アサヒビールは「鮮度実感パック」と銘打って、毎月の月末頃に数量限定で、「原則製造後3日以内で工場から出荷」するスーパードライを発売している。
いつどこで発売されるのかは、こちらのホームページで確認できる。ちなみに価格は通常のスーパードライと同じで、違うのは鮮度だけ、という訳。
かつては雁屋哲原作の「美味しんぼ」等でボロクソにけなされたスーパードライであるが、このビールが出荷システムを大幅に改善することで、鮮度の良いビールを提供し続けてきたことは意外と知られていない。
伝説のビール注ぎの名人、故・新井徳司氏も「ビールは銘柄にこだわらずにラベルの日付にこだわりなさい」という名言を遺している。ビールにとって鮮度は重要なものなのだ。ビールも日本酒やワインと同様に醸造酒なのだから、光を避けて温度管理した場所で保存することが本来必要なのだが、そういう扱いをしている酒屋がはたしてあることやら。そういう意味で、ビール工場の飲むビールが旨いのは当然なのだ。
鮮度実感パックはビール工場から3日以内出荷なので、発売日にスーパーの冷蔵庫に並んでいるそれを買えば、かなり鮮度の維持されたビールを飲むことが出来るという仕掛けである。
実際にグラスに注いでみると、泡の部分から馥郁たる良い香りが感じられる。どちらかと言えば香りが淡いスーパードライであるにもかかわらず。
このビールは味も平淡だと言われ、確かにそれはそうだとは思うが、一方で喉越しの良さとキレにはドライならではの爽快さがある。
すべてのビールがこの味では困りものだが、たくさんの選択肢の中にこういうビールがあることはいいことだと思う。気温の高い時に飲む鮮度の良いスーパードライはやっぱりうまいビールなんだな。