《アサヒ 熟撰(缶)》

 アサヒが飲食店専用に開発したビールである「熟撰」は、中ビン・小ビン・樽詰のみで、原則的に飲食店でしか置いてなくて、店に行かないと飲めないビールであったのが、昨今のプレミアムビールの流行の波に乗ったのか、遂に缶入りで店頭販売を始めた。

 熟撰は以前は麦芽100%ビールを全面否定、副原料を積極的に使うことを売りとしたビールで、そのことをホームページでもうたっていたのだが、今回、店頭販売を期にホームページもリニューアル。過激とも言えるメッセージは姿を消した。何しろ、熟撰発売当時とは異なり、現在は自社で麦芽100%のプレミアムビール「プライムタイム」を発売しているので、その辺のことを考えてのことであろう。

 現在のホームページでは「長期熟成」「三種類の異なるホップ」といった点をアピールしている。

 熟撰に関しては過去瓶入のものを紹介しており、味の感想はその時と同じで、長期熟成らしいしっとりと落ち着いた味で、バランスのとれたビールなのだが、プレミアムビールとしてはややインパクトに欠ける印象なのだ。サントリー・ザ・プレミアムモルツやヱビス・ザ・ホップのような鮮烈な味わいのビールと比較すると「特別さ」が不足している感は否めない。店頭で同じ価格帯だったらやはり後者を選ぶだろうなぁ。

 ちなみに近所のコンビニで500ml缶の値段を調べたら、この熟撰が327円、ザ・プレミアムモルツが323円、ヱビスが315円、プライムタイムが308円だった。熟撰、高いな。

 

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