「スーパーイースト」が大きなヒットに結びつかなかっただけではなく、王者キリンが「一番搾り」を大ヒットさせて猛然と巻き返しを図る中、アサヒがそれに対抗すべく投入した自信作がこの「Z」である。アルファベットのZを用いたのは究極の味を意味していたとか。

 上面発酵酵母を使用、華やかな香りとキレ味を追及、一説によると初年度の販売目標は3000万ケースであったとか。

 ちなみに前年度の大ヒット「一番搾り」が3750万ケース、スーパードライですら初年度1350万ケースだったのだから、その自信のほどがうかがえる。

 が、実際飲んでみると、確かにキレ味はあるが、それだけのビールで、上面発酵の華やかな香りとは縁遠いものであった。

 「びいるじゃあなる」主催のビール飲み比べで、外国産の上面発酵ビールと比較してみても、その香りの差は歴然としていて、なんのための上面発酵酵母なのかと思わせた。

 そういう訳で、結局メーカーの思惑通りのヒットには結びつかずに終わった商品である。

 

   略年譜へ戻る     トップページへ戻る