2019年の近況集16

  • 2019年08月25日

     08月18日の金草岳のお話が中途半端になっておりますが、ここで山ギフや山ゴマ等の採集にともない、国立公園内の高山帯に近い所で行動する場合、 必ず持って行くクリアホルダーの内容物を貼っておきましょう。

  •  ↑のテキストペーパーは月刊むし469号に掲載された 「昆虫の研究者や愛好家のための法令ガイド」 です。
     そして地図は 「白山国立公園区域及び公園計画図」 です。この地図で【公園区域】内の保護レベル、即ち、
     【特別保護地区】:昆虫採集禁止区域
     【第1種特別地域】:昆虫の採集は可能
     【第2種特別地域】:昆虫の採集は可能
     【第3種特別地域】:昆虫の採集は可能
    が、色分けして示されています。

     発行元は、↑ご覧のように環境省。
     環境省のWEBページからPDFファイルをダウンロードし、近所のコンビニにあるカラーレーザープリンターでA3用紙に印刷しました。

     これらのペーパーをクリアホルダーにまとめてリュックの背中側に入れ、動画モードにダイアルをセットしたコンデジをベルトに差して歩いております。
     これは、いわれなき差別というか非難を受けた時、お互い冷静にお話しするための参考資料として、相手にお示しするためです。
     もっとも、動画モードのコンデジは、「何か言ってくるかも?」 と推定される人が声を掛けてきた瞬間から、起動するつもりなんですが…。

     このように、けっこう構えて採集行動をしておるのですが、山ギフや山ゴマを対象にやっているとき、これまで一度もそのような事態に陥ったことはございません。
     これは、「まさかそんな所にヒトが居るとは思えない」 というような場所でゴソゴソしている事が多いからなのでしょう 。

     

  • 2019年08月28日

  •  2019年08月18日に撮影した金草岳山頂直下、岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧藤橋村)側の斜面↑です。
     この草原内にはカライトソウが生えるべき場所に生えております。
     その上、晴天で微風。山ゴマの採集には申し分のないお天気です。
     なので今日は、当斜面に山ゴマが生息しているものであれば、必ずや1頭や2頭は視界に飛び込んで来るべき状況なのですが、まーったく見られません。

     ズルズルと足下の定まらない急斜面を、時には四つん這いになりながら移動してみても、なーんにも飛ばんのですわ。
     この斜面、遠くからの見た目はけっこう良い環境だったのですが、実際斜面に取りついてみると草原の雰囲気が乾燥気味、もう少し湿り気が欲しいところです。
     カライトソウは生えているんですがねぇ…。

     

  • 2019年08月31日

     金草岳は2017年08月06日にも訪れているので、2019年08月18日は2回目の訪問でした。
     2017年の訪問時は天候がイマイチだったので、生息していたとしても飛ぶかどーかは微妙な状況。なので今回の再訪となった訳です。
     で、今回のような好条件の日だったにもかかわらず全く見られなかったことから 「ここには生息していない」 と判断し、 山名を出した訳ですが、確実に居ないとは言い切れないのが山ゴマでございます。

  •  登山道の山頂手前標高1200mのコブから北方に伸びる尾根、その東側斜面(赤の矢印で示した辺り)が、 遠くから見る限りけっこう美味しそうなのです。
     「そこが、ポイントでっせ」 と、事前に教えられていれば何としてでもそこへ辿り着くと思います。
     けれども、居るか居ないか判らない状況で、藪を漕ぎ危険を顧みずに斜面に取り付くといった行動を起こすには、 強固な意志と体力の余裕が必要なんですよねー。

     あと何年やれるのだろうか?

     

  • 2019年09月03日

     一昨日の日曜日、09月01日は京都府南部でウラナミジャノメ探し。特にこれまで採ったことのない I 町を第一の目標として重点的に探索しておりました。
     民家が点在する山際の耕作地周辺や、ため池周辺、それに旧 Y 町内にある I 町の飛び地にも赴き探したのですが、居らんもんですなー。
     完封のnullを食らってしまいました。

     軽トラで I 町を走り回った後、地形図には道路として示されていない道(点線で描かれていた)を下ってみると、 旧 Y 町の有名ポイントを経由して20年ほど前に本種を採ったことのある

  • 旧 Y 町のポイント↑に行き着いたので、今でも生息しているのかどーか確かめてみたところ全く見られません。
     当時は上部にあるため池に通じる道路が見えおり、その周辺で多くの個体が見られたのですが、 今では道路が埋もれてしまうほどの雑植生の繁茂で生息環境が消滅してしまったようです。

     同じく旧 Y 町の太陽光パネルが設置↑されている場所も過去には本種が見られたのですが、こうなってしまうと絶滅です。

     ウラナミジャノメって地味で目立たないうえに普通種のヒメウラナミジャノメと紛らわしいし、 一般の方から見れば 「コレ、蛾でしょ」 といった感想しか返って来ないような蝶ですから、 何ら顧みられることなく、これからも生息地がどんどん消えていくんでしょうね。

     

  • 2019年09月06日

     09月01日(日)のウラナミジャノメ探索、主たる目的である I 町での新産地開発は不発に終わり、旧 Y 町の過去に生息していたポイントでも全く見られなかったことから、 「そんなハズはないと思うが、もしかして未発生かも」 と心配になったので、生息環境が安定している旧 K 町の既知ポイントに行ってみると、 ちょうど適期といった雰囲気で発生しておりました。
     「時期はOKなんや」 と安心したので、もう一度 I 町に戻って探索してみたのですが完封のnull。
     本種の気持ちを理解するには、まだまだ修行が足りないようです。

      I 町での探索を諦めた後、帰り道にある J 市の既知ポイント2ヵ所に立ち寄り、それぞれ少しずつ採集。
     その後、近所にある U 市の既知ポイント2ヵ所↓にも訪れてみたのですが、こちらでは全く見られませんでした。

  •  ここ↑で採った頃は公園という表示はあったものの、3mぐらいのクロマツがまばらに生える荒地といった風情でした。
     こんな風に整備されてしまうと、居なくなるのも当然ですな。

     ここ↑は黄色いバリカー (車止めポール) の向こうがポイントでした。
     採集した当時はこんなに雑植生が繁茂しておらず地表が見えており、木本もここまで大きくなかったと記憶しております。
     ウラナミジャノメの生息地を維持するには、適度な草刈りが必要のようですね。

     

  • 2019年09月09日

     昨日の日曜日、09月08日は今年最後のウラナミジャノメ探しで、またしても京都府南部に行っておりました。
     定番の山際にある耕作地周辺を攻めてみたものの、ことごとくヒメウラナミジャノメしかおりません。
      「きっと、ワシにはセンスが無いんやろ…」
    と水を飲みながらボーっと山並みを眺めていたところ、「必ず刈り込まれているあの広場周辺は発生地になり得るのかもしれない」 と思い、登ってみたのがココ↓。

  •  送電鉄塔の下部って、ギフチョウだけじゃなくウラナミジャノメも居るんですね。
     初めての経験、勉強になりました。