2018年の近況集21

  • 2018年12月08日

     さぶい! やっと12月らしい寒さになりましたね。
     売り上げは悪いし、寒いし、すぐに暗くなるしで気分は下がる一方です。
     こんな状況ですから、もちろん新ネタはございません。
     なので、今日もナフタリン交換時に撮った箱ネタです。

  •  全て石川県の低山地産のギフチョウ、まあ、多産地のギフですな。

     お顔についてはご覧のようにごく普通なので、これといって書くようなことはございません。
     ただ、生息環境がちょっとおもしろかった。
     低山地のポイントといえば雑木林やスギ等が植林されて間もない斜面が定番なのですが、この個体を採った場所は手入れの行き届いた竹林。
     そう、まさかの竹林ですわ。
     意外な環境だったにもかかわらず個体数が多い上に適度な空間があるので、採り易かった事を憶えています。

     

  • 2018年12月11日

     冬至へ向かうこの時期、テンションは低くなる一方で当然のことながら新しいネタはございません。
     従いまして今日も先日のナフタリン交換時に撮影した標本箱からのお話しです。

  •  シロチョウ科でサイズがチョッと大きい蝶をまとめた標本箱ですな。
     これらは皆、生息している場所に行けば採るのは難しくない種類ばかり、これといって珍しい種類は入っておりません。
     なので、「ここにウダウダとつまらん文章を書けるようなモノがあらへんなぁ〜」 と一瞬途方に暮れたのですが、コレ↓がありました。

     ヤマキチョウ雄、写し込んだラベルがエエかげんなので補足しておくと、産地は山梨県北巨摩郡長坂町(現北杜市長坂町)小荒間国鉄甲斐小泉駅付近で 日付は1974年07月27日、採集者はもちろん私(西口隆)でございます。
     なにぶん44年も前のことなので、この日付だったのかどうかは定かではありませんが、 同行者であるところの某氏の甲斐小泉駅での行動が、強烈な印象で残っているのでこの個体をチョイスしました。
     当時、高校生ですから勿論クルマでの採集行は無理。国鉄の信州ワイド周遊券を握りしめ、小海線清里駅付近にあった清里YHを拠点に採集を楽しんでおりました。
     周遊券を持っておりますから現地で国鉄には乗り放題だったので日野春や小海線の各駅まで列車で行き、そこから徒歩で採集するというやり方でした。

     このヤマキチョウを採った日はかなり暑かったと記憶しております。暑い中の採集でしたから、当然喉が渇いております。
     駅近くにあった酒屋さんに設置してあった自動販売機から飲料を購入し、喉をうるおすのは当然の成り行きでございます。
     もちろん私はジュースの自動販売機へ向かった訳ですが、同行の某氏は少し離れたところにある☆印が印象的な自動販売機に対峙したかと思うと躊躇なくコインを投入。 吐き出された缶のプルタブ(当時は押し込むタイプではなかった)を引き抜き、麦の炭酸飲料を一気に胃の腑へと流し込まれたのでした。
     私といえば、ジュースを飲みながら、ただ唖然と眺めているのみ…。

     その後、甲斐小泉駅の駅舎へと向かい二人して列車を待っておったのですが、麦の炭酸飲料一気飲みのせいで気分が高揚したのでしょうか、 突然立ち上がった某氏は三角缶から三角紙を大量に取り出すと、駅に置いてあった記念スタンプをペタペタと押し始めたのです。
     十数枚押した頃でしょうか、 「う〜ん、擦れて滲むなぁ…。これは乾かさなアカン」 と言いつつ駅舎から飛び出し、駅前広場に並べ始めたのです。
     しかしながら屋外ですから、風が吹けば三角紙は当然飛びます。そう次から次へと飛んで行くのです。
     某氏は必死でこれを追い掛け拾い集めます。
     なんとか拾い集めて戻ってきたので、もう諦めて三角缶に戻すのだろうと思って眺めていたのですが、またしても並べ始めます。
     けれども今度は一緒に拾ってきた小石を三角紙の上に置き、 「こーしたら、飛ばへんもーん」 と言った時の彼の笑顔が忘れられません。

     

  • 2018年12月14日

     わたくし、 [ふしみやDB] に標本画像を取り込むために、年間1000ショット以上の標本撮影をしております。
     そして、その撮影に使っていた機材はコレ↓。

  •  デジカメ本体は2005年に購入、受光素子は610万画素のCCDセンサーでレンズが対応していればAFも可能。
     レンズは推定1960年代後半製造のM42スクリューマウントのマクロレンズ↓です。

     デジタル一眼とは言え13年前のカメラと約50年前の銀塩用レンズ、これら骨董品のような機材で写した割にはそこそこのレベルで撮れていたと自負しておるのですが、 この撮影作業がかなり辛くなってきたのですよ。
     どんな撮影作業をしていたのかというと、約50年前のスクリューマウントのレンズにマウントアダプターを介してカメラに装着しているが為に、 シャッターレリーズの完全自動絞り機能が遮断されてしまったので、絞り開放にして手動でピントを合わせ、絞りリングで設定した絞り値にレバーで絞り込んでからシャッターを切り、 さらに次の標本にピントを合わせるためにレバーで絞りを開放するという完全なマニュアル撮影の繰り返しだったのです。
     こんな操作手順だったので撮影に時間がかかる上に、このマクロレンズの開放F値が4.0と暗く、老眼の進んだ目でマニュアルフォーカスするのが難しくなってきたのです。
     そこで、せっかくカメラ側にAFの機能が付いているのだから、AF対応のマクロレンズで撮影すれば 「撮影がかなり楽になるだろうなっ」 と思ったんですよねぇ…。