2020年の近況集17

  • 2020年09月27日

     先週の種子島ツアー、今日も蝶のお話は出てきません。
     

     09月25日付けの文章で 「らくめぐり」 という単語が出ていましたが、それは、

  • こういう↑事だったのです。
     こんなキャンペーンがあるなんて知らずに訪れたので、とっても得した気分になりました。
     このキャンペーン、コロナ禍のせいで今年から始まったんだと思っていましたが、先ほど調べてみると2017年からの開始で毎年09月にやっているようです。
     ならば、奄美も鹿児島県なので、来年の09月は奄美方面へ行きましょうか。

     ↑が今回2泊した南種子町のホテル、「観光ホテル 南荘」 と看板にありますが、シングルルームはビジネスホテルといった風情でした。

     ↑が1日目、09月20日の夕食。一人鍋のお肉は和牛でとっても美味しゅうございました。
     もちろん、ご飯ものは画像の細巻き寿司だけではなく、白ご飯もいただきました。

     2日目の夕食は↑。
     09月20日の夕食がけっこう豪華だった分、少し寂しい感はありますが、2食付きで ¥5194(Go To トラベル適用済み)のビジネスプランですから、 その割には良い内容だと思います。
     因みに両日共に供されたゴマ粒入りの赤蒲鉾のようなものはドラゴンフルーツ、種子島ではけっこう栽培されているようです。
     

  • 2020年09月30日

     今回の種子島、主たる目的種はシルビアシジミでございました。

     学研の標準図鑑等、各文献には本種が種子島に分布していることになっているのですが、実際採集されているのはごく少数で、 1980年代を最後に以降の記録は無いようです。(シルビアシジミの珠玉本を持ってないので、この本にはどのように記されているのか知らないのですが…)
     で、その過去に採集されたシルビアシジミというのは、疑い過ぎかもしれませんが、 Zizina emelina (シルビアシジミ)なのか、 それとも Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)なのかハッキリしませんよね。
     というのは、屋久島で Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)が最近記録されている事と、大隅半島で Zizina emelina (シルビアシジミ) を探した経験(ミヤコグサは生えているのに、ことごとく居らんのよ)から、過去に種子島で記録された所謂 『シルビアシジミ』 は Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)である可能性が高いと考えられます。
     従いまして、探索の目印となる植物は Zizina emelina (シルビアシジミ)の可能性も排除しないので、 ミヤコグサ、ヤハズソウ、メドハギ、コメツブウマゴヤシ等多岐にわたります。
     こうなると、探索対象範囲は至る所となってしまう訳ですが、実際行ってみると、
      種子島には良い土手を有するような川が無い。
      そもそも、ほとんど稲作が行われていないので良い畦が無い。
      公園やグランドのシバは、何処でも雑草の侵入を許すものか!という気合で手入れされている。
     これらの理由で、探すべき場所が案外少なかったのです。
     

  • 2020年10月03日

     シルビアシジミのポイントといえば、「何と言っても空港である!」 と信じ込んでいる私は、Google の空撮画像で、

  • ↑の旧種子島空港付近の草原を見た瞬間、種子島ラベルのシルビアシジミ、採れたも同然と思ったのでありました。

     前日の09月20日はレンタカーを借りた後、2時間程だけ曇りで以降はずーっと雨。翌09月21日も朝の間は小雨まじりの明るい曇り、 ようやく晴れてきたお昼前に旧種子島空港へと到着。
     気合を入れて歩き回ったんだけれども、あきまへんでしたわ。
     遠目には良好な草原状態に見えたのですが、実際、そこではシルビアシジミの食草になり得る植物は確認できず、もちろんシルビアシジミもおりません。
     結局そこは、1頭の蝶も見られないアカン草原でございました。
     もしかすると、ワンツも居るような草原なんじゃないかと思ってたんですけどねぇ…。

     その後、中種子町内にあった、

    多くのヤハズソウが生える空き地↑で探してみたのですが、シジミチョウ科の蝶は1頭たりとも見られず、 ここ種子島では一応迷蝶扱いになるのであろうアオタテハモドキが1雄1雌飛び回っておりました。採らなかったけど…。
     いや、正直に申しますと採れなかったのです。
     「採るぞ」 と殺気を放つと、見透かしたようにツィーーと遠くへ飛んで行き、「まぁ、ええか」 とクルマに乗り込もうとすると戻って来て私の周囲を飛び回る…。
     こんな事を3回も繰り返したので、「もー、採ってやらん!」 と捨て台詞を吐いて次へと向かったのでありました。
     

  • 2020年10月06日

     前々回、「大隅半島で Zizina emelina (シルビアシジミ) を探すと、ミヤコグサは生えているのに、ことごとく居らん」 と書きましたが、 正確には、「鹿屋市と肝属郡肝付町では採集できたのだが、肝属郡錦江町と肝属郡南大隅町では良好な生息環境にミヤコグサが生えていても、 Zizina emelina (シルビアシジミ) は、ことごとく居なかった」 という表現になります。
     このことから、あくまでも私見ですが Zizina emelina (シルビアシジミ) の分布南限は肝属川の流域までであって、 これより南に本種は分布しておらず、種子島で過去に採れた所謂 『シルビアシジミ』 は、迷蝶由来の Zizina otis (ヒメシルビアシジミ) だったのではないだろうか? と私は疑っているのです。

     それはさておき、今回の種子島ツアーでは、

  • ↑のミヤコグサが生える草原や、

    沖縄県なら Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)が居そうな↑のシバ草原などなど、 種子島内の各所で探してみたのですが、結局、 『シルビアシジミ』 は確認することができませんでした。

     過去の種子島産 『シルビアシジミ』 って、実際はどっちだったんでしょうねぇ。
     その標本を見てみたいものです。
     

  • 2020年10月09日

     種子島で過去に記録されたシルビアシジミの件です。
     「過去の記録は、迷蝶由来の Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)だったのではないだろうか?」と疑っていた私ですが、 昨日、この疑問が氷解しました。

     DUBCの先輩であるところのHa先輩が、「後輩のふしみや君が、種子島のシルビアシジミについて、気になってるみたいなんだけど…」 と NRCのHさんにお話しされたところ、私が読みたかった 「1980年代の3雌」 という記録が載っている原を 送っていただきました。
     Ha先輩、Hさん、ありがとうございました。

     この 2016, June SATSUMA(156)p.46 大坪 修一氏の報文によると、種子島で採集されたシルビアシジミは間違いなく Zizina emelina (シルビアシジミ) だった事と、 種子島ではこれまでに1982年07月26日に大坪 修一氏が採集された3雌を含め、結局全部で2雄4雌しか採集されてないという事がわかりました。
     過去に採集された種子島のシルビアシジミって、迷蝶由来の Zizina otis (ヒメシルビアシジミ)ではないか? と疑った私は恥じ入るばかりでございます。
     エエかげんな事を書いてしまい、申し訳ございませんでした。