没作品集

 

 このコーナーはあくまで「研究室」なので、当然研究の結果、うまくいかないこともある。失敗作ができることもある。

 そういう作品は発表しないつもりであったのだが、このまま隠滅させてしまうのも惜しいので、ここで失敗作品を紹介し、今後の反省材料としてみたい。

 

 

エリンギのオイスターソース煮

 中華のアワビを使った高級料理を、きのこのエリンギで代用したもの。見た目や触感がアワビに近いのでその連想で作ってみた。味は悪くないのだが、淡白なエリンギはいまひとつビールには合わず、どちらかというと紹興酒のつまみ向きであることが判明。よって没。

 

牛肉の黒ビール煮

 黒ビールのコクと苦味で牛肉の味を引き立てようと考えた料理。ただ、ビールをどれだけ入れるかという見極めが難しく、入れすぎるとやたら苦い味になるし、少なすぎると黒ビールの存在感が感じられなくなる。よって、手軽さの点で失格のため没。

 

鶏肉のオレンジソース

 フランス料理の「鴨のオレンジソース」の応用。鴨で作ったことは何度もあるのだが、手軽さの点で鶏に代えて作ってみた。だが、味は悪くないものの、どうしても「鴨の代用品」というイメージがついてまわるため没。オレンジ以外の果汁を使えばよかったのかもしれない。

 

ししゃものオリーブオイル漬け

 オリーブオイルに唐辛子やニンニク、月桂樹などで香りをつけ、そこに加熱済みの「シシャモ」を漬け込むという、「オイルサーディン」の「シシャモ」版。アイディアはいいのだが、たまたま缶詰で同じものを見つけて食べたら、そっちの方が美味しかった(涙)。缶詰より劣るものをわざわざ作る意味はなく、没。

 

菜の花のマスタード炒め

 「菜の花の辛し和え」を洋風にアレンジしてみようと思って作った作品。ただ、バターやマスタードといった洋風の味付けだと、どうしても和風の辛し和えのような「うまみ」が出ず、いまひとつ物足りないため、没。これはあともう一工夫で何とかなりそうな気がするのだが……。

 

 失敗作品も、こうしていくつか並べてみると感慨深いものがある。新しいことを試みて失敗しても、それは次の成功へのステップにつながるからだ。なんといっても、昔から「失敗は成功のもと」と言うからね。

 

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