アサヒが「ビール文化を広く一般に伝えていく取組の一環として『アサヒ クラフトマンシップ』シリーズを数量限定で新発売します」「厳選素材を用い手間暇かけてつくるこだわりの逸品で、世界中で楽しまれている多様なタイプのビールをモデルに、季節に合わせた味わいを年4回ご提案します(メーカーのニュースリリース)」という意気込みで発売するシリーズ。
その第一弾で、2015年2月10日発売。
さらにニュースリリースによると、「『ドライポーター』は、重厚なコクと香ばしいロースト香が特長の麦芽100%の生ビールです。この重厚なコクをつくり出すために上面発酵酵母と香ばしいロースト香が特長のチョコレート麦芽を一部使用しました」とのこと。
上面醗酵酵母を使用したとは言っているが、「上面醗酵(15℃〜20℃で醗酵し酵母が液面に浮いてくる)させた」とは言っていないのは他のメーカーと同じか。アルコール分は6%。価格はローソンで350ml缶が税込249円だった。
缶にも盛大に能書きが書いてある。
1.醸造学マスターによる処方監修 2.ロースト香が特長のチョコレート麦芽を一部使用 3.苦味の決め手となる厳選ホップを一部手で投入 4.どっしりとしたコクを造り出す上面酵母を使用 5.麦芽100%による、深く、濃く、膨らむ味わい 6.通常より1.3倍熟成させた長期間熟成製法 |
なんか項目は多いのだが、3の「手で投入」というのはそんなに尊いことなのだろうか。機械で投入すると駄目なのか?
ちなみに「ポーター」とは「運ぶ」という意味のラテン語から出来た言葉で、直訳すれば「運ぶ人(もの)」。ビールの「ポーター」は、十八世紀のロンドンの荷運び人(ポーター)の間で人気があった、出来立ての安いエールと時間が経過して酸味の出て来たエールとをブレンドしたビールに由来するとか。ちなみに現在日本でもおなじみの「スタウト」はこのポーターから発展したものである。
飲んでみると、上面発酵らしさが感じられる。香りもいいしコクもある。マスプロメーカーの手がけたビールとしては個性が感じられるレベルとなっている。
このシリーズ、ちょっと期待できるかも。
ただ、「ドライ」と銘打っているだけに、キレの良さも求めた感がある。こういうビールは口の中で長く余韻を持たせる味わいがあった方がいいんだけどね。