注文数に合わせて限定醸造、工場出荷から3日以内に酒屋に届けます、というのを売りにしていたビール。したがって、ケース単位での事前予約が必要だった。しかし、こまごまとした注文数をその都度まとめてビールを仕込んでいたとは信じ難い。ある程度数を見越して製造し、注文に合わせて発送していたんじゃないかと思う。
確かにこのシステムで最初に飲んだビールは美味しかった。鮮度からくる香りの良さも秀逸で、普通のキリンドラフトをグレードアップしたような味わいであった。
が、翌年にはいきなり店頭で売られるようになっていた(笑)。さらにまたその翌年には商品名から「できたて出荷」の文字も消えた。それじゃあ普通のビールと変わらないじゃん。
その後、アサヒが導入した「フレッシュマネジメント」などによる、流通経路の大幅な改善によって、工場出荷から小売店納入までの日数が飛躍的に改善されていくと、この「ビール工場」は存在意義を失ってしまい、その姿を消すことになる。