「この味がビールの流れを変えた」という有名なキャッチコピーは決して誇張ではない。

 なにしろ倒産寸前だったアサヒが、このビールのヒットによって起死回生の復活を果たしただけではなく、ラガーのシェアを抜き、遂にはキリンそのもののシェアで抜くまでに至るのだから。

 それだけではない。それまでは一社一銘柄の時代がずっと続いていたのが、このスーパードライのヒットによって、各社が新しいビールを積極的に開発するようになったのだから、これはまさに歴史的転換と言ってよい。

 スーパードライのヒットによって発生した「ドライブーム」によって、一時はどこへ行ってもドライ一辺倒になってしまったためか、その反発からこのビールのことを否定的に言う人も少なくない。

 しかし、ビールの中の一つのジャンル、一つの選択肢として考えれば、これはこれでよく出来たビールなのである。

 何しろ、世界最大のビール会社であるアンホイザー・ブッシュ社(バドワイザーのメーカー)にまで「バド・ドライ」なる商品を作らせたほどなのだから。

 

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