《アサヒ ドライブラック バースタイル ライム》

 2014年4月22日期間限定発売。

 メーカーのニュースリリースによれば、「黒ビールのコクと『スーパードライ』ならではの爽快な切れ味が特長の『ドライブラック』に、ライムの爽やかな風味とほのかに香るミントフレーバーを組み合わせた新しい楽しみ方です。氷を入れていただいてもおいしくお飲みいただけます。」とのこと。

 もともとはアサヒが展開する「スーパードライ エクストラコールドBAR」で出していたカクテルの一つで、店でビールの注文総数の1割を超える人気があったため、商品化ということになったらしい。

 原材料は、麦芽・麦芽エキス・ホップ・米・コーン・スターチ・香料と、最近では珍しい副原料使いまくり。アルコール度は5.5度。

 飲んでみるとさっぱり系の黒であるドライブラックとライムの爽やかな香り(香料だけど)が思ったよりも合う。意外に悪くないのである。

「ビールに果汁?」ということで、訝る向きの人もいるかもしれないが、メキシコではテカテの缶に塩を乗せライムを搾って飲むテキーラスタイルがすでにあるし、コロナの瓶にライムの櫛切りを添えたモノもおなじみである。決して目新しい訳ではない。そもそもカクテルに果汁を使うこと自体はスタンダードなレシピであって、それを缶で売るのも日本ではすっかり定着している。別にビールだけを例外扱いすることもなかろう。

 何の変哲もない味の「限定」ビールばかりが濫造される中、このような思い切った商品を、トップを走るアサヒが出すというのは、むしろ意欲的で面白い。

 問題なのは、香料を加えたことでこれが税法上の「発泡酒」の扱いになっていること。にもかかわらず、売値は350ml缶が186円(スーパーでの購入価格)と、スーパードライと同価格なのだ。ビールと発泡酒とでは税率が異なるのに、価格が一緒というのはおかしくないか?

 

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