2014年の近況集12

  • 2014年06月16日

     この土日(06月14日〜15日)は所用で仙台へ行っていたので採集観察行動は皆無でございました。
     なので、06月01日の大多和→横岳の続きです。

     前回貼り付けたツゲ交じりの湿性斜面の静止画は、横岳(1623.0)の東方1600mの等高線上に記された荒地マーク(推定)辺りになります。
     ここから更に西方へと、濃い藪で覆われた平坦な地形(藪に潜ってしまうと進むべき方向を失いやすい)を 気合を入れる為とクマ除けを兼ねて叫びながら進行すると、ササの覆いかぶさった細い谷に行き当たりました。
     右方向へ迂回しようとしたのですが、あまりにも濃いササだったのでいっそのこと谷に降りてしまった方が楽だろうと、 掴んだササにぶら下がるようにして涸れた谷床に到達。この谷床を南方へ暫く降下すると残雪が現れました。
     ここを滑り落ちると、とーても危ない事になるなっ…、と思いつつ足を踏み入れ、水平に少し進むと谷の左俣が現れました。 これを素直に登って行くと県境の平坦な鞍部に出るだろうと予想し、慎重に詰めて行くと、

    ようやく↑のような草原(現状枯れてるけど)に到達です。
     これで藪漕ぎから解放されたと喜んだのですが、更に西方向へ進もうとすると、またしても藪なんですよね〜。
     けれどもこの辺りの藪は、背丈が低かったので埋もれての藪漕ぎといった事にはならず、これまでよりは少し楽な進行です。

     この背丈の低い藪を抜け、草原を約50m歩いて横岳大権現様↑へと到着。
     先ずは行動食をお供えしてここまで無事に来れた事を感謝し、加えて帰路の安全をお願いしてから、お下がりを頂戴しました。

     ブルーネットを傍らに置き周囲に気を配りながら食事を終えた後、↑ここ権現池まで西進。
     更に西に在る横岳(1623.0)まで行く予定だったのですが、目印の紙テープを使い果たしてしまったので今回は断念しました。
     この日のような好天ではガスに巻かれるといった事態にはならないと思うのですが、万が一ということもあります。
     もしそうなった場合、当地のように藪で覆われた緩やかな地形では目印だけが頼り。これが無いと迷わずに帰る自信は流石にございません。
     体力的には余裕があったので少々悔しかったのですが、「無事に帰ってこそ次がある」 との大人の判断で下山することにしました。

     

  • 2014年06月19日

     うむぅ〜、今年はというか、これから先もず〜っと、昨年までのようにキマリンを探しに行けそうにありません。
     探したい場所はまだあるのですが、店を閉めて行く訳にいかんし、まあ、しゃーないですな。

     そこで少々しつこいですが、今日も06月01日、横岳の続きです。

     ↑は権現池(だと思う)そのものです。
     孤立した池なので、福井県の夜叉ヶ池のようにゲンゴロウの固有種が居たりして…。
     居たとしても成虫期には更に藪が濃くなっているので、ここまで登るのは厳しいでしょうね。

     さて、下山時は目印のテープを辿ればよいだけなので気分的にとっても楽。けれども、ショッキングピンク色のテープを使い果たし、 予備で持っていた淡いブルー色のテープを使った行程では、やっぱりテープを見失ってしまいました。
     仕方がないので暫く勘で進むとショッキングピンク色のテープを発見、どうやら淡いブルー色を使った部分を 概ね正確に通過できていたようです。
     残りの行程は全てショッキングピンク色のテープだったので見失う事無く順調に降りて行き、 谷筋まで降下したとき、「これでもうルートを見失う事は無いなっ♪」 と安堵しました。
     今までの緊張感が緩んだ状態で残雪上を歩いていると、この日の高温で融雪が進んだのでしょう、 押さえつけられていた樹の枝が跳ねて、眼鏡が飛ばされてしまったのです。
     このとき、いったい何が起こったのか分からず立ちすくみ、事態を理解した瞬間、「遭難」 の二文字が脳裏に浮かびました。
     ただでさえ谷の降下は危ないのに、眼鏡が無いとなると更に危険度が増します。

     「眼鏡を探し出さないと、どないもならん!」 ということで↑の残雪上で四つん這いになって必死に探し、 やっと見つけたときには眼鏡を抱きしめたくなりましたわ。
     そうこうして、何とか無事に自転車の置いてある林道まで戻って来ることができました。

     この演習で得た最も大事な教訓は、「眼鏡の予備を必ず持参」 でございました。
     そしてこの教訓を07月下旬〜08月上旬に予定している山ゴマに生かそうと思っております。
     実は今回の大多和→横岳も、谷を遡行して取り付く崖(目星をつけているのは2ヶ所)に生息しているであろう山ゴマを得んが為の演習。
     そう、最終目的は未記録地の山ゴマなのです。

     

  • 2014年06月22日

     本日、朝から雨ではありますが、対象種がキマリンなので採れない状況ではありません。 にもかかわらず今(11:00)こうしてPCに向かっているのは、諸般の事情で遠出ができないからなのです。
     まあ、すぐに帰宅できる場所ならば出かけてもよいので、午後からは近場のキマリンに行くつもりなのですが、 「探す」 というパターンではなく、「採る」 という行為になりそうなので、イマイチ…。

     ところで、前回06月19日の文章で私のムシに対する無知が明らかになってしまいました。
     何の事かと申しますと、ゲンゴロウでございます。
     わたくし、06月01日という日付で成虫のゲンゴロウは居ないと思っていたのですが、某氏から以下のご指摘を賜りました。

      「ほぼ全てのゲンゴロウ(熱帯系は除く)は成虫越冬で春から初夏産卵なので、
       バリバリ成虫期です」

    ゲンゴロウさん、成虫越冬だったのですね…、知らなんだわぁ〜。

     さて、2013年に採集・飼育した個体の標本画像をようやく撮り終えたので、恒例のランダムに詰めた標本箱を貼り付けておきましょう。

  •  ジャコウアゲハ及びその周囲のウラナミジャノメとヒメヒカゲは2012年の分なので昨年UP済みになります。
     う〜ん、せっかくの京都府産ヒメヒカゲの軟化展翅が失敗していますね。
     外した直後はこんな状態ではなかったのですが、1年後の現在、かなり狂ってしまいました。
     原因は、打った木工ボンドの過希釈だと思います。
     やっぱり慣れてないと、失敗しますな…。

     

  • 2014年06月25日

     出来れば新規開発ポイントで採りたいものではありますが、既知産地の個体であっても、 たぁーくさん手元にあると嬉しいのがキマリンでございます。
     という事で毎年この時期になると、ほとんど毎日キマリンを採るのが私の習いとなっております。
     既知ポイントならば、テリトリータイム以外の時間でもコソッと採る術を獲得(京都市周辺限定)しているので、 配達や打ち合わせの途上10分もあれば、×〜△頭は確実にネットに入れることができます。
     こうした行為の積み重ねで昨年(2013年)も、↓こんなにキマリンを採ってしまいました。

  •  翻って2014年、先週まではどーにか採っていたのですが、今週からは出掛ける事自体が叶わない状況でございます。

     

  • 2014年06月28日

     ここのところ、普段の生活も安定せず、蝶を採りに行けるような状況ではございません。
     従いましてネタは無く、2013年採集個体をランダムに詰めた標本箱の3箱目でもUPしておこうと思ったのですが、 内容をよく見ると、「これをUPするのは、もうチョッと先やな…」 という結論に達しました。

     仕方がないのでシルビアシジミの標本画像を貼り付けておきます。

  •  和歌山県産の1雌から強制採卵し、現地採取のミヤコグサを全期間与えて飼育羽化に至らしめた4雌です。
     いずれも2013年11月下旬に羽化したもので、低温期特有の青色鱗粉が発達した個体です。