「ヘリオスパブ」
沖縄のヘリオス酒造は、もともとは当地の伝統的な蒸留酒である「泡盛」の製造会社であるが、その会社が地ビールも作っている。
いくら規制緩和で作りやすくなった地ビールとはいえ、酒造りのノウハウや設備をまったく持たないものがいきなり創業するのは難しく、また酒類製造免許もなかなかおりないという。
その点、ジャンルは違えども既に酒造りを手がけている酒造メーカーが、新たに地ビール作りに参入する例は珍しくない。
そのヘリオスの地ビールが飲める直営店が、那覇の国際通りにあるので、沖縄に旅行に行ったついで寄ってみた。
数年前と異なり、沖縄にはモノレールが開通したため、那覇空港から国際通りまでの移動はずいぶんと楽になった。沖縄旅行ではなんて言ってもレンタカーを借りるのが一番便利なのだが、レンタカーではビールは飲めないからね。
さて、「ヘリオスパブ 国際通り店」には次のビールがあった。
バイツェン
ペールエール
ラガー
ポーター
ゴーヤーDRY
正確に言うと、最後は材料に「ゴーヤー」を使っているので、ビールではなく発泡酒である。しかしいくら最近ゴーヤーが注目されているからと言って、ビールにしてしまうとは……なんかキワモノのような気が……。
値段は皆、ゴブレットが350円。レギュラーグラスが500円で、トールグラスだと700円となっている。
2003年ジャパンビアグランプリで銀賞を受賞したというペールエールが、香りも良く、ホップの苦味と麦汁のコクのバランスがとれていて美味しい。バイツェン・ポーター・ラガーもそれぞれにいい出来だ。それならば、と「ゴーヤーDRY」にも手を出してみる。
「DRY」などというから、すっきり・さっぱり系で、それに苦味の加わった味、つまり、かつてのアサヒの「ほろにが」のような味のビールか? などと思って飲んでみたら、とんでもない! ピルスナー系のしっかりした味わいがあるではないか。そこに適度な苦味が(ゴーヤーのものなのかホップのものなのかわからないが)良く合っている。キワモノどころか、立派に美味しいビールに仕上がっているよ。
パブなのでつまみは洋風の料理が主なのだが、そこは沖縄。ゴーヤーチャンプルーやソーミンチャンプルー、また島どうふなど、沖縄ならではのものも用意されている。
国際通りの中ほどにあるので、買い物途中でヒョイと寄ってのどを潤す、なんてこともできる、しゃれた雰囲気の良い店であった。(2004.7)