82 ALE HOUSE
錦糸町のロッテ会館と言えば、ボーリング場や結婚式場などの入った複合施設であったが、建物の老朽化のため、惜しまれつつ2007年に閉館。建物も解体されてしまった。屋上にはビヤガーデンもあって、かつてそこへ足を運んだこともあるので、何とも感慨深い。
さてその跡地に、この春四月より新たにがオープンしたのがロッテシティである。
この建物の前を先日通りかかったのだが、何と、地下1階に「HUB」、4階に「82ALE HOUSE」と英国風のパブが2件も営業していることを知った(後で調べてわかったのだが、この2件の経営母体は一緒だった)。
早速入ってみようと思い、最初地下1階の「HUB」の方に行ったのだが、満席で行列の順番待ち。仕方なく4階へ。ここもかなりの混雑ではあったのだけれども、なんとか入れた。ゴールデンウィーク中だったとはいえ、英国風のパブがこれだけにぎわっている、というのは何とも嬉しい話である。ビール文化はゆっくりではあるけれど、徐々にその裾野を日本に広げつつあるのかもしれない。
さて、この店は「キャッシュ・オン・デリバリー」システムをとっているとのこと。早い話が、飲み物や食べ物はすべてレジカウンターまで行ってその都度現金で清算して注文するというもの。いちいちカウンターまで出向くのは面倒ではあるが、呼んでもなかなかウェイターが来ない店も多いので、その点では確実にすぐ注文できる点で、一長一短か。
さて、英国風パブと言えばやはりエール。
この店でもギネスやバスペールエールといった定番のエールを置いている他、82リアルエールという、イギリス産のケントゴールディングスホップとクリスタルホップを使用した酵母無濾過の英国伝統の本格エールを置いている。また、その他にゲストビールというのもあり、行った時にはフラーズ社のインディア・ペールエール(通は「IPA」と言う)を置いていた。そして、何故か日本の一番搾りも置いている。1パイント(568ml)の値段は以下の通り。
一番搾り…………………650円 82リアルエール………900円 バスペールエール………900円 ギネススタウト…………900円 ブラック&タン…………900円(ギネスとバスのハーフ&ハーフ) フラーズIPA………1,000円 |
日本のプロセスビールに比べるとリアルエールは確かに値段は高めだが、値段の違いを納得させてくれる味である。
この店、嬉しいことにリアルエールはキンキンに冷やさずに、エールの美味しさを堪能できるように高めの温度でサーブしてくれる。
つまみは一口フィッシュ&チップス(500円)、鴨のスモーク(350円)、レバーペースト(350円)と、パブらしいものが中心で、値段もリーズナブル。
最初、混雑しているということで、通路に面した40p×40pくらいのえらく狭くて窮屈なテーブル席に案内され、そこは人も始終行ったり来たりして落ち着かないので、一杯飲んだら早々に帰ろう、と思っていたのだけど、「奥の席が空いたのでどうぞ」と奥の席に案内されてびっくり。
英国紳士の書斎みたいな豪華な部屋で、席も皮張りのソファーなのである。4階ということで、夜景も奇麗で、遠くには建設途中のスカイツリーまで見えるではないか。
この席に移ったことによって、一度は下がっていた好感度が一気に急上昇(現金だなぁ……)、飲み物と食べ物を追加注文。
何ともゴージャスな気分の中でリアルエールの味を堪能したのであった。(2010.5)