「ゆるゆるのキマリン」、動画にした意味がありませんな…。

     

  • 2012年06月13日

     牛首峠の続きですが、あまり書く事がないんですよねぇ〜。
     ニホンザルの次に出会ったのがツキノワグマだったなら、シリーズ的に面白いのですが、今回はニホンカモシカを一瞬見ただけでした。
     これではお話しを膨らませようがありません。

     結局、富山県利賀村側からこの酷い林道を走行して行ったのが間違いの元…、 牛首峠のかなり手前で残雪のため降車せざるを得なくなり、生息域へは遅い到着で早い離脱となってしまって どうにかnullは免れたものの、近年稀にみる貧果でございました。
     未知の場所へ挑戦してこの結果なら満足できるのですが、居るのが判っている場所へ行ってコレではとってもカッコ悪いので、 牛首峠のお話しはこれで終わりにしておきます。

     
     そしてまたしても脈絡なく、今日(2012年06月13日)の「ゆるゆるキマ」です。
     先ずは静止画で…。

     
     次は例によって動画です。まっ、キマは動かないんですけど…。

     どちらも望遠側での撮影ですが、ご賢察くださいませ。