2012年の近況集16

  • 2012年08月10日

     「いかにも採れたようなニュアンスで書いておいて、実際に採れたのは
      スジボソヤマキ1雌でした…、というようなオチとちゃうやろなぁ〜」

     
     との突っ込みを賜りそうですが、そうではありません。

     いや〜、餅は搗いてみるものです。
     今回、四度目の訪問にして、ようやく赤兎山ラベルのゴマシジミを得る事ができました。

     因みにこのスジボソヤマキもその付近で撮影したものです。

     そして↑が採集ポイントの草原そのものです。
     この画像ではゆるやかな斜面に見えますが実際はかなりの急斜面で、草や潅木を掴みながらでないと移動できません。
     普通、山ゴマのポイントって急な斜面ではありますが、水平に近い足元スペースが狭小ながらもどこかに在るものです。 しかしながらココはそれが皆無。一旦斜面に入ってしまうと、常に踏ん張りを強いられるのでとっても疲れてしまいます。
     そのうえ急斜面なのに潅木が多くて「移動する気になれる場所」がとても少ないのです。従って採集可能ポイントというものが とても狭い範囲になってしまうんですよねー。
     しかも個体数がとっても少ない…。(と、思う)

     けれども今回は採れたので、本当にうれしゅうございました。
     久し振りに雄叫びをあげてしまいましたわ。

     

  • 2012年08月12日

     伏見屋金物店は本日から16日までお休みを頂いているのですが、諸般の事情で未だ自宅のPCに向かっています。
     まあ、何処かへは行くつもりなのですが、未だ出発できていないという事なんですわ・・・。

     ところで、もしかすると前回までの赤兎山のお話しを読んで、行かれる気になった蝶屋さんが居られるかもしれません。 そこで、このパンフレットを貼りつけておきましょう。

    ↑に記されているように、制限時間があるので注意してくださいね。

     

  • 2012年08月17日

     船酔いするから船はキライ…、なのですが、離島は大好きなんですよね〜、困ったものです。

     という事で今回のお盆休み、↑の高速船「おにようず」に乗船し行った離島は山口県萩市沖の日本海に浮かぶ「見島」。
     もちろん狙いはシルビアシジミでございました。

     

  • 2012年08月19日

     本日、お盆休み明けの日曜日、甲奴ゴマも探しに行かずに、なんと! 仕事をしております。
     いくらヒマとは言え、5連休も頂いてしまうと、やるべき事がこなせていないので仕方ありません。

     さて、お盆休みツアーのお話しに入ります。
     前回の流れから「見島」について語るのかと思いきや、先ずは08月13日(月)の訪問地から始めましょう。
     伏見屋金物店のお盆休みは08月12日(日)から始まったのですが、諸般の事情で西へ向けての出発は11日(土)の夕方ではなく、 12日(日)の夕方になってしまいました。
     そしてこの日は中国自動車道の帝釈峡PAで就寝し、明けて08月13日(月)の最初の目的地は、ココ↓長門峡です。 もちろん狙いはルーミスシジミでございました。

     ご覧のように、行くには行ったのですが国道9号線を走行中から既に、「この天気では絶対無理」だと解かっていたんですよ、 けれども行ってしまう…、この習性は直りませんな。
     実際、湿度は高いものの気温は30℃に到達していない様子で、天候面からルーミスの降りて来ない日だったのですが、 一応、鈴ヶ茶屋までの林道を往復。やっぱり、ルーミスについては目撃も無しの完封nullでございました。
     他にノートへ記しておくべき事柄としては、高所飛翔中の推定キリシマミドリシジミを1頭目撃しただけ…。 これで長門峡での採集行動は終了と致しました。
     この時点で時刻は未だ12:00。
     そこで、やや離れているのですが秋吉台へ行ってみることにしました。

     

  • 2012年08月22日

     ↑秋吉台です。
     いかにもオオウラギンヒョウモンが生息していそうな環境ですね。
     但し、当地のオオウラギンヒョウモンは採集禁止だと巷間言われているを知っておりましたので本種を対象に訪れたのではありません。 (時期的にも居りませんし…) 当地を訪れたのは、シルビアシジミの観察が目的でございました。
     結果として、ミヤコグサは各所に見られたものの、本種の確認には至りませんでした。
     そこそこがんばって探索したのですが、草原が広すぎて生息ポイントの見当がつきません、いったい何処に居るのでしょうか…。

     ところで、この秋吉台へは元々訪問する予定がなったので、事前に関係法令を調べておらず、「オオウラギンヒョウモンが採集禁止」 との認識しかなかったのですが、シルビアシジミもダメかもしれないと思い、念の為「観察」というスタンスで草原へ入り、 探索しておりました。
     後日、実際のところはどうなっているのだろうかと気になって調べてみたところ、以下のような事が分かりました。

     ・秋吉台は国指定の特別天然記念物
      文化庁の国指定文化財等データベースによると、その指定基準として「風化及び侵蝕に
      関する現象、地層の摺曲及び衝上、岩石、鉱物及び化石の産出状態、洞穴」という理由が
      挙げられていることから、ここで言う特別天然記念物とは、秋吉台そのものであって、
      そこに生息する昆虫が特別天然記念物という訳ではないようです。

     ・秋吉台は特別天然記念物だけど特別保護地区ではない
      この秋吉台が「秋吉台国定公園」内に在ることから、国定公園内の特別保護地区になって
      いるかどうか調べてみたところ、環境省自然環境局発表の都道府県自然環境保全地域
      (野生動植物保護地区)の一覧表において山口県の指定地区数は空欄で面積は0.00ha
      (平成24年3月31日現在)となっていることから、ここ秋吉台は昆虫採集が規制される
      特別保護地区でないようです。

     ・ならば「秋吉台のオオウラギンヒョウモンは採集禁止」の根拠は何処にある?
      この根拠に辿り着くのにけっこ時間がかかったのですが、結局、山口県美祢市の条例
      で規制されておりました。この「美祢市特別天然記念物秋吉台管理条例」によると 
      その第7条(4)号に『動物の捕獲及び昆虫とその卵を採取をしようとする者は、
      市長の許可を受けなければならない』とありました。

     以上のことから、今回の対象種シルビアシジミにおいても「観察」というスタンスで臨んでおいてよかったと、 胸をなでおろしている次第でございます。

     それにしても規制に関する情報を正確に知るには手間がかかります。
     国関係の規制やその根拠はWEB上にきっちり公表されているのですが、 地方はイマイチで条例や規則を調べるには、教育委員会に直接問い合わせるしかない場合があります。
     少し前も京都府南山城村のギフチョウとオオムラサキが採集禁止であると言う事を小耳にはさみ、 調べてみたところ、なんと、南山城村には教育委員会が無い!ホンマ、驚いてしまいました。
     この件について書き始めると長くなるので今日のところはやめておきますが、南山城村の担当者と直接お話しして確かめたところ、 ギフチョウとオオムラサキは採集禁止でない事が判りました。
     調べてみるもんですな…。
     このように、昆虫採集の規制情報に関しては、WEB上の個人記述はもとより、専門誌の記事でさえアテにならない事が解かり、 結局は自分で調べるしかないと思っております。

     

  • 2012年08月25日

     見島のお話しに入る前に、08月13日の夕食風景を貼っておきましょう。

     例によってキムチ鍋、変わりばえしませんな…、けれどもこの日は、ほんまもんのビールで少し贅沢させていただきました。

     場所は山口県萩市(旧川上村)の阿武川ダムの畔、立ち寄り湯ポイントである阿武川温泉(400円・ボディーソープとリンスインシャンプー付き・露天風呂有り) に近く、外灯は1本だけで明る過ぎず、クルマもほとんど通りません。
     従って、とっても静かで快適な就寝ポイントでした。


     さて、見島のお話しに入ります。
     先ずはカシーミール3Dからいただいてきた地図をご覧いただきましょう。

     この地図からも読めるように、シルビアシジミを目的として見島を訪れる訳ですから、行くべき場所は宇津港よりも北になります。
     特に、エボシ・長尾ノ鼻・観音崎のそれぞれに付けられた荒地マークが狙い目、海ビアの生息環境とみて間違いないでしょう。
     そこで、これら3ヶ所を訪れるには、宇津港への到着が必須となります。
     なぜなら島内の移動手段は徒歩のみと予想され、本村港への到着では観音崎の荒地マークへ行くだけで疲れてしまいそうです。
     ところが通常期における「高速船・おにようず」の運行スケジュールは、宇津港着が11:00前で出港は14:00過ぎとなっています。 従って日帰りでは、島内での採集行動に使える時間が最大でも4時間弱しかない訳です。

     見島のシルビアシジミについては、確実な記録がある上に生息ポイントまで判っているとは言え、
     「たった4時間ではねぇ…」
    という事でこれまで渡島を躊躇っておりました。
     ところがお盆期間中は、
    ←のスケジュールになることが判り、
     「チャンス到来!」
    とばかりに今回の訪問になりました。

     このスケジュールなら、たっぷり6時間15分も島内での採集行動に充てることができます。