2012年の近況集22

  • 2012年11月03日

     この連休、紀伊半島の沿岸部で探索したかったのですが、妻なる方が同窓会で江戸へとお出かけしている為、 私は留守番です。
     そこで、展翅を一生懸命やっております。

     一部のキマリン、ウラナミジャノメ、シルビアは解凍の生展で楽なのですが、 軟化展翅のヒメヒカゲで往生しております。
     やっぱり、蛋白質分解酵素を使うべきなのかなぁ…。

     

  • 2012年11月06日

     お預かりしたヒメヒカゲ、けっこうムシに食われてたりするので、往生しております。
     部分的に残っている外骨格を壊さないよう、翅を開くのって、難しいですねぇ〜。
     そもそも、こんな個体は針が胸に固定できないんですよ。けれども貴重な個体だし、 何とか展翅標本として見られるようにと、持てる業を駆使して展翅しているのですが、 外したときに許せるレベルで仕上がっているのでしょうか…。

     さて、2週連続でフィールドに出ていないので最近のネタはありません。
     そこで少し前、10月14日の行動を書いておきましょう。

     この日は、諦めきれずにまたしても三重県を訪問しました。↑の場所は、過去にシルビアシジミの記録があると云われる津市の 「片田志袋町」のおとなり、「片田田中町」を流れる岩田川の堤防です。
     ここは見た目の草原状態がとても良かったのですが、ミヤコグサを見つける事はできませんでした。

     
     そして松阪市へと移動し、西部の山際に多く点在する溜池堤防に的を絞り探索したところ、 ミヤコグサはけっこう生えているんですよね〜。

     けれどもシルビアシジミは全く見られません。

     
     溜池堤防って、
    ←こんな風によく手入れされ、ミヤコグサの生えている事が多いので、何処でも探索対象にしているのですが、 実際探してみた経験上、ベタに生息している地域でないと居ないような気がしています。

     そう思いながらも探しに行った末に、やっぱり居りませんでした。
     まあ、納得の結果ではあるのですが…。

     

  • 2012年11月09日

     10月21日(日)を最後に、フィールドに出ていないので気分は低調でございます。
     その上、触角はすぐに折れるし、前翅後翅共に基盤が脆く、少しのミスで穴が空いたり裂けたりするので、 自信を失くしております。
     やっぱり40年前のヒメヒカゲを軟化展翅しようなんて、私には荷が重すぎたのかも…。

     このように展翅に手こずっている現在、私のテンションはかなり低い状態なのですが、 紙の採集観察ノートを補間する為にも本ページに10月21日(日)の行動を綴っておかねばなりません。

     訪れたのは、懲りもせずにまたしても三重県でございました。
     勿論、対象種はシルビアシジミ。
     狙い目は鈴鹿川の両岸堤防、例によって自転車に乗っての探索でございます。

  •  
     これまでは、もっと大縮尺の地図に自転車でのトレースラインを赤い線で記入していたのですが、 今回はけっこう距離が長いのに加え、私の気分が乗らない為、チョッと手抜きです。
     軽トラ駐車地点のxpから下流に向け出発しxaまでの間を、 往路は主に左岸、帰路は主に右岸を走行し、探索してみました。

     

  • 2012年11月12日

     昨日の日曜日、11月11日は思いっ切りの雨だったので、何処へも出掛けておりません。
     そこで作業場に籠もり、例によってヒメヒカゲの軟化展翅をしていたのですが、もう気分は鬱…。
     翅も胴も触角もサクサクですわ。
      「チョッとさわっただけやのに、なんでバラバラになるねんなぁ〜」
    という呟きが、昨日の作業場には充満しておりました。

     さて、結果がミエミエの三重県鈴鹿市鈴鹿川でのシルビアシジミ探索、続きを書いておきましょう。

     鈴鹿川の堤防、地形図の読みとGoogleの衛星画像から、状態の良い草原の存在が事前に推定できました。
     そして実際に訪れてみると、ご覧のように予想通りの堤防斜面が展開しています。
     この環境なら期待が持てるということで、自転車に跨り探索を開始したところ、 今回はけっこうすぐにミヤコグサが見つかりました。

     鈴鹿川堤防を自転車で走行中、遠目に「ええ感じの草原やなぁ…」と思ってその斜面に実際入ってみると、 けっこうな確率でミヤコグサが生えておりました。
     それも、「なんや、これだけしか生えてへんのかいな…」というような状態ではなく、右岸左岸共に連続的ではないのですが、 ある程度の広い長さで点々と(日本語になってないな…)ミヤコグサを含む草原が存在しておりました。

     ↑、突然ワレモコウでびっくりされたかもしれませんが、実は、夏から秋にかけて河川堤防でミヤコグサを探す場合、 ワレモコウが良い目印になるのですよ。
     これまでの経験上、河川堤防では必ずと言ってよいほど、ワレモコウとミヤコグサは同所的に生えており、 先ずは目立つワレモコウを探しながら自転車で走行しております。

     上に貼ったワレモコウの在る草原も、全体の草丈が少々高かったにもかかわらず、かなりの高密度でミヤコグサが生えておりました。
     こうしてミヤコグサはけっこう簡単に見つかったのですが、真の目的種であるところのシルビアシジミは全く見られませんでした。
     元々記録の無い場所なのですから、当然と言えば当然の結果…。
     まあ、こんなもんなのでしょう。

     

  • 2012年11月15日

     ↓は某SNS内に貼った既出動画なのですが、ここに貼り付けた動画は元jpgの画質を調整し、別ファイルに仕上げて再度YouTubeにUPしたものです。

     
     ご覧のように座間味村の島々、座間味島・阿嘉島・慶留間島・下地島の各島で採集したリュウキュウウラナミジャノメの標本41個体を スライドショー化してみました。

     変異のある種の標本画像を皆様にご覧頂く場合、これまでにキマダラルリツバメではモニター画面に納まるであろう大きさのプレートを製作し、 これをクリックすると大画像が表示されるというやり方でUPしてきました。
     今のところ、この方法がベストだろうとは思っているのですが、プレートを作るのに手間と時間がとってもかかるのです。
     そこで一つのお手軽な方法として、標本画像のスライドショー、即ち41個のjpgファイルを一気にまとめて動画化してみた訳です。
     この方法だとGoogleが無償で提供している[Picasa 3]なるソフトを使えば10分程で出来てしまいます。 そう、とってもお手軽なんですよ。

     しかしながら、YouTubeにUPした↑の動画を再生してみると、デスクトップ上に在る元のwmv動画に比べて画質がダダ落ちです。
     う〜ん、やっぱりコレは使えませんな…。

     

  • 2012年11月18日

     
     ヒメヒカゲの軟化展翅↑が、よーやく終了いたしました。

     触角まで2本共揃った個体も2割程度はあったのですが、
    ←のような個体が約2割。残りの6割は、触角や脚は欠損しているものの、4枚の翅・頭部・胸部・腹部が一つにまとまっておりました。
     けど、軟化展翅って、難しいですねぇ〜。
     特に、頭部を真っ直ぐにするのが難しい…、ピンセットで頭部をつまんで、曲がっている反対方向に180度程ひねっても、 クセが直りません。

     どんなワザを使えば真っ直ぐになるのか、どなたかに教えていただきたいものです。

     
    11月20日追記

     今年の京大11月祭、蝶研の会場はどの教室なのかな?と京大蝶研の公式ホームページに立ち寄ってみると、
       __________________________________

         標本の展示の他にはアノお方による標本作製showがあります。
         美しい標本ができるまでを見てみたいという方は土・日(24日・25日)
         の13:00と15:00の2回show time があるので是非いらしてください。
         きっとためになると思いますよ〜。
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    と記されていました。
     これはチャンスでございます。
     今年もSPINDAを購入に行くことですし、このshow time時に曲がった頭部の修正方法を質問してみようかと思っております。

     

  • 2012年11月21日

     今さらながらではございますが、10月の07日〜08日にかけて家族旅行として訪れた小豆島のことを 書いておきます。
     と言っても、本気の観光モードだったので蝶に関しては↓を訪れたとき以外、全く注意を払っておりませんでした。 従いまして、書くべき内容は数行で終わってしまうのですが…。

     ここは小豆島町に在る「中山の千枚田」。有名観光スポットになっており、当日も観光目的で多く方々が訪れていました。
     私たち家族も、そんな皆さんと一緒に田の畦に入らせていただき、散策を楽しみました。

     このとき私は、畦上の小さなシバ草原内ではミヤコグサを、古い石組みではツメレンゲ等の多肉質植物を探してみたのですが、 いずれも見い出せません。まあ、家族の手前、真剣に探す訳にはいかないので見落としがあったかもしれませんが、 この場所の雰囲気から、シルビアシジミ、クロツバメシジミ共に、ここ「中山の千枚田」には生息していないだろうと思っています。