麦芽100%ビールは、老舗のヱビスを作っていたサッポロが1985年に「ネクストワン」を投入。一方サントリーも「モルツ」を発表、日本にオールモルトビールという新しい市場が生まれつつあった。
国内向けに麦芽100%ビールを造っていなかったキリンは、西ドイツ(当時は東西冷戦中)向けの輸出ビールを国内に踏み切る。それがこのエクスポートだった。ドイツにはビール純粋令(ビールには水・麦芽・ホップ・酵母以外を使用してはならないという法律。さすがドイツだ)があるので、エクスポートは麦芽100%だったのである。
さすがに本場に輸出するだけあってホップの利いた本格的なピルスナータイプの味で、どこか異国情緒を味わえる点でも楽しいビールだった。