「限定醸造」と銘打って発売されたこのビールは味は確かに悪くなかった。けっこうしっかりした味わいは好感の持てるものであった。「限定」ということであわてて買い求めた人も少なくはなかったろう。しかしこのビール、いつまでも店頭から消えなかった。いぶかしく思った「びいるじゃあなる」編集部がサッポロに問い合わせたところ、「あれは北海道産の原料に“限定”して醸造したという意味です」との返事がかえってきた。ホントかよ。なんかムリがあるんじゃないか。
そのうち「限定醸造」の文字は「北海道産ビール麦使用」に変わった。
そしていつの間にかその文字すらなくなってしまった。
ビールの味そのものもそれにつれて何の面白みもない凡庸な味となっていった。
最初の段階できっぱり限定生産として売り切って終わりにしていれば歴史に名を残すビールとなったであろう。まあメーカーとしては歴史に名を残してもしょうがないんだろうけど。