「コクがあるのにキレがある」というあまりにも有名なキャッチコピーで売り出した、アサヒのリニューアル生。現在もスーパードライで使われている「Asahi」の独特のロゴはこのビールから使われ始めた。
それまでの不評だったアサヒの生から一転、味をしっかりさせつつしかも飲みやすい、文字通りコクとキレを兼ね備えたいい出来のビールだった。日本一のビール注ぎの名人、故・新井徳司氏の店で出されていたのもこのアサヒ生であった。氏は生前、スーパードライがヒットした時も、アサヒに「このビールを造るのを辞めたらアサヒを置くのを辞める」と公言していたほどである。
しかし、やがてはこのアサヒ生もスーパードライや発泡酒に押されて、生産を中止する。
新井氏の直弟子、松尾光平氏の「ビアライゼ98」では現在もアサヒの生を出しているが、これはアサヒに特別注文して作らせているのだという。