《アサヒ マイルドアロマ》〜パッケージで勝負!?〜

 アサヒがセブンイレブンと共同開発した限定醸造ビール。缶に「Mild&Smooth」「やわらかな味わい&ほのかな香り」とあり、どこかで聞いたような言いまわしだな、と思ったら、かつて発売した「穣三昧(みのりざんまい)」のキャッチコピーが「マイルド・まろやか」「ソフト&スムース」「やわらかな味」であった。あのビールはやたら薄味だったのだが、同じ路線でも今度のは麦芽100%の本格ビールなので期待が持てる。それにしても、かつてはオールモルトビールに否定的であったアサヒが、「酵母ナンバー」「マイルドアロマ」と、続けて麦芽100%ビールの新商品を発表してくれたのはいい傾向だ。

 さて、今回のこのレポートを書くためにメーカーのホームページを開いたのだが……。

 このビールの特長について書かれた文章があり、それが全部で211文字なのだが、そのうち味の特長について書かれた部分はたったの63文字。つまり全体の三分の一以下なのである。ではそれ以外に何が書かれているのかというと、缶の外側のパッケージについての記述なのだ。パッケージがいかに素晴らしいかということが残る三分の二以上を使って書かれているのだ。味で勝負する気はないのか!?

 グラスに注ぐと決めの細かい泡が立つ。

 オールモルトにしては軽い。前回のサッポロ「畑が見えるビール」と同じような傾向だが、「畑が見えるビール」よりはモルトとホップの香りでやや勝っている感じだ。確かに「ほのかな香り」であり、「やわらかな味」ではある。

 ただ、オールモルトのビールとしては、プレミアム価格帯ではヱビス・プレミアムモルツ・ハートランド・チルドビールがあり、普及価格帯ではモルツがある。特に新モルツは、いずれこの項でも取り上げる予定だが、いい出来なので「畑が見えるビール」や「マイルドアロマ」にとっては強敵となるであろう。

 ただ、マイルドアロマが売れなくて、アサヒが「やっぱり麦芽100%はダメだ」という認識にまた戻ってしまうのは困るのだが……。

 

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