サントリー武蔵野ビール工場見学記

 1992年、サッポロビール千葉工場。

 1993年、アサヒビール茨城工場。

 2003年、キリンビール横浜工場。

 今までに国内大手4メーカーのうち、三つの工場には見学に行ったことがあった。

 後は、サントリーの工場に行けば、4大メーカー制覇・グランドスラムの達成だ。

 という訳で、荒井由美の「中央フリーウェイ」でもおなじみのサントリー武蔵野ビール工場に行ってきた。


 

 京王線「分倍河原駅」の駅前ロータリーから、テレビCMで見たことがある(ような気がする)ビール工場行きのシャトルバスが定期運行をしていて、5分程度で工場まで運んでくれる。

 

 工場に着くと、入り口付近で順番待ちの待機をする。

 入り口近くには売店があり、そこでは冷えたビールも置いている。我々一行は「ウェルカムドリンクにモルツを出さんかい!」とわめくが、当然のことながら黙殺される。

 

 工場内はきれいなおねえさんが案内をしてくれる。実際に原料の麦芽を食べさせてくれたり、ホップペレットの香りをかがせてくれたりと、貴重な経験もできる。

 ただ、工場の内部には入れないし、タンクの中も見られないので、基本的には説明はVTRを使ったものが中心となる。

 

 マイクロフィルターの説明をしているところ。

 「雑味を取るために酵母を取り除きます」と説明してくれるんだが、「そりゃあ違うだろ」と我々一行はつぶやく。

 酵母を取り除くのは主として保存性の問題なのだ。従って、熱処理でもいいわけだし、生きた酵母が入っていたって雑味のないビールだってちゃんとある。

 もっともこのおねえさんにそんなこと言っても、困らせるだけなので黙っていたけど。

 

 行ったのが土曜日だったためか、工場のラインの殆どは可動していなかった。

 初めてサッポロビール千葉工場に行った時には、高速で流れながらどんどん生産されていくビールに感動したのだが、今回はそれが見られず残念。

 

 さて、工場見学の最後はお待ちかねの試飲だ。

 はっきり言ってこれがなかったら見学には来ることはなかったであろう(!?)。

 

 最初はこの工場で作られている丹沢水系のモルツが出される。この武蔵野工場はこの水を使いたいからこそ、この土地に工場を作ったのだとか。

 工場で出されるビールは輸送経路を経ていないので、新鮮で美味しい。

 ささやかながらつまみもつく。

 試飲会場は、窓から明るい光が入る清潔で洒落た雰囲気の場所で、まるでちょっとしたレストランのよう。思わずメニューを探してつまみを注文したくなってしまう。

 

 続いて丹沢水系・赤城山水系・天王山京都西山水系・南阿蘇外輪山水系と、4水系のモルツが出された。

 ただし、350ml缶4本を5〜6人で分けるので、一人一口くらいずつしか味見できず、その程度の分量ではなかなか違いはわからない。

 

 最後には「モンドセレクション」で金賞を受賞した「ザ・プレミアムモルツ」がふるまわれた。

 

 混雑時には事前予約が必要だが、これだけ楽しめて無料というはこたえられない。ビール工場見学は楽し! である。

 もっともどこも場所がちと遠いのが難だが。

 


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