2020年の近況集21

  • 2020年12月01日

     某掲示板をのぞいてみると、柄付き針の画像が貼り付けてありました。
     その柄付き針は、なんと! マッチ棒に瞬間接着剤と糸で針をセットした代物でございました。
     この画像を見た瞬間、「あんたは、ゲルギエフかっ!」 という言葉を思わず呟いてしまいました。
     ということで、私も柄付き針の画像を貼り付けておきましょう。

  •  ↑の8本の内、1〜7までがいつもの展翅で使っている柄付き針で、8は標本修理時のボンド付け用です。
     私の場合、柄の部分はマッチ棒ではなく割り箸を削ったもので、針 or 釘は柄の端部に突き刺しております。
     因みに背景に写っているマス目が10ミリ角なので、柄の長さは約8センチとなっております。

     こんなネタで引っ張るのも、どーかと思いますが、展翅時におけるこれら7本の柄付き針の使用方法は次回とさせていただきます。
     

  • 2020年12月04日

  •  再掲載になりますが、前回貼り付けた柄付き針の画像↑です。

     その使用方法、最初は7番です。
     こんな太い釘を割り箸にセットして、いったい何に使うのだろうかと疑問に思われたでしょうが、 これはクサビの移動用、以下その解説です。

     展翅版って、0号1号2号の細いところでは握ったときに剛性不足で中央の溝巾が微妙に狭くなってしまいます。 極端に表現すると展翅板を真上から見たとき「鼓」の形状になり、握りを放すと元の形状に戻ります。
     展翅中にはこの「鼓形状」と「元形状」が何度も繰り返されるので、せっかくキレイに展翅した個体が狂ってしまうのです。
     それを防止するために、木で作ったクサビ↓を

    展翅板の溝の中央部分に嵌め込んで↓剛性を高めてから展翅作業をしております。

     元々、展翅を始めるときには中央部分にクサビを嵌め込んでいるのですが、数をこなしていくうちに貼り付けた個体の位置がクサビに近づいてまいります。 この時にクサビの位置を微妙に動かす必要があり、ここで7の「柄付き」の登場となる訳です。
     このクサビは溝に対してかなりタイトに嵌め込まれているので、やや力を入れないと移動できなのでこのような「柄付き」を使用しております。

     因みにスライスしたシーリング用バックアップ材(元々は200m巻きのロール、伏見屋金物店では1m当り28円で販売中)は、

    ↑ご覧のように、展翅板の溝巾に合わせたものを腹部持ち上げ用に、薄くスライスしたものは腹部が真っ直ぐになるよう左右に嵌め込んでおきます。
     このシーリング用バックアップ材を溝に嵌め込み(このときはピンセット使用)、これを腹部の下まで押し込み持ち上げるときに使用する柄付き針が 4番と5番、溝巾によって使い分けています。
     また、4番は溝に落ち込んだ触角を引っ張り出すときにも重宝しております。
     

  • 2020年12月07日

     トップは[最近のふしみや]というタイトルなので昨日の行動を書いておきますと、

  • 抽選に当ったので、妻なる方と一緒に↑のイベントが行われた京都コンサートホールへ行ってきました。という事になります。
     因みにこの画像、スマホで撮った .mp4 動画から切り出した .bmp ファイルを .jpg 保存したものですが、アカンの画質ですな。

     …って、こんなことを書いているぐらいですから蝶ネタが無いんですよねー。
     仕方なく柄付き針の続きです。

     1号無頭針を曲げ加工無しで取り付けた6番は、しわしわになった前翅を伸ばすのに使用しています。
     特にギフチョウなんかでは三角紙の中で前翅がしわしわになってしまった個体がありますよね。
     こんな個体の場合、先に前後翅共に整えた後、触角を整形する前に展翅板と前翅の間にこの6番の針を滑り込ませ、 この柄付き針を回転させながら上部に摺り上げ伸ばしております。このとき、左手には3番の柄付き針を持ち、 同時に展翅テープの上からなぞるようにアシストしております。

     残った1番と2番はどちらも触角整形用。
     1番は展翅テープでゆるく押えた触角の真ん中あたりを突くようにしながら上部に引っぱり上げるときに使い、 2番はその触角を真っ直ぐにするときに使うものなのですが、こんな説明ではどんな風に使っているかわかりませんよね。
     動画で説明するのが一番なのですが、今は展翅する蝶が無いので、来年の4月頃にギフチョウを採集したら展翅動画を撮ってUPしようかと思っています。
     まあ、憶えていたら…、の話しなんですが。
     

  • 2020年12月11日

  •  京都市上京区ラベルのクロマダラソテツシジミ、一昨日から羽化が始まりました。
     現状、8個体羽化したのですが、その内翅が全く伸びないのが2雌(たぶん…)、前翅は伸びたんだけど後翅に不全があるのが1雄、 他の5個体は正常といったところです。

     このように、飼育個体の羽化が始まったことから、野外の個体も羽化しているのではないかと思い、幼虫を採集したお寺↑を訪れてみました。
     今日は好天で、気温も15℃程度はあったので羽化した成虫がこのソテツに静止してるのではないか? と期待して丁寧に探してみたのですが成虫は1頭も見られず、 終齢幼虫を1個体確認したのみでございました。

     来週は寒波が来るという予報なので、この終齢幼虫も蛹化は難しいだろうし、既に蛹化している個体の羽化も望み薄でしょうね。