2015年の近況集20

  • 2015年10月19日

     夏日で快晴だった昨日、10月18日(日)は採集・観察行動ではなく、妻なる方と一緒に奈良県で観光をしておりました。
     自営業なので定年は無いのですが、近い将来の事を見据え、行動を起こしておくべきであろうとの判断でございます。

     ということで週末のネタがございません。
     仕方がないので、2014年に採集した個体が入った標本箱を貼り付けておきます。


  •  この箱は2013年採集の個体がほとんどなのですが、2014年採集の山ゴマ数個体が隅の方に入っております。


     ↑ほとんどが、ギフとキマとビア。まっ、例年通りといったところでしょうか。
     シルビア以外のブルーシジミでは、スギタニの雌が1頭とヤクルリの雄が1頭。
     スギタニは岐阜県の廃村森茂産、ギフチョウを採りに行った折の副産物です。
     そしてヤクルリは宮崎県W山の山頂付近で採集、当家の魔法の冷蔵庫に収納し、タッパン化を試みたのですが、そのまんま変化無しでした。


     キベリタテハは富山県の見越山産、山ゴマも富山県産で大きくて青いゴマは中国地方産です。
     シルビアシジミのサイズがけっこう大きいのは低温期の個体だからで、インゲンを与えたからではありません。

     以上3箱、毎年の事ながら、内容が偏っておりますな。
     

  • 2015年10月22日


  •  今秋も各地でシルビアシジミの母蝶を採集し、強制採卵により得た卵から飼育しております。
     ご覧のように、年内羽化を期待して一日に約13時間蛍光灯の光を浴びせております。

     去年は、ほぼ同じ時期にLED電球の光を同じ時間当てて年内羽化した個体は約半分。
     残る半分は3齢(多分…)で越冬態勢に入ってしまい、翌春の羽化まで持って行けたのはこれの約1/3、 即ち3齢まで育った幼虫全体の約67%が羽化した事になります。

     越冬中の管理や、越冬後の餌の確保が面倒なので、できれば全部年内に羽化して欲しいのですが、 今年の幼虫はイマイチ食欲がなく、越冬態勢に入る気満々のように見受けられます。
     光源をLEDに変えた方が良いのかどーか?
     現在悩んでおります。
     

  • 2015年10月25日


  •  昨日、↑の本を先輩から送っていただきました。
     未だパラパラとめくっただけで、読んでいないのですが、「オオムラサキの斑紋変異と遺伝」 「ウスバシロチョウの斑紋変異」 の各章が蝶屋的には面白そうです。
     勿論、学問的な各章も興味深いのですが、読んで理解するには、現在の錆び付いたアタマに、かなりの気合を入れる必要がありそうです。
     

  • 2015年10月28日

     10月22日に 「光源をLEDに変えた方が良いのかどーか悩んでる」 と書きましたが、現在、蛍光灯2灯とLED2灯の合計4灯という構成で1日に13.5時間点灯しています。
     しかしながら、ほとんどの個体は越冬態勢に入りそうな雰囲気です。
     もっと長時間当てないといけないのかな? 今日から15時間当ててみましょう。

     さて、先ずはこの 「NPO法人 野生生物調査協会」 と 「NPO法人 Envision環境保全事務所」 が作成された シルビアシジミの都道府県別レッドリストカテゴリーの表 をご覧いただきましょう。
     突っ込みどころ満載の表ではありますが、それはひとまず置いといて、注目したのは奈良県です。ここでは 「絶滅寸前種」 と表記されているではありませんか。
     絶滅寸前という事は、未だ奈良県内の何処かに生息しているということになります。
     ならばこの絶滅寸前という表記を信じて (本当は≒100%信じていない、そもそも確実な記録があるのかどーかすら疑っている私です) 探してみましょうと、先の日曜日、10月25日は、


  • ↑の辺りからサイクリングを開始したのでした。

     ネタが無いとは言え、これで引っ張るのはあんまりかな…。
     

  • 2015年10月31日

     唐突ですが、某ブログで出題されたクイズの回答です。
     『正解者には豪華ぎふてふセットを…』 との事。
     「豪華ぎふてふセット」 は辞退させていただきますが、その内容をこれからもブログでUPしてくださいね。
     

     さて、10月25日(日)の続きです。

     探しに行くにしても、もう少しマシな場所を選ぶべきでした。
     10月18日(日)に妻なる方と一緒に行った奈良観光、そのとき近鉄電車の車窓から見えた河川堤防↓が、


  • シルビアシジミにとって良好な環境だと感じたので、ここ佐保川を選び訪問しました。
     しかしながら、あきませんな。
     佐保川と秋篠川との合流地点から、上の近鉄線交差までの左右両岸堤防は、耕作地側斜面に若干の良好な草原環境があったのですが、 そこにシルビアシジミの食草になり得る植物としてシロツメグサとヤハズソウは生えていたものの、ミヤコグサは全く確認できませんでした。

     近鉄線交差を越え、さらに下流方向へ進行し、最終的には、


    ↑の大和川合流点まで行ってみたのですが、左岸右岸共にミヤコグサを確認できた堤防斜面草原は皆無で、 もちろんシルビアシジミも見られませんでした。

     それにしても奈良県のシルビアシジミって、いったい何処で記録されていたのでしょうか?
     今回訪れた大和川水系以外で土手ビアの可能性があるのは吉野川の右岸ぐらいしかありません。けれども地形図等を見る限りにおいて、 この吉野川右岸には良好な環境が見出せません。
     一方、畦ビアの環境として、1961年〜1964年の航空写真を見ると、木津川の支流である山田川と山松川の上流に多くの棚田が展開しています。
     実際、近年でも京都府側の山田川上流にある耕作地周辺斜面でミヤコグサを確認しているので、1960年代であれば奈良県側でもミヤコグサが生えていたことでしょう。
     ところが現在では、この地域のほとんどが宅地化され、この棚田が完全にと言っても差しつかえない程に消滅しています。
     奈良県内における過去のシルビアシジミの記録がこの地域だったかどうかは分かりませんが、少なくともこの地域では現在絶滅と言ってもよいでしょう。
     それにしても奈良県のシルビアシジミ、標本だけでも一度見てみたいものです。
     

  • 2015年11月03日


  •  一昨日、11月01日(日)は↑の淀川右岸でウロウロしておりました。

     この画像は阪急十三駅の南、京都線神戸線と淀川が交差する辺りです。
     10月上旬にここでツマグロキチョウが観察されたと某ブログに出ていたので、阪急電車に乗って訪れてみました。

     堤防斜面はツルツルに草刈りされ、「この状態では、まず居らんやろ…」 とは思ったのですが、 せっかくなので新御堂筋と交差する辺りまで歩いてみました。
     しかしながら、やっぱり、ツマグロキチョウさんは全く飛んでおりません。
     今頃来ても、 「遅いわ!」 ということなのでしょう。

     大阪府大阪市淀川区ラベルのツマグロキチョウ、良いラベルなので、けっこう採りたかったな…。