1988年からのキリンの新製品ラッシュはどれもパッしなかったのだが、一段落おいたその後に発表したこのビールは大ヒットし、スーパードライの快進撃にストップをかけた。
麦芽を煮沸した液から麦汁をとる際、通常のビールだと最初に自然濾過してとった麦汁と、更に麦芽にシャワーをかけて搾りとった麦汁とを混ぜて用いるが、この一番搾りでは最初に濾過した濃い麦汁のみを用いて作った、というのがウリだった。
そのためかアルコール度数も5.5度と高めで、飲んでみると確かに麦汁の濃さを感じさせるコクがあるのに、しかも後口はすっきりとしている良い出来のビールだった。
一番麦汁のみを使って二番麦汁を使わないと、当然コストアップにつながると思うのだが、キリンによると「企業努力」だとか。
その後時流に合わせてか、軽い味にシフトしてしまったようで、発売当初のようなコクは今の一番搾りでは味わえなくなってしまったのが残念である。
と思っていたら、2004年3月に味をリニューアル。発売当初の美味しさが帰ってきたようでうれしい限りである。