2013年の4月23日は、限定醸造ビールやたら発売されたみたいで、このクリーミープレミアムもそうだ。
これはコンビニのローソン限定発売である。生産数が少なかったのか、現在はもう店頭で見かけない。(※注)
メーカーのニュースリリースによると、「本商品は、グラスに注ぐことでクリーミーな泡と華やかな香りをじっくりとお楽しみいただけるグラス注ぎ専用の麦芽100%ビールです。当社独自の「クリーミードラフト製法」により、しっかりとした泡持ちを実現しました。また、原麦汁エキス濃度を高めに設計することで、豊かなコク、深い味わいをお楽しみいただけます。さらに、厳選したホップを使用し、アルコール度数をやや高めの6%とすることで、華やかな香りと満足のいく飲みごたえを実現しました」とのこと。缶にも「おいしさへのこだわり」と銘うって(それにしてもこの「こだわり」という日本語、本来は「難癖」と同様、否定的な表現なのだが、すっかりこういう使い方が定着してしまったなぁ)「厳選素材 1.麦芽100% 2.ドイツ産麦芽一部使用 3.ドイツ産テトナンガーホップを使用 / 醸造法 1.厳選酵母による醸造 2.クリーミードラフト製法 3.やや高めのアルコール6%」とある。
小売価格はローソンで350ml缶が217円。これはスーパードライと同じである。「プレミアム」を名乗る割には普及価格帯のビールなのだ。
グラス注ぎ専用とのことなので、グラスに注いで飲む。もっともいつもそうしているのだが。別にこのビールに限らず、どんなビールでもグラスに注いだ方が美味しい。
飲んでみると、特に何の変哲もないビールである。「豊かなコク、深い味わい」「華やかな香りと満足のいく飲みごたえ」というメーカーの売り文句がすべて誇大広告に思える。
この価格帯としては普通のビールか。なんでこれが「プレミアム」なのか理解に苦しむ。
モルツのプレミアムが売れたからであろう、何でもプレミアムとつければ消費者が喜んで飛びつくとでも思っているのだろうか? サッポロに至ってはリキュール類(所謂第三のビール)やノンアルコールの商品にまで「プレミアム」という名称をつけている。愛飲家を馬鹿にするのもいい加減にせい、と言いたい。
そもそもそんなにも時間と金をかけて作ったビールならば、普及価格帯で売れるはずもないし、わずか一ヶ月で店頭から無くなる程度の数量しか売らずに開発費や宣伝費を回収できるはずもない。こういう似非プレミアムビールを売るメーカーは、本気で美味いビールを消費者に提供しようとする意思がないとしか思えない。
(※注……その後、追加生産したのか、再び店頭に出回るようになりました。味の感想に変わりはないけれど)